コロナ禍の2021年、密を防ぐ「通勤手段」や「レジャー」としてバイク人気が再燃しました。しかしその一方で、毎日のように事故のニュースも報じられています。バイクは爽快で手軽といえど、転倒や事故を起こせばクルマよりも大けがをする可能性が高い、ということも否定できません。
今回は、マイナビニュース会員に行ったアンケート結果から、現役バイク乗りの会員達が「事故にあわないために行っている対策」を紹介します。
バイクで事故にあわないための対策はしている?
Q.バイク事故にあわないために注意していることや、対策していることはありますか?
はい ―――74.5%
いいえ ―――25.5%
どんな人でも事故にはあいたくないもの。アンケート結果では3/4のバイク乗りが事故にあわないようにするために何らかの注意や対策をしていました。残りの1/4の人たちは、「いくら注意してもしょうがない…」という開き直りでしょうか?
ベテランのバイク乗りたちはどんなことに気をつけているか?
一年に何度も事故や違反をおこす人もいれば、何十年も無事故・無違反という人もいます。会員のバイク乗りはどんなことに気をつけているのでしょうか?その回答例を紹介しましょう。
■スピードの出し過ぎに注意する
男性/53歳
法定速度を必ず守る男性/52歳
スピードの出しすぎには絶対に注意してます男性/64歳
いつも道を譲るようにしている、スピードを出しすぎないよう気をつけている男性/59歳
深夜帯は速度を落とす男性/48歳
冬場は道路が凍っていることがあるので、スピードの出し過ぎやカーブなどには気をつける
かなり多くの人が注意していたのは「スピードの出し過ぎ」。教習所でも教わりますが、60km/hで走ってれば1秒間に約17m、100km/では約28mも進み、スピードが上がるほどリスクは高くなります。危険に気がついて急ブレーキをかけても、慌てればスリップして転倒。転んで滑るだけなら打撲程度で済むこともありますが、十分に速度を落とせずクルマや障害物に衝突した場合、高所からの転落に近いダメージを負います。ABSを装備したバイクも増えていますが、これも絶対に安心とはいえません。タイヤはスリップしませんが、制動距離には限界があるからです。
■これぞ究極の対策?「バイクに乗らない」
男性/31歳
雨の日には乗らない。乗ったとしても速度を落とす女性/48歳
バイク事故にあわないために、バイクに乗らなくなった女性/38歳
なるべくバイクには乗らないようにして、かわりに徒歩や電車などの事故の少ない乗り物を利用するようにしている男性/62歳
年老いたので乗るのを止めました。究極の対策ですね男性/59歳
事故以来、バイクには乗っていません。事故で身体的にも精神的にも痛い思いをするのはバイク側です
雨などの悪天候時や、混雑している場所や時間帯には事故のリスクは高まるので、自信のない場合はバイクに乗ることを控えるのも一つの方法です。ただ、あまり乗らないと運転スキルや勘が鈍るのも難しい所。しかし、バイクが自分には向いていないと思ったり、高齢による身体の衰えを感じた場合、潔くバイクをやめるということも大事でしょう。無理して乗って事故をすれば、自分がケガをするだけでなく、他人を傷つけてしまう可能性もあるからです。
■装備の充実やドラレコの装着
男性/66歳
良いヘルメットなどの装備品つける男性/40歳
バイクの存在を乗用車に知らすため、派手めな服を着る男性/48歳
ドライブレコーダーの設置男性/54歳
バイク用のドライブレコーダーをハンドル付近に装着して、事故やトラブルにあったときの映像を保存できるようにした男性/59歳
気をつけて運転をすることはもちろんだが、あまり慎重になりすぎても乗っているだけで疲れてしまう。今は服装および装備に重点を置いて完全防護にしている
頭部を守るヘルメットの装着は義務化されていますが、転倒時の衝撃を吸収するライディングウェアを装備するライダーも数多く見かけます。ヘルメットは顎まで一体成型されたフルフェイスが強度も高いのですが、事前に危険を察知するため、視界の広いオープンフェイスを選ぶ人もいます。そのほか、最近ではバイク用のドライブレコーダーも入手しやすくなり、事故解決に活用されたり、あおり運転の抑止にも一定の効果があるようです。
■集中して周囲の動きに気をつける
男性/54歳
周囲の動きに気を配る。危なそうな車に近づかない男性/17歳
運転中は集中すること。喋りながら運転せず、前をしっかり見る。スピードは出しすぎず、遅すぎず男性/68歳
交差点付近では、車の動向に注視し、スピードを緩める男性/42歳
大型車両に近づくときは、なるべく死角に入らないように存在をアピールする男性/46歳
すり抜けはあまりしないようにすること。四輪車に注意。トラックの死角に入らないようにする
事故は自分以外の車両や人と接触することで発生するので、周囲の動きに細心の注意を払うことはとても重要です。また、こちらから見えていても、相手からは見えないこともあります。バイクは車体も小さく、ヘッドライトの点灯や視認性の高いウェアを着ていても、クルマのドライバーの死角に入ってしまうことも。特に大型トラックは後方視界も悪く、巻き込まれたらひとたまりありませんので、必要以上に近づかない方がよいでしょう。
■そのほか、こんなことまで考える人も!
男性/40歳
急ブレーキなどタイヤが少しでも滑るようになれば劣化のサインなので、片方だけでも優先して新品に変えた方が一瞬の出来事で助かる場合もある男性/52歳
普段からストレスを溜めて運転しないこと。イライラが余計に事故を引き寄せたりします男性/61歳
混んでいる道路などはできるだけ避け、田舎道を走るようにしている男性/59歳
バイクの運転には自信があるが、公道での運転は何があるかわからないので、運転に過信しないで安全運転を心掛ける男性/54歳
信号待ちでは先頭に出て、信号が青になったら後続車との距離をできるだけあける。後続車に割り込まれないように前方車両との車間は最低に維持。前方車両が予期せぬ動きをすることを前提に緊張を緩めない
最近のバイクは故障しにくくなったとはいえ、事故の原因にならないようにしっかりメンテナンスをする人もいます。タイヤはミゾが十分でも、空気圧の不足や経年劣化があった場合、雨や路面ペイントなどでグリップを失うこともあります。また、メンタルが不安定な時も運転も乱れがちに。ほかの車両に割り込まれてカッとしたり、考えごとがある時は運転に集中できないので要注意でしょう。
「道路交通法の遵守」だけでは事故は防げない?
たくさんの車両が走っていても事故がおきないよう、道路交通法や標識、信号などが整備されています。場所によってことなる制限速度や停止線の位置も、円滑な交通が行われるために設計されたものなので、これはしっかり守らねばならないものでしょう。
しかし「自分は決まりを守っているから絶対に正しい!」という考え方も事故を誘発する可能性があります。優先権のない相手に頑として譲らなかったり、禁止区間外とはいえ、混雑している場所での右折待ちやUターン、流れの速い道で一人だけゆっくり走ったり、前車との車間の空けすぎるなど。これらは周囲のドライバーをイライラさせ、割込みやあおり運転を受ける原因にもなりかねません。
交通法規を守ることは大事ですが、実際には「全体的な交通の流れ」を乱さないことも必要になってきます。より多くの人がほかの車両のことを考え、快く譲りあい、譲ってもらったら感謝の気持ちを持つ、といったマナーの向上が事故や交通トラブルを減少させるのではないでしょうか。
調査時期: 2021年9月3日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,009人
調査方法: インターネットログイン式アンケート