ファンダメンタル分析は、景気・雇用・物価・消費・貿易・地政学リスクなどの経済的な要因によって相場を予測することです。また財務諸表などを見ることにより現在の株価が割安なのか割高なのかを判断します。国内外の景気、為替や金利動向、金融・財政政策のほか、各企業の業績、財政状態などから将来の株価の動向を判断する手法というわけです。企業の業績予想や、資産の活用状況の把握に主眼が置かれます。
まず決算をみていきましょう。
上場している会社であれば、ホームページに「個人投資家の方へ」、「IR情報」などという形で決算を見ることが出来ます。決算を見ると1年間の売上げや利益などの企業の経済状況がわかります。サラリーマンでいうと成績表や給与明細のようなものでしょうか。
決算の対象となる期間は企業によって異なり、元旦から1年で区切る企業もあれば年度で区切る企業もあるため確認をしてください。決算発表の時期は東京証券取引所では、決算期末から原則45日以内に提出するように定められています。
「成長株」を探してみましょう
売上、利益は順調に伸びているか? 業績の伸びが今後も期待でき、株価もそれに応じて上昇しそうな銘柄を探してみましょう。「成長株」を探す際に見るポイントは、損益計算書の売上高や利益の伸びです。見てほしい数字をあげてみましょう。
売上高とは、企業が商品やサービスを提供することによって得た金額のこと。仕入れ費用や販売管理費などを引く前の売上げた金額。
営業利益とは、売上高から仕入れ費用や、販売管理費、人件費、広告宣伝費などの、商品やサービスの提供にかかったコストを差し引いた金額のこと。そのため営業利益の額が売上高に対して極端に少ない場合は、コストがかかりすぎで営業の効率が悪いということになります。業種によってその割合はかなり変わってきますので、同業種で比較してみてくださいね。
経常利益とは、営業利益から営業以外での収支を差し引いた金額。営業利益に対して経常利益が大きく異なる場合は、本業の営業以外の収益が多いということになります。
純利益とは、経常利益から特別利益、特別損失を差し引きし、法人税を引いた金額。一般的に言われる利益はこの純利益を指すことが多いので要チェック。当期最終利益とも呼ばれます。
「割安株」を探してみましょう
業績や財政状態から見て株価が実態より割安に放置されている銘柄を「割安株」といいます。保有資産と株価のバランスは取れているかをチェックしましょう。
「割安株」を探す際には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった株価指標を使います。企業の持っている本来価値に着目し、1株当たりの利益は適正かということを見て行くのです。
PER(株価収益率)は「株価÷1株当たりの利益」で求めることができ、PERが低ければ低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であるといえます。業種にもよりますので比較は難しいですが20倍程度が妥当ではと、言われています。株価検索ツールではPERが表示されていますので参考にして下さい。
PBR(株価純資産倍率)は「株価÷一株あたり純資産額」で求める事ができ、PER同様PBRが低ければ低いほど株価が割安であるといえます。一般にPBRが1倍以下だと会社が保有する純資産の額より株式時価総額のほうが安いので割安といえるわけです。
一般に株式や為替などのマーケットでは、自国の経済指標や金融政策などのほかに、世界最大の経済大国である米国の経済指標や金融政策などが注目されています。米雇用統計などは特に注目! これらの発表のスケジュールは予め決まっているので、必ずチェックして重要なイベントを見逃さず、市場の反応をみていきましょうね。
ただし、経済指標は実体経済と比べてかなり遅れるので情報の鮮度が古くなりがち。それをフォローするためにも決算短信で最新の業績数値を確認しましょう。決算短信にはより細かい数値や企業に関する情報が載っています。
執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子
共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。