BCLの神様、山田耕嗣先生の追悼番組に出演

みなさん、こんにちは。上杉さくらです。ラジオ聴いていますか? 先日、ラジオNIKKEIの特別番組「BCLの世界~山田耕嗣さんを偲んで」(9月15日放送)の収録に担当編集のゆうこらん(←※担当「上杉さん、勝手にアダ名をつけないでください!(怒)」)と参加してきました。

ラジオNIKKEIの特別番組「BCLの世界~山田耕嗣さんを偲んで」の収録スタジオ。和気あいあいと番組は進みました

出演者にラジオの話を興味深く聴くゆうこらん。また、オオボケ発言をしなければいいのですが……

ラジオ界の大先輩、有名人の方々の中に混ざって、上杉とゆうこらんも汗だく。まるでパクパクしている金魚のようで……。とはいえ、ジャミング萌えのゆうこらん、この日も話題を提供してくれました。「SINPOコード? ※」というキョトンとした顔つきに、出演者のみなさんは「Sは」「Iは」とひとつひとつ丁寧に教えてくれます。

SINPOコードとは、電波の受信状態を1~5で示すもの。ちなみに、Sは「Signal Strength(信号の強さ)」、Iは「Interference(混信の度合い : ジャミングも含む)」、 Nは「Noise(雑音 : ただし、雷による空電のことで、一般的にクーラーや蛍光灯などの人工的な雑音は含まないのに注意)」、Pは「Propagation Disturbance(伝播障害)」、Oは「Overall RatingもしくはOverall Merit(総合評価)」の意味。Oは相対的なものなので、他の数値より大きいものは誤り。すなわちSINPO=23333は誤り。
<参考文献 : 「短波別冊 BCL QAハンドブック」(日本BCL連盟 979年)、 「世界を聴こうーー短波放送の楽しみ方」(赤林隆仁・著 コロナ社 1993年)>

少年時代にゲットした毎日放送のQSLカード(ベリーカード)。奇しくも番組進行を担当された正司達哉さんも同じQSLカードをもらっていました

「Nは? (答えはノイズ)」とふられたゆうこらん。「雑音だよ」というヒントに「ジャミング?……だと思った」とオオボケ発言。なごやかな雰囲気の中、話が盛り上がりました。そんなゆうこらん、収録が終わったあとも、山田耕嗣先生が執筆された『入門BCLブック』を見て「文章が多いですね。昔の小学生ってこんなに勉強していたんですか……」と問題発言。

しかし、とてもやさしい出演者のみなさんが、「そう、昔の小中学生って、背伸びしていたんだよ。いろんなことに興味を持って、知りたい知りたいって……。」と教えてくださいました。Webマスターさんも、「学校の先生と喧嘩しましたよ。だって、南アフリカの公用語で英語のほかに、アフリカーンス語と書いたら、バッテンもらったから。BCLをやっていると覚えるし」と、子ども時代を振り返って語ってくれました。

おそらく、当時600万人も700万人もいたBCL少年・少女たちのように、日本中が「向学心」を持っていた時代、わからなくても、自分で調べるという「探究心」が日本を支えていたといえると思います。

 

ところで上杉も、9月15日当日の番組は短波ラジオで聴きました。南関東では、朝の放送は、3,925KHzがS4、6,055KHzがS2程度、9,595KHzは聞こえず、夕方は、3,925KHzと、6,055KHzがS4と、9,595KHzは混信でだめでした。全体的に夕方のほうが状態が良かったです。気はずかしかったので、自分の声のパートでは、ICF-6700のボリュームを落として聴きました。

同番組は、ラジオNIKKEIのサイトではオンデマンドでも聴けますし、MP3データとしてダウンロード可能ですので、番組をお手元のパソコンで聴きたい方はぜひお聴きください。

ダウンロード先

山田耕嗣さんの追悼特番、無事終了しました [webmasterのきもち]
http://blog.radionikkei.jp/webmaster/entry-155544.html#comment

また、放送が大好評だったため、9月23日(火)の11:00~13:00に再々放送が決まったそうです。ぜひ、短波ラジオでもお聴きください。

ところで、短波や中波によるラジオ放送、インターネット放送、ラジオ放送の形態は異なります。しかし、放送の中で川崎さんがおっしゃったように、ラジオというメディアであらゆるところに飛んで行くことが、インターネットラジオでもできたら、まだまだラジオというメディアの可能性が広がっていくと思います。

山田耕嗣先生の追悼番組がきっかけとなって、BCLを復活したユーザ、またアナログラジオやインターネットラジオを楽しみたいという方が増えていけばと思います。

山田先生の今までのご功績に感謝するとともに、改めてご冥福をお祈りいたします。また、出演者の方々、番組制作に携わった方々、そしてリスナーのみなさま、ありがとうございました。

思い出のBCL時代

わたし自身、BCLを始めたきっかけは、中学1年生のとき、同級生の少年が、クリアファイルにベリカード(おそらく国内局)を学校にもってきて、そんな世界があるのだ、と思ったから。最初は国内局を聴いていましたが、中波の海外放送、短波の日本語放送と、どんどん世界が広がります。

当時読んでいたのは、『短波』『天文ガイド』『天文と気象』などなど。お小遣いも限られていますから、毎月は買えませんでした。『短波』などに掲載されている放送局情報を、本屋さんで見ながら暗記し、「え~と ●●kHz 21:00~21:30」などと本屋さんの外に出てメモ帖に記して聴いたこともありました。すみません。本屋さんと出版社さん。その本屋さんもとうとう先日閉店してしまいました。本屋さんはどんどんなくなります。

『短波』誌のよかったことは、科学的だったこと。読者からの受信投稿に対し、アドバイザーから、「ID(曲名告知)をきちんと確認していなければ、推定にすぎない」とか、「報告書はもっと箇条書きにしてください」など、厳しいコメントがよくつけられていました。当時も「きっついな」と思いましたが、こういう的確なアドバイスが科学少年、少女たちを育てたのかな、と思います。今、会社でこんな厳しいことをいうと、「パワハラで通報されました」ということになりかねませんが(苦笑)。がんばれ日本。加油日本(チアヨウリーペン)。

ラジオは、最初、NEC製の短波も聴けるトランジスターラジオを使っていました。もちろんデジタル表示ではないし、周波数を指し示すバーもアバウトです。そこで、よく聞こえる局をパイロット局としてチェックし、AとBのパイロット局のBより10kHzだから、ダイアルをこれくらい回せば、ターゲット局が聞こえるかも、と狙います。

担当編集記者のゆうこらんは、「なんでBCLリスナーは、みんなダイアルをくるくる回すのが好きなの? 」とあきれて不思議がります。たしかに、デジタル表示は便利です。えいや、ってその局が聞こえるか、聞こえないか、ですから。しかし、ダイアルを回しながらターゲットを狙っていく、ってロマンなんですよね。それに回りの局をザッピングするのも便利だし。

そうそう、NEC製の短波ラジオは25メーターバンドまでしか聞こえないので、国際英語放送が楽しめません。そこで、ICF-6700(ソニー製)を買ってもらいました。これはデジタル表示。びっくりしました。ラジオ・プラハや、ラジオ・スウェーデン、なんてよく聴きました。いちばん感動したのは、ラジオ・ネーデルランドのボネール(中米のオランダ領アンティル諸島)中継。受信報告書にラジオ・ネーデルランドのISや聴きとった音楽を手書きの五線譜に書いたら、放送局からQSLカードのほかにペナントが届きました。ポストカードの裏には「Thank you for your nice report and IRC'S」と書かれていたのがうれしかったなぁ。

私の愛機、ソニーのICF-6700。BCLを復活した時は液晶がへたって、短波は聴けなかったものの、なんとか回復。6055kHZはどこの放送局でしょうか。ラジオ・ルワンダではありません

ラジオ・ネーデルランドのQSLカード。裏にはボネール中継がタイプライターで明記されています

キューバからフィリッピン、ウラジオまで。

ところで、最近はこんな局を聴いています。

  • Radio Habana Cube(キューバ)6140kHz 15時台、16:00まで←ゆっくりした英語放送です。国営放送
  • Radio Rebelde(キューバ)5025kHz 18時台

音楽がノリノリ。国営放送より、聴いていて楽しい。インターネットのストリーミングもあります。(サイト上部のお天気マークの右隣「audio real」ボタンをクリック。

サイト情報

Radio Rebelde
http://www.radiorebelde.com.cu/

Radio RebeldeのQSLカード。パソコンで作成されていますね。なかなか返信が来ない局でもあります

  • DYAB(フィリピン)中波の1512kHz 2時~4時ごろ

日によっては強力に楽しめます。ループアンテナが必要。朝3時のモーニングショウでのテレフォンインタビューを聴いていたら、にわとりの鳴き声が。フィリピンのにわとりさんは早起きです。こんなのもBCLの楽しさかもしれません。

  • Radio Lemma(ロシア / ウラジオストック)中波の783kHz 18時台~20時台

日本海をはさんだウラジオストックのラジオ放送(ロシア語)。ロシア語の音楽がかかるのがうれしい。以前、録音したWAVファイルを添付した電子メールで受信報告書を送ったところ、郵便でQSLレターがきました。

Radio Lemmaのベリレター(左)とステッカー(右)。局に添付ファイルを送るのはスパムメールとして認識されるために、あまりおすすめはしませんが、どうしてもという方は、おおよそ1MB以下になるように、短くサウンドファイルを加工しましょう。MacでもWindowsでもQuickTime Proは便利。WAVファイルにしたら、それをiTunesに取り込んで、MP3ファイルに書き出しましょう

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