BCLを復活したリスナーの方々、こんにちは。上杉さくらです。ラジオ、聞いてますか?

海外放送の醍醐味というと、さまざまな国の情報が得られること。インターネットやパソコン通信がなかった時代、海外放送は貴重でした。海外の新聞もなかなか手に入らなかったぐらいですからね。そのなかでも日本語放送は、英語がわからない小中学生でも理解ができるため、とても役に立ちました。

日本語放送を聞こう!

今、手元に1982年3月号の『短波』誌があるのですが、 当時、日本語放送を行っていた放送局は22局ありました。

放送局を挙げてみると……

  1. 北京放送(中国)
  2. 自由中国の声(台湾)
  3. 朝鮮中央放送(朝鮮民主主義人民共和国)
  4. KBS(韓国)
  5. HLAZ(旧HLDA:韓国)
  6. インドネシアの声(インドネシア)
  7. ラジオ・ベリタス・アジア(フィリピン)
  8. ラジオ・タイランド
  9. ベトナムの声
  10. SLBC(スリランカ)
  11. ラジオ・オーストラリア(オーストラリア)
  12. KTWR(グアム)
  13. KUAM(グアム)
  14. DW(西ドイツ)
  15. BBC(英国)
  16. バチカン放送(バチカン)
  17. モスクワ放送(ソ連)
  18. 国連放送(国連)
  19. KGEI(米国)
  20. RAE(アルゼンチン)
  21. HCJB(エクアドル)
  22. ラジオ・ニュージーランド(ニュージーランド)

となっています。

現在は、どうでしょうか。数え方が難しいのですが、海外からの日本語放送は18局。この26年の間に政治体制が変わった国もあって、放送局名も大きく変わりました。1982年の放送局で今も日本語放送をしているのは、(1)~(6)、(8)、(9)、(17)、(20)です。(21)のHCJBはエクアドルではなくオーストラリアの放送局から日本語放送を行っています。

これをみると、先進国の日本語放送がなくなったことがわかりますね。イギリスのBBCとオーストラリアのラジオ・オーストラリアが1990年に、ドイツのDWが1999年に日本語放送を止めました。

一方、1989年にモンゴルの声が、また1999年に、IRIB、イラン・イスラム共和国国際放送ラジオが、日本語放送を開始し、今も続いています。

また、現在残っている日本語放送では、宗教放送が多いのが特徴です。

お手軽に聞ける、中国国際放送、ロシアの声

短波ラジオでなくても、普通のラジオでも聞こえる日本語放送はあります。

BCLを再開した方は、まず手始めにここから聞いてみるのはいかがでしょうか。特に、中国国際放送(昔の北京放送)やVOR ロシアの声(昔のモスクワ放送)は、中波で放送を行っているので、普通のラジオでもキャッチすることが可能です。

8月8日から北京オリンピックが始まりますが、夜に1044KHzにダイアルを合わせてみてください。きっと北京からの中国国際放送を聞くことができますよ。

北京放送のベリカード。働く人民をテーマとしている。実は金箔を使っていて豪勢だった

北京放送に受信報告書を出すと、ベリカードのほか、剪紙(せんし) がプレゼントされた。「自力更生」という文字が時代を表している

北京放送のペナント。60~70年代のものか?

北京放送のスケジュール表。70年代後半

スケジュール表をめくると……。日中友好が叫ばれていたころの話である

中波で聞こえる主な放送局とその時間は以下の通りです。

中国国際放送 20:00-01:00 1044KHz(同じ時間、短波の7190KHzなどでも聞こえるはず)
VOR ロシアの声 21:00-23:00 630KHz、720KHz(同じ時間、短波の7175、7265KHzなどでも聞こえるはず)

最近の中国国際放送のベリカード

モスクワ放送のベリカード。1970年代は1250KHzもしくは 1251KHzでよく聞こえ、ニッポン放送と混信を起こした。現在もVOR ロシアの声として、日本語放送を行っている

それから、インターネット時代ですので、短波での放送時間、周波数は各放送局のサイトや日本語放送のページを参照にするとよいでしょう。ただし、放送局のサイトでは古い情報が載っている可能性もありますので注意しましょう。

最近のニュース

ところで、夕方15:57~16:57頃にナイジェリアからのボイス・オブ・ナイジェリア(VON)が15120KHzで聞こえます。フランス語放送です。15:57頃にIS(インターバルシグナル)が聞こえますので、確認は簡単です。また夜中の2時台後半から3時ごろにかけても、聞こえます。

一方、中波ですと、1530KHzで月曜日に韓国のAFN(ソウル)が 聞こえるときがあります。西日本の方は聞きやすいかもしれません。中波放送の楽しみについては、またいつか紹介したいと思います。

最後に

第1回の記事について、87.9MHzはEasy FMからHit FMに変わったはずだと、読者の方からご指摘を受けました。Eスポの場合、電離層異常次第なのでなかなか確認ができないのですが、8月上旬にたしかにHit FMに変わっているのを確認しました。Easy FMから変わった時期はさだかではありませんが、たしかにHit FMでした。ご指摘ありがとうございます。ではまたラジオの時間に会いましょう。