こんにちは。上杉さくらです。年の瀬も押し迫ってきましたね。この間、1年の半分が終わったと思ったら、あと残り1カ月。あっという間に、2009年ですよ。ところで、お正月休暇には、海外に行く人も多いのではないでしょうか? あるいは、出張で海外っていう人も。そんな時には、ぜひラジオを持っていきましょう。今回は、海外旅行にもラジオを持参、というのがテーマです。

たまには、列車の中で思い切ってラジオを聴くっていうのもいかがですか? ビールをぐびぐび呑みながら(チェコにて)

さて、海外旅行にはどんなラジオを持っていったらいいのでしょうか。中波やFMのみを聞きたい方は、ポケットラジオでもかまいませんが、できれば周波数がデジタル表示のものを持っていきましょう。コールサインを聞き取れなくても、録音しておけばあとで、周波数からその局を調べられるからです。

注意したいのは、国によって使われている周波数帯が違うこと。FMを例にとると、日本のFM放送は76~90MHzで行われています。しかし、日本が特殊で、他の多くの国では、87.5~108MHzで放送が行われています。これでは、日本のFMしか聞けないラジオを持っていっても、87.5~90MHzしかFM放送を聞けないことになるので、楽しめませんよね。また、ロシアなどでは、66~73MHzのFM放送もあります。

一方、中波についても、米国などでは、1620kHzより高い周波数(1621kHz~1700kHzぐらい)でも放送しているAM放送局があります。BCLが盛んだったころは、この周波数帯で放送している局はなかったように記憶していますが、どうやら割り振る周波数帯が少なくなったために、周波数の帯域を上に広げたようです。この帯域のことをEX-BANDと言っています。

それから、面白いのは長波です。日本ではなじみがない長波ですが、ヨーロッパやアフリカでは大出力の長波局が目白押しです。ヨーロッパやアフリカ方面に行かれる方は、ぜひ、長波が聞こえるラジオを持っていきましょう。

長波の放送局は大出力のところが多く、遠くまで聞くことができる。図はチェコのブルノで聴いた、ルクセンブルグのRTL。234kHzは長波の周波数。パリとルクセンブルグに受信報告書を送ったが、パリはPFC、ルクセンブルグはQSLカードが返ってきた。サイトはこちら

ヨーロッパだと長波がおすすめ。図は、ラジオは長波だけ行っていないEurope 1。QSLカードは持っていないようで、返信はPFC。サイトはこちら

日本とは一味違う短波ラジオの楽しみ方

海外旅行に行く多くの方は大都市のホテルに泊まる方が多いのではないでしょうか。残念ながら、海外の都市のホテルでもノイズが多いため、なかなかめずらしい局を聞くことはむずかしいようです。しかし、国際局でも日本ではなかなか聞きにくい時間帯の番組を聞けたり、また日本での受信に対して原則QSLカードを発行していないラジオ・ジャパンを聞いてQSLをゲットしたりなど、短波ラジオの楽しみもまた違ったものがあります。

ラジオを持っていけなかったときは、ホテルの部屋のラジオを聴くのも手。写真はポーランドのクラクフで泊まったホテルに備えつけられていたラジオ。FMとLW(長波)というのが面白い。このラジオでポーランドの国営局Polskie Radioを聞き、受信報告書を送ったところ、図のように、国際局(ラジオ・ポーランド)のQSLカードで証明を行ってくれた。サイトはこちら

海外では、日本と異なり安全や環境の面で制約があります。外で聞くのは危険な場合が多いですし、誤解もされます。ホテルで聞く場合でも、窓を開けて、たとえ短い電線でも外に垂らすことさえも、危険ですし、通報される場合もあります。

楽しい海外旅行の思い出を残すためにも、安全な範囲で、BCLを楽しみましょう。次回は、海外でBCLを楽しむための準備などについてご紹介します。