DAWソフトウェアで起こりがちなトラブルとその解決方法を紹介してきましたが、3回目の今回はMIDIキーボードのトラブルについて考えてみましょう。これまで同様、AppleのLogic Pro X、GarageBand 10で、オーディオ・インタフェースにRolandのQUAD-CAPTURE、MIDIキーボード・コントローラーA-PROシリーズを使用した場合を例に、その解決方法を紹介していきます。
MIDIキーボードで音が出ない!
接続したMIDIキーボードを演奏しても音が出ない、打ち込みできない! なんてトラブルもよく起こりがちです。まずは、オーディオなどほかのトラックの音が正常に鳴るかを確認しましょう。もしなんの音も出ないようであれば、本連載1回目で紹介しているオーディオ・インタフェースの設定を確認したあとで、以下のチェックを行ってみましょう。
Check.1:MIDIデータが入力されているか確認しよう!
MIDIキーボードを演奏すると、「MIDIデータ」という情報がDAWソフトウェアに入力されます。まずはDAWソフトウェアが正常にMIDIデータを受信できているのかをチェックしてみましょう。
Logicの場合は、MIDIキーボードを演奏しながら、ディスプレイ内の「拍子」が表示されている項目を確認してください。MIDIキーボードが正常に認識されている場合は、鍵盤を弾くと、同時に画面の右上に青い丸が点灯するはずです。
GaragaBandの場合も同様で、キーボードを演奏しながらディスプレイ内の「コード」画面の右上にあるインジケーターが反応するかチェックしてみましょう。
もし正常に点灯していても音が出ない場合は、オーディオ・インタフェースの設定や、トラックがミュート/ソロになっていないか、ソフトウェア・シンセサイザーが正しく設定され、音色が読み込まれているかを確認してみてください。
Logicの場合は、この部分が点灯します |
GarageBandでは、この部分が点灯します |
Check.2:もし、画面が何も反応しない場合は、MIDIキーボードがパソコンに正しく接続されていないことが考えられます
「アプリケーション」フォルダ - 「ユーティリティ」フォルダの中にある「Audio MIDI 設定」という項目を開いてください。「ウィンドウ」メニューから「MIDIウィンドウ」を表示させると、ドライバがインストールされているMIDI機器の一覧が表示されます。その中で使いたい機器が明るく点灯していれば、接続はOK! 消灯している場合は正しく接続されていないので、USBケーブルを挿し直したり、ドライバを入れ直してみてください。
Check.3:特定の曲でだけMIDIキーボードが使えない場合(Logicの場合のみ)
もしLogicをお使いで、特定の曲(プロジェクト)でだけMIDIデータが入力されていない場合は、初期設定が変更されてしまったかもしれません。
「ウィンドウ」メニュー -「MIDIエンバイロメントを開く」を開き、画面左上の「レイヤー」から「クリックポート」を選択します。
MIDIエンバイロメント画面のレイヤーの項目で「クリックポート」を選択します |
下の画面のように、左側のボックスにある「Sum」項目からキーボードに線がつながっているか確認してみてください。もし、線がつながっていない場合は、マウスで「Sum」部分をドラッグすると線が表示されます。それをキーボードに接続しましょう。
※Sumは、すべてのMIDIデバイスを有効にするポートです。A-PROなどを個別に接続する必要はありません。
Check.3は通常設定が変わる部分ではありませんが、見落としがちなポイントなので紹介しました。3回に渡っていくつかのトラブルと解決法をご案内してきましたが、多くの場合はこれで解決できるはずです。どれも正常に動いているときには余り触れない部分ですが、トラブル時には重要なチェックポイント。 もちろん、QUAD-CAPTUREやA-PROシリーズ以外の製品をお使いの場合も同様の手順で解決できるので、ぜひ参考にしてくださいね!