妊娠中だけではなく、授乳中もママの食生活は制限される。最も気になるのはカフェインやアルコールの摂取ではないだろうか。実際のところ、絶対NGなのか、それとも少しくらいは大丈夫なのだろうか。小児科医の田村幸子先生に聞いた。

お母さんの不安

授乳中のコーヒーやアルコール、少しなら飲んでも大丈夫?

田村先生の回答

授乳中のアルコールやカフェインの摂取は??

授乳中は、赤ちゃんに影響が出ることを心配して好きだったコーヒーや紅茶、アルコール類を一切飲まずに我慢しているママも多いようですね。

コーヒーや紅茶などカフェイン含有量が多い飲み物は、あまり大量に飲むと赤ちゃんが興奮して眠れなくなるなどの影響があると言われています。でも1日に2~3杯程度までなら、特に心配はないでしょう。心配なら、少し薄めにして飲む、カフェインレスのものにするなど、なるべく母乳の中に移行するカフェインが少なくなるよう工夫するといいかもしれません。

アルコールは、できれば控えた方が安心です。アルコールの影響には個人差が大きく、どれくらいなら大丈夫かという量の目安が決めにくいのです。赤ちゃんの肝臓は未熟なので、アルコールが母乳に大量に含まれていれば代謝に時間がかかり、赤ちゃんの体に大きな負担がかかります。例えば、傾眠傾向や成長障害などを起こす危険も、ないとは言えません。

とは言え、1~2口、口を付ける程度で影響があることはほとんどありません。どうしても飲みたい場合も、日本酒1合、ビール500ml、ワイン200ml以上は飲まないようにしましょう。時間がたてばアルコールは分解されますので、飲んだ後は、授乳時間を2~3時間以上空けるようにするといいでしょう。

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回答者プロフィール

田村幸子(ゆきこ)先生

小児科学会専門医、医学博士。
1992年群馬大学医学部卒業。東京大学病院分院小児科、都立府中病院(現都立小児総合医療センター)、国立感染症研究所などを経て、現在、東京都練馬区の田村内科小児科医院で小児科を担当。二児の母。