Blu-rayドライブを搭載したNECの最高峰ノート
LaVie C LC950/RGはNECのノートパソコンのハイエンドモデル。CPUはIntel Core 2 Duo P8400(2.26GHz)、メモリは2GBといった高いスペックを誇る。加えて、Blu-rayディスクドライブやアスペクト比が16:9で8msという高速応答液晶を装備するなど、AV機能も充実している。PCの電源を落としていても携帯音楽プレーヤーなどに給電可能なUSB端子を持つ、NEC独自の「パワーオフUSB充電機能」を備えているのも特徴。
操作性 : 専用ボタンの装備によりソフトを快適に再生
評価★★★☆☆
テレビチューナーを搭載しないため、AV機能はBDをはじめとするディスクの再生のみとなる。キーボードの上部にDVDやBDソフトのプレーヤーを再生するボタンや基本操作ボタンがついているので、操作は快適。
「WinDVD BD for NEC」も、特に目新しい機能はないが、ポップアップメニューの表示をはじめ、各種の機能を画面のツールバーから手軽に呼び出すことができる。このほか、画質調整や「MaxxAudio」によるスピーカーの音質調整なども可能で、好みの映像や音にチューニングしてソフトを楽しめる。
レスポンス : 再生開始はきわめて高速でプレーヤー以上
評価★★★★☆
BDソフトをドライブにセットすると、思っていたよりもディスクの読み込みが早いことに感心。家庭用のプレーヤーやレコーダーよりも高速で、使い勝手はなかなか良い。
高速なCPUを搭載しているためか、再生中の操作に対する反応もスムーズで、本編の映像を表示したまま画面上にメニューを重ねて表示するポップアップメニューを呼び出しても、映像が乱れることもない。
ただし、BDソフトの再生中(全画面表示)に何度かディスクの読み込みが間に合わず、映像や音が途切れることがあった。気になるほどではないが、再生時のCPU負荷はそれなりに大きいようなので、BDソフトを見るときは他のアプリケーションはなるべく起動しない方が良さそうだ。
画質 : ストレートな画作りで、精細感の高さが印象的
評価★★★★☆
光沢パネルを使った液晶ディスプレイは色が鮮やかでコントラスト感が高い。PCのモニターとしてはなかなかのもの。動画の残像感もほとんどなく、文字などのスクロールでややボケた印象になっているのがわかる程度だ。
BDソフトを再生してみると、WXGA解像度ながらも精細感の高さに驚く。ハイビジョンらしいきめ細やかな映像でこの画面サイズなら、まったく不満はない。強いて言えば高精細なぶん、若干チラチラとしてノイズが目に付くことが気になった。
基本的に映像にあまり演出を加えず、そのまま表示するストレートな画作りなので、輪郭の強調感はない。色の再現性もかなり正確で原色の赤の再現も上手だ。また、DVD再生がなかなか優秀で、全画面表示でも細かなディテールの潰れもなく鮮明だ。
音質 : 中音域主体のバランスながら、聴きごたえは十分
評価★★★★☆
このクラスになると、最近のノートパソコンではサブウーファーを内蔵したモデルも登場しているが、本機はステレオスピーカーのみである。そのため、低音の迫力はやや不足気味。だが、中音域に厚みがあり、声の張りや力強さがはっきり出るため、不満は少ない。メリハリの効いた聴きやすい音なので、ポップスやロックなどの視聴でもパワフルなサウンドで楽しめる。
サラウンド機能は「ドルビーバーチャル」を採用しており、5.1chサラウンドのソフトなどでは広がり感の豊かな音が楽しめる。ただし、移動感や後方の音の再現は少々物足りない。「ドルビーヘッドホン」機能もあり、サラウンド感の再現はこちらの方が優秀だったので、映画などをサラウンドで楽しむならヘッドホン視聴の方が良いかも。
拡張性 : HDMI端子装備で、プレーヤー的な使い方もできる
評価★★★☆☆
AV系の接続端子は、HDMI出力端子とヘッドホン出力。HDMI端子だけで大画面テレビへ映像と音声をデジタル出力できるので、一般的な使い方としては不足はない。HDMI出力を使って、大画面テレビで表示してもストレートな画作りなどはそのまま。精細感の高い映像で、BDやDVDソフトのプレーヤー的な使い方でもまったく不満はなかった。
また、USB経由でハイビジョンビデオカメラの映像取りこみも可能で、編集したハイビジョン動画をBDなどに保存するといった使い方も可能だ。
総評 : 使い勝手に優れ、画質・音質も良好なバランスの良いモデル
評価★★★★☆
テレビチューナーを搭載していないため、AVノートパソコンとしては、機能的にはシンプル。だが、BD、DVDの画質・音質は良好で、正直なところ実力の高さに驚かされた。
特にレスポンスの優秀さは家庭用のレコーダーやプレーヤーにも見習ってほしい部分である。自室で気軽にBDソフトを鑑賞したいという人には、気になるモデルと言えそうだ。
NEC LaVie C LC950/RG |
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操作性 | ★★★☆☆ | |
レスポンス | ★★★★☆ | |
画質 | ★★★★☆ | |
音質 | ★★★★☆ | |
拡張性 | ★★★☆☆ | |
総合評価 | ★★★★☆ |
■仕様 | |
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型番 | LaVie C LC950/RG |
CPU | Intel Core 2 Duo P8400(2.26GHz) |
Mobile Intel PM45 Express | |
2GB(最大4GB) | |
250GB | |
Blu-rayディスク | |
NVIDA GeForce 9600M GS | |
16型ワイド液晶(1,366×768ドット) | |
なし | |
Inte High Definition Audio、3Dオーディオ | |
IEEE802.11n Draft2.0、IEEE802.11a/b/g、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | |
USB2.0×5、ミニD-Sub15ピン×1、HDMI出力端子×1、IEEE1394×1、198万画素Webカメラ、FeliCaポートほか | |
約1.2時間 | |
384(W)×44.2~47.2(H)×279(D)mm/約3.4kg | |
Windows Vista Home Premium | |
Office Personal 2007ほか | |
230,000円 |
ライタープロフィール
鳥居一豊 : モノ雑誌やWeb媒体で活躍するAV系フリーライター。発売されるありとあらゆるAV機器に触れており、その機能を熟知している。この連載ではAVという観点からノートPCをレビューする。