クリエイターが「ストックフォト」を活用して、自身のクリエイティブ素材を売り利益を得る方法を紹介していく本連載。今回はストックフォトの会員登録の仕方を紹介していきます。
ストックフォトを始める環境が揃ったら、ストックフォトサービスに登録して会員になりましょう。そこからすべてがはじまります。下図はストックフォトサービスで写真を売るための手順を示したものです。サービスによって詳細は異なりますが、大まかな流れは変わりませんので、まずは流れを理解しましょう。
どのストックフォトサービスも会員登録から始まり、その後に基本的な写真の技術審査や簡単なテストを行ったうえで販売する資格を得ることが出来る。審査に落ちたとしても何度でもチャレンジすることが出来るので、諦めずにトライしましょう |
売る人も買う人も会員登録は同じ
ストックフォトサービスの会員登録の場合、写真を売る人も、買う人も同じように会員登録を行ないます。登録内容はユーザーIDやパスワードなどのログイン情報の入力や個人情報の登録といった内容です。この段階で登録者は写真を買うことが出来るようになります。写真を売る場合は、その次のステップとして、「写真を売る資格」を得る必要があります。その資格を得るためにストックフォトービスが行っているのが「審査」です。審査には「基本技術審査」と「販売作品審査」の2種類があり、多くのサービスは「基本技術審査」を通過しないと「販売作品審査」に進めないので、まずは「基本技術審査」ということになります。
投稿型のストックフォトサービスでは、写真を買う人の中にも、出品者として写真を売っている人が数多く存在します(連載2回目「ストックフォトサービスを利用しているユーザー層は?」参照)。これは、コミュニティから始まった投稿型のストックフォトサービスだからこその傾向と言えるかもしれません。購入者(利用者)で出品者の場合、出品だけを行っている場合よりも顧客のニーズが分かっているため、売れる写真を出品することが出来るかもしれません。これから写真を売ろうと思っている人も、一度購入してストックフォトをポストカードや年賀状など身近なもので使用してみると購入者のことを考えた写真が分かるかもしれません。
審査に備えて、必ず予習はしておきましょう
どのストックフォトサービスでも、写真を売る人のためのマニュアルやFAQページが存在しています。まずは、しっかり読んでストックフォトについて理解しておきましょう。そこには、出品の要項をはじめストックフォトにおける権利の話や売れ筋の写真などの情報も含まれています。これを理解することで審査にも通りやすくなるでしょう。マニュアル等を読まずに審査を受けても確実に通らないと思ってよいくらい大事なことなので、必ず読んでおきましょう。また、基本技術審査では、自分の写真を3枚~5枚程度審査用にアップロードする必要があります(ストックフォトサービスによって違います)。そのため、自分がこれまで撮った写真を整理して、どの写真を審査に提出するかを決めなければなりません。審査に提出する際の写真を選ぶ時の参考として、実際に売られている写真をよく見てみることをお勧めします。そうすることで、「売るための写真」がどういった写真なのかが分かると思います。当然のことながら、審査とはその人の写真が売り物、つまり「商品」としての基準を満たしているかどうかを審査するものですから、実際に売っている写真を見てみることは、自分の写真を売る上でのヒントにもなります。また、検索してみることも重要で、実際に自分の写真を販売する段階になると検索用のキーワードやタグなどの情報を設定する必要があります。そして、基本技術審査の際にも出題されるケースがほとんどなのでしっかりと予習しておきましょう。
次回は基本技術審査のポイントなどについて紹介していきます。
LOCUS.AND WONDERS.
2006年に発足。デザイナーであり、アートディレクター、クリエイティブディレクターの黒田智之を中心にしたクリエイティブグループ。著書としてこれまでに書籍『写真で稼ごう』、『写真で稼ごう【撮り方編】』(共に弊社刊)などを執筆している。