いやはや、婚活ばやりですね。
ニュースなどでもアラフォー女性の婚活を追うドキュメンタリーを見かけるようになりました。驚くのは、婚活している方々がみなさんけっこうおきれいなこと。若い頃はさぞかしモテたんだろうな(失礼!)と思われる方ばかり。
美しくて聡明な女性たちがなぜいままで独身なのか。一生懸命に婚活に励んでいるのにどうして結婚できないのか。もしかしたらそれは彼女たちが若い頃を過ごした時代に関係するのかもしれません。
セオリー5--ターゲットは狭めない
アラフォーの中でもとくに40歳以上の方の20代の頃といえば、バブル真っ盛り。ボディコンが流行り、「非婚」がかっこいい女の生き方ともてはやされ、男性は「三高」でなければ結婚できないといわれた時代です。
PR会社に勤務するR子(42歳)もバブルを謳歌した一人。仕事をバリバリこなし、何人かの男性とも付き合って、充実した人生を歩んできました。しかし、いざとなると「もっと私にふさわしい人がいるのでは? 」という考えが頭をもたげ、結婚には至りませんでした。理想を追い求めすぎてしまうこと、常に上を目指す上昇志向の強さ(?)は、バブル世代の特徴といえるかもしれませんね。
そんなこんなで気がついたら40歳を過ぎていたR子。さすがに焦り、結婚相談所に登録したのですが、どうもうまくいきません。その原因は彼女の希望条件にありました。
彼女が結婚相手に求める条件とは……(カッコ内はR子の言い分です)
- 身長は175cm前後(身長168cmの私がヒールを履いても釣り合いが取れる背の高さは欲しい!)
- 年収は1000万円(私と同程度は稼いでもらわないと困る)
- できれば次男(相手の親と同居するのはやっぱりイヤ)
- 年齢は38~45歳(あまり年が離れると話題が通じなくなるでしょ)
- 学歴は大卒以上(私、一応有名私大出てますので……)
- 初婚(だって私も初婚だし。他の女のお古はご免被る)
R子は確かに素敵な女性ですが、冷静な目で見れば、ただの40代の女性。一体何様のつもり? という突っ込みが入りそうですよね。実際、結婚相談所のカウンセラーにも同じことを言われたのですが、最初のうちは聞く耳もたず。しかし、思うような結果が得られず、条件の見直しを考えるようになりました。そのきっかけとなったのは、大学時代の同級生だったM子の結婚。実は彼女もR子とほぼ同じような希望を掲げて婚活をしていたのですが、結婚には至っていませんでした。
そんなM子の転機となったのは高校時代の恩師。「とてもいい人がいる」と半ば強引にお見合いを設定されたとか。「身長165cm、50歳、バツイチというのを聞いて、最初はありえない! と思ったんだけど、恩師の紹介だったのでとりあえず1回会ってから断ろうと思ったの」。実際に会ったところ、非常に若々しく、ユーモアに溢れた男性で、M子のほうが夢中になってしまったのだとか。
希望条件によって結婚相手を選別することは確かに必要かもしれません。ただし、あまりに厳しい条件を設定するのは考えもの。20代と比べれば、アラフォー世代の結婚相手探しは難しいのが現実。ただでさえ少ない出会いのチャンスを自ら潰してしまうのはなんとももったいない話です。
「釣書き」を重視しすぎるのは危険なこと。なぜなら「釣書き」からその人の本質を見抜くのは難しいからです。それに自分が「釣書き」で人を判断するということは、自分も「釣書き」で判断されるということに他なりません。
「非の打ち所のない見た目、経歴の持ち主だけど、どうもソリが合わない」という経験をしたことのある人は多いはず。その逆もあることでしょう。ですから、理想は理想として持ちつつも、結婚候補者のターゲットはゆるやかに設定したほうが得策。よほど「いやだ!」と思う人以外は、気軽に会ってみることをおすすめします。
粂美奈子(くめみなこ)プロフィール
神奈川県出身。アラフォー世代上限ギリギリのフリーライター。結婚情報誌の編集&執筆を長年手がけ、結婚式をはじめ結婚にまつわるさまざまな事象について取材。オールアバウトジャパンにて「結婚式」ガイドも務める。著書『ウェディング・プランナーになる!?』、『ブライダル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(以上秀和システム)、『結婚準備まるごとナビ』(監修/高橋書店)など。