独身でバリバリと働いているアラフォー女性はおしゃれに敏感、美容にも関心が強く、若々しく見えることが多いようです。職場の後輩などからも「●●さん、お若いですね! その歳には見えませんよ」などとおだてられた経験を持つ人も少なくないはずです。確かに昭和の時代と比べると、女性は格段に若々しくなったと思います。その点において、現代のアラフォー女性は大いに自信を持ってもいいでしょう。
とはいえ、残念ながら結婚市場において、「若く見えること」はあまり意味を持たないようです。結婚相談所に訪れる男性の多くは、自分の年齢(&容姿)も省みず、「若い女性を」と希望することが目立つのだそう。結婚を夢見るアラフォー女性はまず、結婚相手を探す男性が求めているのは「若く見える」ことではなく「若い」ことなのだ、というつらい現実を認識しておくことが必要です。
セオリー4--自分の魅力を分析する
メーカーでシステムエンジニアとして働くS子(39歳)はおっとりマイペース型。しかし、40歳を目前にしてさすがに焦り、インターネットの結婚情報サービスに登録することにしたそうです。登録する写真は思いきり若く見えるものを選び、プロフィールにも「30代前半に見えると言われます」など、若々しさを全面にアピール。その結果は……。
「散々でしたね。交際申し込みはほとんどなく、あっても60代の方からとか。いくらなんでもそれはちょっと……って感じでした」。あまりの反応のなさに落ち込んだS子。しかし、気持ちを切り替えて「若さ」に執着することをやめ、自分の本来の魅力をアピールすることにしたそう。
彼女がアピールしたのは、仕事に情熱を持って打ち込んでいること、食べることが大好きでおいしいお店を見つけるのが得意なこと、将来の夫とは対等な関係で家庭を築いていきたいこと、子どもは欲しいが年齢的なこともあるのでそれほどこだわってはいないこと、などなど。写真もブリッコ風なものではなく、キリリとした大人の女性らしいものに変えました。
「アピールポイントと写真を変えたら意外や意外、同年代の男性から交際の申し込みがきたんです。中には30代前半という年下の方も。話を聞いて見ると、経済的にも精神的にもしっかり自立しているように見えたところに魅力を感じていただけたようです」。
冒頭で「多くの男性は若い女性を求めている」と述べたのを覆すようですが、もちろんそんな男性ばかりではありません。終身雇用制が崩れ、経済環境も悪化する現代。妻にも働いてもらい、家庭経済の一端を担って欲しい、精神的にも支えて欲しいと考える男性も少なくないようです。つまり、アラフォー女性が若い女性に伍して結婚戦線を戦っていくには、若い女性にはない魅力やメリットを全面に打ち出していくのが得策なのです。
アラフォー女性に備わっている(であろう)魅力をざっとあげてみると、ある程度の経済力がある、マナーが身についている、人生経験が豊富で人の心の機微がわかる、包容力がある、人脈がある……といったところでしょうか。
30代後半になると、しみじみと自分を見つめ直す機会はあまりないように思います。この機会に今一度自分の魅力を分析し直してみてはいかがでしょうか。「婚活」にもきっと新たな道が開けるはずです。
粂美奈子(くめみなこ)プロフィール
アラフォー世代上限ギリギリのフリーライター。結婚情報誌の編集&執筆を長年手がけ、結婚式をはじめ結婚にまつわるさまざまな事象について取材。オールアバウトジャパンにて「結婚式」ガイドも務める。著書『ウェディング・プランナーになる!?』、『ブライダル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(以上秀和システム)、『結婚準備まるごとナビ』(監修/高橋書店)など。