Mojave(モハベ)にアップデートしましたか? いろいろな新機能が用意されていますが、なかでも利便性が高いのは機能強化された「Quick Look」。一部のファイル種は、アプリを起動せずQuick Look画面上で変更/編集できるようになりました。今回は、その変更点と使い方のコツに迫ります。
Mojaveで「Quick Look」はココが変わった
Quick Lookといえば、項目(ファイル)を選択してSPACEキーを押すだけでその内容をプレビューできるmacOSならではの機能です。最近でこそ他のOSで類似の機能を見かけるようになりましたが、Mac OS X Leopard(v10.5)で登場したときにはその斬新さに注目が集まりました。
一般的にファイルの内容を確認する場合は、作成元のアプリ(または開くことができるアプリ)を起動して書類を開く操作を行うものですが、Quick Lookではその必要がありません。対応するファイルもJPEGやPNGといった多数の画像フォーマットのほか、WordやExcelといったオフィス文書、各種オーディオやムービーなど多岐にわたります。
そのQuick Lookが、Mojaveで変わりました。基本的には閲覧/再生専用だったところに、編集機能がくわわったのです。どのような編集が可能になるかはファイルフォーマット次第ですが、JPEGやPNG、PDFといった「プレビュー」アプリがサポートするフォーマットのいくつかはQuick Look画面上で編集できるようになりました。従来編集が必要な場合、Quick Look画面から対応するアプリを起動していましたから、ちょっとした変更をくわえる場合の手間が軽減されたことになります。
ただし、あらゆるファイルフォーマットが編集可能になったわけではありません。JPEGやPNGは編集できても、HEIC(iOS 11/macOS High Sierraから採用された写真用画像フォーマット)は編集できません。Mojaveでは、iOSデバイスからHEICフォーマットのままAirDrop送信できるようになりましたが、Quick Lookでは編集非対応のままです。PDFに付箋を追加するなど、基本的には"重ね書き"を目的とした簡易的な編集機能なだけに、テキストファイルやExcel/Word文書のように"書き換え"が前提のフォーマットはQuick Lookでは編集できない、と考えていいでしょう。
Quick Look画面上で編集可能なファイルフォーマットの例 | ||
ファイル形式 | 編集機能 | 関連付けられたアプリ |
JPEG | ○ | プレビュー |
PNG | ○ | プレビュー |
○ | プレビュー | |
HEIC | × | プレビュー |
Excel(.xlsx) | × | Numbers |
Word(.docx) | × | Pages |
ムービー(.mov) | ○ | QuickTime Player |
オーディオ(.m4a) | ○ | iTunes |
オーディオ(.wav) | × | iTunes |
テキスト(.txt) | × | テキストエディット |
MojaveのQuick Lookはこう使う
Excel/Word文書など編集非対応のフォーマットに関するかぎり、Quick Lookの基本的な使いかたはMojaveでもまったく変わりません。たとえば、PDFやJPEG/PNGといった「プレビュー」アプリが対応する一部フォーマットは、マークアップツールバー(macOSに標準装備されている画像編集機能群)の道具を利用して"重ね書き"できるようになりましたが、直接「プレビュー」アプリを起動した場合と動作は多少異なります。
マークアップツールバーで画像を加工する
JPEGやPNG、TIFFなどの「プレビュー」アプリが対応する画像フォーマットの多くは、Quick Look画面に表示されるマークアップツールバーと回転ボタンを利用して編集できます。前述したとおりHEICのほか、PostScript/EPS、アイコン画像(.icns)など非対応のフォーマットもありますが、Quick Lookしてマークアップツールバーが表示されるかどうかで対応を判断できます。
マークアップツールバーと回転ボタンの使いかたは、多くの部分では従来の「プレビュー」アプリと同じですが、コピー&ペーストに対応しない(Command-C/Command-Vが使えない)、インスタントアルファ機能が使えない(背景色を透明化できない)などの違いがあります。本格的な編集作業は「プレビュー」アプリで行うほうが現実的でしょう。
ムービー/オーディオのトリミング
MojaveのQuick Lookでは、ムービーやオーディオファイルの一部を切り取り(トリミング)できます。iPhoneで撮影したムービーの後半部分が不要なので取り除きたい、ボイスメモで録音したオーディオファイルの中盤だけを別ファイルにしたいといった場合、編集ソフトの力を借りずQuick Lookで作業を完結できます。
操作はかんたん、ムービーやオーディオファイルをQuick Lookしたとき画面上部に現れるトリミングボタンをクリック、画面下部に表示されたタイムラインをドラッグして残す範囲を決め、「完了」ボタンをクリックします。ダイアログが現れるので、新しいファイルとして保存するか上書きするかを決定すれば作業は完了、アプリを起動することなくムービー/オーディオファイルをトリミングできます。