どこに保存したか忘れてしまったファイルを探すときに便利な「Spotlight」。しかし、ただの検索ツールとして使うには惜しすぎる機能を備えています。今回は、そんなSpotlightの少し上級な使いこなしテクニックを紹介します。
"Macにおけるワンストップ"的存在
Spotlight(スポットライト)は、内蔵/外付けを問わず手もとのストレージに保存されたファイル/データをすばやく見つけるためのシステムユーティリティです。メニューバー左端の虫メガネをクリックするかショートカットキー(Command+スペース)を押すと、横長の入力フィールドが現れるので、そこへ探したいキーワードを入力すると、たちどころに関連項目が現れます。基本的な使いかたについては、当コラム第36回(リンク)をご参照ください。
そのメリットは、自動作成されたデータベースを使う超高速な検索にありますが、ファイル検索ではなく全文検索を行うため文章に含まれる文字列で探せる、逐次検索(文字を入力するたびにキーワードを更新して検索し直す機能)なのでreturnキーを押す必要がないという特長に支えられています。ファイルが作成/更新されるつど検索用データベースを洗い替え、いつでも最新の状態でデータ/ファイル検索できるところも大きな強みです。どんなことでもとりあえずSpotlightに訊いてみる、それがMacを使いこなす近道といえるでしょう。
しかし、Spotlightの強みはそれだけではありません。データ/ファイル検索以外の機能も充実しているため、いわば"Macにおけるワンストップ"的存在へと進化しているのです。
たとえば、電卓機能。Spotlightを起動し、「15+134」などと数式を入力すれば、たちどころにその計算結果が表示されます。Spotlightが「計算機」アプリの代わりになるわけですね。「サンフランシスコ 天気」などと都市名に続けて「天気」と入力すれば、「天気」アプリを使わなくても現地の天気予報を確認できます。Safariの閲覧履歴も調べられますから、最近見たWEBページをすぐに開くことができます。受信したメールについても、カレンダーやリマインダーのイベントについても、なにか関連するキーワードを入力すればSpotlightで確認できます。
Spotlightの極意は「絞り込み」にあり
膨大な情報に一瞬でアクセスできることがSpotlightのメリットですが、問題は「答えの多さ」。調べる対象にもよりますが、結果として表示される項目数が多すぎ、なかなか期待する情報にたどり着けないことがあります。
実は、Spotlightの極意は「絞り込み」にあります。膨大な対象の中から効率よく目的の情報を探し出すテクニックを紹介してみましょう。
種類で絞りこもう
Spotlightの検索結果は、「kind:app」のように「kind」と「:(コロン)」に続けてキーワードを指定することで、絞りこむことができます(表1)。
種類で絞りこむときの言い回しは「種類:アプリケーション」や「種類:メール」のように、「kind」を「種類」に置き換え、後続のキーワードを日本語にする方法もあります。しかし、かな漢字変換には時間がかかるため、アルファベットで入力するほうが断然高速です。アプリであれば「kind:app」、メールであれば「kind:email」といった要領です。この方法を使えば、「連絡先」や「カレンダー」の情報も一瞬で探し出せますよ。
「kind」に指定できる検索語句の例 | |
app | アプリケーション |
contact | 連絡先 |
document | 文書(プレインテキスト、ワープロ、表計算など) |
メール | |
event | カレンダーアプリのイベント |
folder | フォルダ |
image | 画像 |
text | テキスト文書(ワープロ、プレインテキスト、HTMLなど) |
メールを選別しよう
送受信したメールの内容は「メール」アプリでも検索できますが、Spotlightで検索すれば関連するファイルもヒットする可能性があります。しかし、Macを使い続ける期間に比例して保管するメールの通数が増えるため、数が多すぎて収集がつかなくなりがちです。
そんなときは、検索語句に表2に挙げたキーワードを添えてみましょう。たとえば、「内覧会」という言葉を含むメールを探したいとき、誰とやり取りしたか名前が判明しているときには「from:名前(の一部)」、勤務先がわかる場合には「from:ドメイン名(の一部)」を添えればいいのです。マイナビに勤務する人物とのやり取りであれば、メールアドレスが「○○○@mynavi.jp」と決まっているので、「from:mynavi」でかなり絞り込めることになります。
メールの絞り込みに役立つキーワードの例 | |
from | メールの送信者(「差出人」も可) |
to | メールの宛先(「宛先」も可) |
件名 | メールの件名(「タイトル」も可) |
date | 送受信した日付 |
画像を拡大表示しよう
Spotlightには、画像ファイルの拡大表示機能が用意されています。画像ファイルを選択した状態でOptionキーを押し続けると、指を離すまで拡大表示された画像の一部がSpotlightウインドウのプレビュー欄に表示されます。アプリを起動する必要はなく、QuickLook(Finder上でファイルを選択しSPACEキーを押すと内容をプレビューする機能)と同じ感覚で画像を拡大表示できます。トラックパッド上を指2本でドラッグすると、指の動きにあわせて拡大位置を移動できるため、虫メガネ感覚で使えますよ。