「スティッキーズ」を知っていますか? そう、アプリケーションフォルダにある付箋のようなアプリです。Mac OS X 10.0のときから標準装備されているものの、あまり利用したことがない、存在すら知らなかったというユーザも少なくありません。それではあまりに惜しすぎる……というわけで、今回は知ってトクする「スティッキーズ」の活用方法を紹介します。
スティッキーズはこう使おう
スティッキーズは、文字や画像を含むウインドウを表示するアプリです。テキストには書式(フォントサイズや太字/斜体など)を設定でき、画像も貼り付けられます。機能的には「メモ」アプリに似ていますが、こちらは独立した小ウインドウをデスクトップに表示しておき、ちょっとした備忘録ツールとして活用することが想定されています。「デジタル付箋」として使うアプリ、とでも言えばいいでしょうか。
スティッキーズは、用件ごとにウインドウを作成するのが基本的な使いかたです。作成したら用件を書き込み、目に入りやすいようデスクトップに表示しておき、用が済んだら削除する、この流れを繰り返します。ファイルとして保存もできますが、付箋としての役割に徹したほうがスティッキーズの存在価値は増すはずです。
デジタル付箋として活用するのであれば、できるだけ速く直感的に作成する方法をマスターしましょう。となると、スティッキーズのメニューバーから「新規メモ」を選択しているようでは時間のかけすぎですから、ショートカットキー経由で作成するほうが合理的です。テキストエディットやメール、Safariなどのアプリで文章を範囲指定し、[SHIFT]-[Command]-[Y]を押しましょう。一瞬でスティッキーズの新規メモが作成されるはずです。
なお、このショートカットキーは「サービス」(macOS独自のアプリケーション間通信機能)を利用するため、対応しないアプリもあります。サービス対応アプリであっても、扱えないデータが選択範囲に含まれる場合は新規メモが作成されません。
箇条書きの手順もマスターしておきましょう。[option]を押しながら[TAB]を押すとリストの作成が開始され、以降改行するたび行頭に「*」などの記号が付きます。[TAB]を押せば、現在の行のインデント(字下げ)もできます。[control]を押しながらメモ上をクリックして「リスト...」を選択すれば、行頭記号を「あいう」順にするなどカスタマイズも可能です。
数が増えてくるとデスクトップの邪魔になるため、メモの縮小表示も覚えておきましょう。ウインドウ枠の上部をダブルクリックすると、見出しだけを表示する折り畳みモードになるため、わずかなスペースで表示できます。
スティッキーズの起動方法にもひと工夫が必要です。付箋のようにデスクトップへ常に貼っておくためには、Macのブート時に自動起動するようログイン項目に登録しておくと便利です。システム環境設定「ユーザとグループ」パネルで「ログイン項目」タブを表示し、「+」ボタンをクリックしてスティッキーズを選択すればOKです。
スティッキーズをiPhoneと連携させよう
iOSには「スティッキーズ」アプリが用意されていないため、「メモ」アプリのようにiCloud経由でiPhoneと同期することはできません。MacとiPhoneの両方を使うユーザにとって、そこがスティッキーズの弱点であり、ここ数年目立たなかった理由ともいえます。
そこで利用するアプリが「AirSync for Apple Stickies」(無料)です。同名のアプリをiPhoneにインストールして同じネットワーク(同じWi-Fiアクセスポイント)に接続したうえで起動すると、それぞれのアプリに4桁の数字が現れるので、それを確認したうえで「Sync」ボタンをクリックします。これだけで、Macで作成したスティッキーズがiOS版AirSync(別途App Storeからインストールが必要です)に転送され、閲覧可能になります。iOSの制約によりホーム画面でつねに表示することはできないうえ、iOS側での編集/加工もできないものの、Macで作成した「デジタル付箋」がほぼそのままの状態でiPhone上でも確認できるわけですから、スティッキーズを気に入った場合はあわせて活用しましょう。