もうすぐ今年も終わります。経団連や調査会社などが発表した2018年冬のボーナスの見通しによると、大手企業を中心に過去最高を更新しており、期待している方も多いのではないでしょうか。
私は一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」の代表として27年間「女性のためのかしこいマンション購入術講座」の講師を務め、これまで9万人以上の20代~60代のマンション購入を考える女性と出会ってまいりました。ローンの返済について不安に感じていらっしゃる方が多いのですが、実は賢くローンを返済するには、できるだけボーナス返済を利用せず、ボーナスにゆとりのあるときに繰り上げ返済を使って早めに完済することをアドバイスしています。今回は、マンションを購入した皆様や、これから購入する方に是非知っていただきたい貯金感覚でできる「繰り上げ返済」についてご紹介したいと思います。
繰り上げ返済には2種類あります。ひとつは、月々の返済額は変えずに返済期間を短くする「期間短縮型」。もうひとつは、返済期間は変えずに月々の返済額を少なくする「返済額軽減型」です。圧縮できる利息の金額を比較すると断然「期間短縮型」がお得ですが、一方で「返済額軽減型」は結婚して子どもが生まれたときに時短勤務で毎月の収入が減った場合など、月々のローン負担を抑えたい場合に向いています。
ボーナス支給など、まとまったお金が入るタイミングで期間短縮型の繰り上げ返済を行えば、ローン期間が短くなる分の利息も減り、返済総額がグンと少なくなります。もし、2,500万円・35年ローンを組んだ場合、当初10年間に年100万円(月々2万×12回+ボーナス38万×2回)ずつ繰り上げ返済できれば、約550万円も利息が減り、返済期間は20年以上も短縮されるのです(※金利/10年固定2%の場合)。
今は銀行にお金を預けていてもほとんど利息はつかないですし、株式や外資預金はリスクもつきものです。繰り上げ返済にまわしていればローン返済期間が短くなる分、払わずに済む利息は貯金の利息よりもずっと多くなりますよね。繰り上げ返済で早くローンを完済して、返済にあてるつもりだったお金を貯金するほうがお得ですので、貯金感覚で積極的に繰り上げ返済をすることをおすすめしています。
ポイントは毎月の残ったお金やボーナス、満期の保険や定期預金がおりたとき、親から財産分与があったときなど、お金に余裕ができ目安として5万円以上まとまったら繰り上げ返済へ回すこと。以前お伝えした通り、趣味や旅行、おしゃれを楽しめる「無理のない資金計画」を立てれば、もともと余裕のある返済計画ですので、お金は貯まりやすいはずです。また、返済期間が短縮されれば精神的な負担もきっと減るはずです。繰り上げ返済をするたびに「半年も縮んだ! 」「また1年縮んだ! 」とその楽しさに味をしめて、私のように繰り上げ返済が趣味になるかもしれませんね。
元気に楽しく、プライベートも楽しみながら、ローンを賢く返済していきましょう。
執筆者プロフィール : 小島ひろ美
一般社団法人 女性のための快適住まいづくり研究会 代表。1957年福岡県生まれ。関西学院大学商学部卒 ライフスタイル・コーディネーター、宅地建物取引士、相続診断士 。26歳の時にマンション購入で苦労した経験をいかし、"女性がマンション購入の夢を実現できる世の中にしたい"と1991年に研究会を設立。
以降、「女性のためのかしこいマンション購入術講座」で、今までに8万8,000人以上の女性たちに800回以上の講演を行いながら、27年間に渡り女性のマンション購入を応援し、第一線で活躍中。著書「シングル女性の(特)マンション選び」(講談社)、「元気になる!幸せマンション購入術」(アスコム)、他多数。
・『女性のための快適住まいづくり研究会』https://kaiteki.gr.jp/
・「女性のためのかしこいマンション購入術講座https://kaiteki.gr.jp/seminar/lp.php