前回、新居選びをスムーズにスタートするために早めにチェックしておきたい3つのポイント、(1)「資金計画の立て方」、(2)「エリアによる相場」(3)「優先順位」について説明しました。

暖かい春を迎えて気持ちも新たに、マンション購入に向けて本格的に動き出した方も多いのではないでしょうか?

  • マンションを「おトク」に購入できる時期とは?

マンション購入のバーゲンシーズンとは?

そんなあなたに朗報です。マンションにもお洋服と同じようにバーゲンシーズンがあり、それは2、3月と8、9月です。その理由はマンションを分譲している不動産会社が決算を迎え完成しているマンションを早く売るために企業努力をするため、「おトク」に購入できるチャンスだからです。

私は一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」の代表としてこれまで年間30~40棟、累計約1,000棟のマンションの企画協力を手掛けたほか、マンションを購入したい女性向けのセミナーを開催してきました。今回お伝えするマンションの買い時を知っておいていただければと思います。

なぜ買い時に?

先程も説明したように、上場している大手不動産会社の決算が3月と9月に集中していることがヒントです。この時期が近くなると不動産会社は資金回収のためにすでに完成しているマンションや、3月、9月に完成するマンションを売り切ることに全力を注ぎます。完成していればすぐにお客様に引き渡しができるので売買代金を全額回収することができますよね。逆に、完成して売れ残った物件は「在庫」として決算に計上しなくてはなりませんので、決算までに在庫をできるだけ減らしたいのです。そのため、不動産会社はこの時期になると利益を減らしてでも完成したマンションを売り切って、資金を回収しようとします。つまり3月はマンションのバーゲン時期となり、9月も同様の理由に加えて夏休みやお盆の時期にはモデルルームを訪れる人も少なくなりますので、もうひとつの狙い月といえます。

とはいえ狙っていたブランドの洋服や靴と同じで、自分にぴったりの物件が残っているとは限らないことも頭に入れておいてください。さらに、不動産会社が大幅な赤字になるような洋服のバーゲンとは違って10%以上の値引き交渉をするのも考えものです。普通だったら決算前のバーゲンセールでも、大幅な原価割れを起こすような値引きは考えられませんよね。マンションの引き渡しを受け、自分名義の不動産になった後に売主の不動産会社が倒産しても権利上は問題ありませんが、保証やアフターサービス、管理などについては注意が必要です。万が一、契約後マンションの引き渡しを受ける前に売り主が倒産してしまうと面倒なことになってしまいますので、契約のときには必ず「手付金保全措置」を行うようにしましょう。

いずれにしても、マンションは人生最大の買い物になるはずです。できることなら安心して、おトクに買えるように最善を尽くしたいですし、何より女性は「おトク」という言葉の響きが大好きですよね。

この時期は有給休暇をしっかり取ってでも、平日のすいている昼間にモデルルームに足を運んでみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール : 小島ひろ美

一般社団法人 女性のための快適住まいづくり研究会 代表。1957年福岡県生まれ。関西学院大学商学部卒 ライフスタイル・コーディネーター、宅地建物取引士、相続診断士 。26歳の時にマンション購入で苦労した経験をいかし、"女性がマンション購入の夢を実現できる世の中にしたい"と1991年に研究会を設立。

以降、「女性のためのかしこいマンション購入術講座」で、今までに8万6,000人以上の女性たちに800回以上の講演を行いながら、27年間に渡り女性のマンション購入を応援し、第一線で活躍中。著書「シングル女性の(特)マンション選び」(講談社)、「元気になる!幸せマンション購入術」(アスコム)、他多数。

・『女性のための快適住まいづくり研究会』https://kaiteki.gr.jp/
・「女性のためのかしこいマンション購入術講座https://kaiteki.gr.jp/seminar/lp.php