後悔しないマンション購入・生活を送るためのポイント

私は一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」の代表として「女性のためのかしこいマンション購入術講座」の講師を務め、これまで9万人以上の20代～70代のマンション購入を考える女性と出会ってまいりました。

購入したマンションに実際に暮らし始めてみると「こんなはずではなかった」「もっとこうしておくべきだった」と後悔するケースも珍しくはありません。今回は資金面、生活面の両面から後悔をしないためのポイントについてご説明します。

資金面での一番の後悔はローン金額

まず気をつけるべきポイントのひとつは、月々の返済可能額と、借入可能額の違いをしっかりと理解・把握することです。

借入可能額とは金融機関が現在の収入をもとに最大で貸すことができる金額、そして返済可能額とは月々の収入のなかから、住宅ローンの支払いに充てることができる最大の金額です。この2つはまったく別物なので、借入可能額だけを目安にマンションを購入し、毎月の返済が厳しくなるといったことはよく起こりがちなので注意が必要です。

モデルルーム見学は予算に合ったものを

マンションを購入する際には、いくつか物件を見学し、自分の理想に近いものを探されると思います。もちろん高額な買い物ですから、いろいろ見学してじっくりと検討することに何の間違いもありません。

しかし1点、気をつけていただきたいことがあります。それは予算をしっかりと決めたうえでモデルルーム見学を進めていただきたいということです。

予算を考えず自身の希望だけで物件を見学し比較検討していくと、どうしもグレードの高いマンションに目がいってしまいます。予算以上のマンションは、立地も設備も素敵に見えるものです。その結果、自分の予算内のマンションが見劣りしてしまい、無理な物件を購入してローンに苦しむことにもなりかねません。

生活を切り詰めてローンを返し続けるのは本末転倒ですので、今まで通り趣味や旅行、おしゃれを楽しむためにもしっかりと予算を立ててから検討を進めていきましょう。

繰り上げ返済を上手に活用

住宅ローンを少しでも早く終わらせる方法として、ボーナス併用型返済や繰り上げ返済がありますが、お得に返すのであれば「繰り上げ返済」をお勧めします。「繰り上げ返済」をすると借りている元金が減るので利息も減り、その分期間が一気に縮んで定年までに完済することも十分可能になります。

今は銀行にお金を預けていてもほとんど利息は付きません。株式や外貨預金はリスクもあります。それよりも繰り上げ返済にまわした方が、得をする金額ははるかに多くなります。返済期間が短くなるだけ、払わずにすむ利息は貯金の利息よりもずっと多くなりますので、お金に余裕ができたら「繰り上げ返済」で賢く返済していきましょう。

生活面で後悔しないための徹底的なシミュレーション

新たな場所で生活を送る場合、賃貸であろうと購入であろうと何かしら予定外のことは起こるもの。ですが、購入の場合は簡単に引っ越すわけにはいかないので、特にチェックしておくべきことを2点ご紹介します。

まずは駅からマンションまでの距離、治安です。最寄りの駅からマンションまで歩いたら何分かかるのか、自転車では何分かかるのか、昼と夜の雰囲気はどのぐらい変わるのかといったことは必ずシミュレーションしましょう。

さらに病院、交番、商店街、コンビニ、スーパー、飲食店などもチェックします。特にコンビニ、スーパーや飲食店は朝と夜にチェックし、開店と閉店時間、そして客層を見ておくと実際に住み始めてから自分の生活時間に合っているか、治安はどうなのか、気軽に入れるかどうかなどが確認できます。

次に、マンション周辺の騒音や排気ガスなどのチェックをしましょう。国道、街道沿いにあるマンションは大通りに面しているということで女性でも安心して住みやすいというメリットがあります。その反面、「自動車やバイクの騒音に悩まされる」「排気ガスで洗濯物が干せない」というデメリットもあります。

結婚したら売るか、貸せるマンションを考えておく

マンションを購入した時点では何の後悔もなかったものの、暮らしていくうちに生活環境や自分の環境が変わることで、満足度が下がってしまうことも。仮にマンション購入後に家族が増えることになった場合でも後悔しないようにするには、一人暮らしでもワンルームではなく、1LDKや2LDKなどのコンパクトマンションを購入することです。

ワンルームマンションは売ったり、貸したりする際、すぐにその相手が見つけづらいケースがあります。そこで自分が購入できる予算の範囲内でワンルームではなくコンパクトマンションにすれば、結婚当初はそのまま2人で暮らし、子どもが生まれた場合でも比較的、楽に買い手(借り手)を見つけることができます。将来的に家族が増えることを見越し、売る、貸すことを考えたうえでのマンション購入であれば、後悔をする機会も少なくなるでしょう。

今回は、マンション購入を後悔しないためにできることについてご紹介しました。わからないことがあれば、銀座・自由が丘・大阪梅田のマンションライブラリーでのご相談もお待ちしております。