クレジットカードというと、最近はポイントをいかに獲得できるか、割引がいかにお得にできるか、といった内容で選ぶことが多いようだ。しかし、クレジットカードは、それ以外にも、使いこなせば便利な機能がたくさんある。今回は、ワンランク上のクレジット使いこなしをする「カード使いこなし術」を紹介しよう。

海外出張中のトラブルに、先輩がカードデスクに電話して解決。自分も切り替えを決意

1回目に取り上げるのは、総合商社に勤めるAさん(32歳)。一昨年に結婚。専業主婦の妻と1歳の子どもがいる。仕事で海外に行くことが多く、20代はアメリカ、イギリスが主だったが、最近は加えて、アジアや南米にも出かけるまさに国際ビジネスマンだ。プライベートでは、海外旅行が趣味。子どもが生まれてからは、リゾートへの旅が増えたという。

そんなAさんの利用カードはグリーンの券面のアメリカン・エキスプレス・カード(Amexカード)。29歳のときに、国内カードから切り替えたという。

「僕もそれまでは、普通に大手都市銀行系のクレジットカードを使っていました。マイレージなんかも貯められるタイプで、それなりに人気のあったカードなので、それで十分かと思っていたのです」。

しかし、海外への出張が増えるにつれ、クレジットカードはマイルやポイントを貯めるだけのものではないと気がついたという。

「先輩と海外出張中に、乗り換え空港で事故のため飛行場が封鎖。全く知らないアメリカのど真ん中の町で1泊しなければならなくなったんです」。そのとき、先輩はAmexのトラベルサービスにすぐ電話。あっという間にホテルとレストランの手配をしてしまったのだ。「テレビのCMだけの世界かと思っていましたが、目の当たりにして、なるほどと思いました。国内ならなんとかなることが、海外に行くと、ちょっと突発事項があるとお手上げですから」。

飛行場で提供される付帯サービスをフル活用

それを期にクレジットカードをAmexカードに切り替え。「付帯サービスに『空港ラウンジ』の利用がありますので、出張前は必ず立ち寄って、そこでメールのチェックをしてから、飛行機に乗るようにしています。また、アジア出張のときは、早朝に飛行場に着くことが多く、そのまま出社する羽目になります。そういったときは、『手荷物無料宅配サービス』を利用して、荷物だけ、自宅に送るようにしています。これが意外と便利です」。

家族での海外旅行でも意外なところで大活躍

また、Aさんは海外旅行が趣味。「Amexカードでチケットなどを購入すれば、海外旅行傷害保険が付帯されます。海外に行くたびに、旅行傷害保険に加入しているのでは、面倒ですからね。そこは保険の内容を見比べて、Amexを選んでいるんです」。というのは、実はAさん、海外で1度、高熱に襲われたことがある。しかも、運悪く出張場所が中国で、英語もあまり通じず困りはててしまった。幸いそのときは、現地駐在員が病院の手配をしてくれたが、結局、保険に加入していなかったので、治療費は自己負担。さらに、通訳サービスも利用したので、その分も自己負担となってしまった苦い経験がある。「Amexカードの付帯保険なら、現地での発病の治療費はもちろん、入院や通院のための交通費も補償されます。家族でもOKなので、万一、海外旅行中に子どもが発熱、などといったことがあっても、安心です」。

クレジットカード付帯海外傷害保険例

※自己負担額が発生する場合やカードの種類に補償内容が異なる場合がある
※2 アメリカン・エキスプレス・カードでチケットなどを購入の公共交通乗用具 に搭乗中に発生した事故による死亡、後遺障害については、90日を超えた場合でも保障されます

今年のお正月は家族3人でグアム島に行ったそう。「そのときも、『無料ポーターサービス』を利用しまして、到着ロビーから駐車場行きのバス停まで、荷物を運んでもらいましたよ」。また、このときは、現地で妻がデユーティフリーショップで買ったブランドバッグをタクシー待ちの間に盗まれるという事故にあった。「妻はがっかりしていましたが、ショッピング・プロテクションという盗難保険がカードに付帯していたので、すぐに連絡。帰国後に手続きをして、購入金額のほとんどが戻ってきました。本当に正月旅行では、Amexカードが大活躍だったんです。本当に」とAさん。

「クレジットカードに会費を払うなんて、という友人もいます。ただ、僕の場合、海外に出かけることが多く、そこであらゆる種類のトラブルにあいます。それらに全面対応してくれるサービスはクレジットカードくらいにしか見当たらないんです。そう意味では、本当にありがたいことがたくさん。そのサービスを海外での安心の保険と思えば、自然と選ぶカードが決まってきてしまった、ということなのだと思います」。