前回のニューヨーク交通事情、いかがでしたか? 海外へ行くと、電車に乗ったり街を歩くだけで、文化の違いを体験できますよね。だから、私たちはアメリカ以外の国でもツアーに参加するのではなく、できるだけ自分たちで回るようにしています。さて、今回はニューヨーク郊外とドライブで行けるアウトレットをご紹介します。

マンハッタンからわずか15分、緑いっぱいのロングアイランド

ロングアイランドは、マンハッタンの東に位置するエリアで、近くには国内線が離発着するラガーディア国際空港や、日本からの直行便が到着するジョン・F・ケネディ国際空港などがある。車で行く際は、マンハッタンからブルックリン・ブリッジ、マンハッタン・ブリッジ、ウィリアムバーグ・ブリッジなどを使う。

マンハッタンを抜け、ほんの15分ほどで、高層ビルは一切なくなり、緑が多くなってくる。世界の大都会ニューヨークもアメリカの他の街と同じで、都会なのは一部。少し離れれば田舎なのである。中心地から車で20分、1時間と走っても、ビル郡がなくならない東京と違い、アメリカはロサンゼルスでも中心地から15分も走れば、高層ビルはなく1、2階建ての住宅地となるのだ。

マンハッタンとロングアイランドを結ぶウィリアムバーグ・ブリッジ

マンハッタンからちょうど30分ぐらいのところです。緑に囲まれた住宅地でした

マンハッタンとロングアイランドの差はとても印象的だ。マンハッタンから40分も走ると、フリーウェイから見える風景は、緑ばかりになってきた。フリーウェイを降りて走ってみると、緑の中に小さな街がいくつかあった。ヨーロッパの街並みを思わせるようなかわいい街に、昔の映画に出てきそうな古い家と古い看板ばかりのアンニュイな街など。私たちはその1つの街で、ランチをすることにした。入ったお店は、地元のファーストフード店。ピザやベーグルに混じって、"ライスボール"なるものが売っていた。一般的にライスボールとは、牛丼や天丼といった丼ものを指すが、ここのは、ご飯の中にピザの中身みたいな具を入れ、それを揚げた"洋風おにぎり"のようだった。面白そうだったので、1つ頼んでみると、中にはとろっとろのチーズが入っていた。味はまあまあという程度だったが、ユニークな食べ物に出会えてよかった。

ロングアイランド地区には、新築で大きな家が目立った。家は緑の豊かな郊外で、仕事はマンハッタンというのがここ辺のスタイルなんだろうな~と、家を見ながら考えた。

ニューヨークから1時間! ウッドベリー・コモンズ・プレミアム・アウトレット

ニューヨーク滞在最終日。私たちは車を借りて仕事のため朝からブルックリン、ロングアイランドを回った。午後から今度は、マンハッタンをはさんでロングアイランドと反対側にある、ニュージャージー州へ。ニュージャージーへ行くためにジョージ・ワシントン・ブリッジに向かっていたら、右手にヤンキース・スタジアムを発見。松井選手がいるかも!? と少し興奮し、外から写真を撮る。

フリーウェイから撮ったヤンキース・スタジアム

こっちのエリアもロングアイランドと同じで、マンハッタンから約15分で緑いっぱいになってきた。車のCMに出てくるような森の中の1本道を走る。トレーニングをしているのか、競技用の自転車に乗った人がアップダウンを繰り返す森の中の道を颯爽と駆け抜けていった。

マンハッタンから約1時間で、「ウッドベリー・コモン・プレミアム・アウトレット」に到着。ニュージャージーに入ってから、高速道路I-87をひたすら北(ハリマン方面)へ進み、Exit16で降りればいいだけなので、迷う乗り換えもなく簡単に行ける。グレイラインのバスでも行くことができるし、週末ならマンハッタンから電車でもアクセス可能だ。

ニュージャージー州。こちらもマンハッタンから約30分の場所。緑ばかりです

日本人に大人気のCOACH、Gucci、DKNY、BARNEYS NEWYORK、GUESS、GAPなど220以上の店舗を有するこのアウトレットは、オフィシャルサイトに"世界最大級のアウトレット"と書かれているだけあって迷うほど大きい。私たちは地図をもらい、フードコートで食事をしながら、220以上もあるショップリストを見ながら、どこに行きたいかを吟味した。時間があれば1つ1つゆっくりと見たかったが、来た時間が遅かったので、MISS SIXTYやA/X Armani Exchange、American Eagle Outfitters、FRENCH CONNECTION、Kenneth Coleなどをメインに回ることにした。地図を見ながら目的のショップを目指したが、他のショップにも目が行くので必然的にスローペースに。目的のショップを全部見終わった時はすでに真っ暗だった。やはり、ここのアウトレットに行く際は、朝から1日かけて行くべきだと思った。

(上)「ウッドベリー・コモン・プレミアム・アウトレット」。ここからいよいよショップエリア(右)高い塔はこれだけ。友達とはぐれたらここで待ち合わせをするといいかも

帰りはマンハッタンまで約45分で到着。メモリアルデーウィークエンド最終日にもかかわらず、特に渋滞はなくスムーズに帰ることができた。しかし、泊まっていたホステル付近(ハーレムの辺り)で警察に回り道を促された。すると、どこへ回っても、ホステルに近づけない。上空ではヘリが何台も旋回していて、ライトで地上を照らしている。何かあったらしい。警察官に、そこのホステルに泊まっている旨を説明し、通行止めエリアに入れてもらい、ようやくホステルへ。近くにいる人に何があったのか聞いてみると、「銃撃があった」と教えてくれた。やはりここはアメリカだ……。ぎりぎりに唯一予約できたホステルだったので、仕方なくこのエリアに泊まったのだが、これからはやめておこうと心に誓った。

さて、3回に渡ってお送りしたニューヨーク編、いかがでしたか? 私たちは9月よりロサンゼルスに移住することになりました。今後は現地より生の情報をお届けできればと思っています。では、その日までさようなら!

(フォトアーティスト飯富崇生)

芦刈いづみと飯富崇生のミニコラム:ホステルに泊まってみよう!
ニューヨークのホテルは高い。マンハッタンの中だと1泊100ドルするのは当たり前。ということで、今回ユースホステルに泊まってみた。1泊1人20ドル程度から(2人で40ドル程度)とかなりリーズナブルだからだ。ホステルというと、安いが汚い……そんな印象をお持ちかもしれないが、部屋はそういった12人部屋、男女混合、バストイレ共同などから男女別や4人部屋などがあり、それぞれ値段が設定されている。値段は1人10ドル後半から20ドル前半。一番高いのは、バストイレ付で、1人100ドル以上の個室。アメリカのホテルは基本的に1部屋の値段で示されているが、ユースホステルは、1人1泊の料金で示されているので、ユースホステルの1人100ドル以上は、ホテルより高くなってしまう。ユースホステルでも個室を希望する場合は、よく調べた方がいいだろう。私が調べた範囲では、ほとんどのところで無線LANが入っていて、パソコンを持ち込めばネットは無料だ。私たちが泊まったホステルはヨーロッパ人が多かったが、ニューヨークには日本人が経営しているホステルもあるので、英語が不安な人はそんなところに泊まるのもよいだろう。宿泊者同士のコミュニケーションもできで、お勧めだ。
アクセス情報
最寄の空港:JFK国際空港、ラガーディア国際空港、ニューアーク&リバティー国際空港。後者2つの空港は主にアメリカ国内線が発着する。JFK国際空港から、ニューヨーク市内までの所要時間は40~60分。タクシーを利用する場合は、一律45ドル(高速道路料金3.50ドル、チップは別)。*マンハッタンからJFK国際空港のタクシー利用の場合はメーター制。