東京は寒いけれど、寒いといえばニューヨーク。なぜあんな寒いところにあれほどの大都市ができたのか不思議に思ってしまうほど寒いのです。ある冬、私たちはニューヨークへ行った。出発日、ロサンゼルスの気温は20度でコートは必要なかったのですが、ニューヨークは寒いだろうとコートを羽織って出かけました。そうしてニューヨークの空港に着き、外に出たのだが、一瞬で建物の中へ。寒すぎて立っていられなかったのです。こんな寒いなんて、信じられない! と思いながら服を着込み、靴下を3枚履きました。なんとその日のニューヨークは気温-10度。ロサンゼルスとの温度差30度もあったのです。冬にニューヨークに行く方は、防寒対策をお忘れなく。
さて、同コラムはこれまで西海岸の国立公園やレジャースポットについて紹介してきました。今回は同コラムの総集編として、賢い旅行計画の仕方についてお話します。
アメリカ旅行は時期を見ろ!
当然のことだが、海外旅行は年末年始、ゴールデンウィーク、そして夏休みに行く人が多いため、それらの時期では旅行代金はやはり高騰してしまう。他の時期に休みが取れる人は、こうした時期を少しずらすといいだろう。アメリカの場合は、1月の終わりから3月の初めまでと、10月、11月が最も安い。ゴールデンウィーク明けから6月中も、結構値段が下がることが多い。ホテルと航空券は、基本的に金曜日・土曜日に利用すると割高になるので、できるだけそれらの曜日を避けた方がいいだろう。つまり、アメリカ旅行をする場合、日曜日の便で出発し、日・月・火・水と現地に滞在し、木曜日の飛行機(日本着金曜日)で日本に帰ってくる4泊6日のプランが、とても経済的なのだ(その中の日程で3泊5日でも可能)。
ホテルの値段は、国際会議やイベント開催日に大きく左右される。ラスベガスの場合、通常100ドル以下で泊まることができるカジノホテルが、イベント等の関係で400ドル以上することもあるので、要注意だ。旅行に行く時期を決めたら、航空券より先にホテルの料金を調べた方がいいだろう。
旅行は早めに計画をし、チケットなどを確保したいものだが、1年も前から予約しようとすると、チケットの値段やホテルのレートが出ていない。半年前ぐらいから準備を始め、3カ月前ぐらいに旅行会社に申し込むのがいいだろう。出国ラッシュの時期に重ならないのであれば、それよりもっと遅くても全く問題はない。
どっちがお得? オーダーメイドVSフリープランのパック旅行
オーダーメイドとは、航空券とホテルを別々に買う個人旅行のこと。私が今までこのコラムで紹介してきたようなドライブの旅などをする人は、このオーダーメイドの旅ということになる。一方、フリープランのパック旅行は、航空券とホテルがセットになったもので、添乗員などは同行せず、滞在先では自分達で行動するタイプのもの。それぞれにそれぞれのよさがあるので、自分の状況に合わせてスタイルを選ぶとよいだろう。
オーダーメイドだが、これは1人旅の人にお勧めだ。なぜなら、パック旅行は基本的にホテルが2名1室で設定されているため、1人旅の場合は、追加料金がかかってしまうのである。なんだかおかしな話のような気もするが、1人旅ならオーダーメイドのほうがいい。
少人数のグループやカップルには断然パック旅行がお勧め。かなり経済的な上に、空港からの送迎、フリーのクーポン等々、特典がたくさんついている。しかし、これは、ホテルのランクは選べるが特定のホテルを指定できないというデメリットがある場合が多いので、泊まりたいホテルがある人は注意をしたほうがいいだろう。オーダーメイドかパック旅行かは旅行人数と目的で決めよう。
アメリカ旅行には車が便利
広大な面積を誇るアメリカはやはり車社会。車がないと長距離の移動は難しい。コラムで紹介した、ザイオン国立公園、ブライス・キャニオン国立公園、グランド・キャニオン国立公園、モニュメント・バレーなど、全ての場所に行くツアーを見つけるのは至難の技だ。これらを回るのなら、やはり自分達の車でゆっくり見物するのがベスト。海外で運転が不安という人も多いだろうが、これら国立公園の近くの道は、基本的に真っ直ぐで対向車もいつ来るのか分からないほど車が少ないので、それほど心配しなくても大丈夫だ。レンタカーは、オフィシャルサイトから事前予約を。英語が使える人は、英語サイトから予約をした方が安かったりもするので、チェックしてみて! サイトでは割引なども多いので、空港カウンターに直接行くより、事前予約の方が安い場合が多い。レンタカーを運転する場合は、国際免許証が必要になるが、これは免許センターなどで簡単に取得できる。また、大手レンタカー会社は、日本の免許証翻訳サービスをしているところもあるので、免許センターに行く時間のない人は、それを利用するといいだろう。事前に保険も一緒に申し込んでおくと、スムーズに手続きが済むので、忘れずに。
ロサンゼルスも、車があると便利な場所。もし、車がない場合は、どこか1カ所に滞在してオプショナルツアーを利用することのがいいだろう。ただオプショナルツアーの料金だけでも高いのでやはりおすすめはできない。逆に、ニューヨーク、サンフランシスコやラスベガスは、車がなくても全く問題はない。ケーブルカーやトローリー、バスなどの公共交通機関を使えば、どこにでも簡単に行ける。特にラスベガスは、メインの場所が狭いので歩きでも大丈夫だ。
全てを安く予約するには?
オーダーメイドの場合、全てを安く購入したいと思うもの。航空券は格安チケットで。これは、ネットで比較検討し一番安いところに頼んでも、あまり問題はないだろう。ただ、現在燃料サーチャージがかなり高いため、アメリカ西海岸~日本のチケットが4万円で手に入ったとしても、もろもろの経費を入れると支払う料金は倍ぐらいになることもあるので、必ず合計金額を確認しよう。
ホテルは、各ホテルのオフィシャルサイトで申し込むのが実はベストだ。ホテルのレートは空き状況によって変動するので、早めの予約の方が安いことが多い。
次回は、いよいよ最終回。「知らないと損する本格的アメリカ旅行術」のまとめをします。お楽しみに~。
(写真:フォトアーティスト飯富崇生)
フォトアーティスト飯富崇生のミニコラム:アメリカでの写真現像について
旅の思い出を残すのに最適なツールは、やはり写真である。特にアメリカ南西部に点在する国立公園は、何枚写真を撮っても撮りきれないほどに素晴らしい景色が広がっている。写真を撮ったら、次は現像、デジタルならばプリンタ出力となるわけだが、これらの作業をお店に頼む場合、できれば現地で頼むのが一番良い。というのも、その土地の"色"を知っているのは、やはりその土地の人なのである。例えば、空。日本の青空は水彩画の水色のような、柔らかな色であるのに対して、アメリカ南西部の空は、油絵の青色のようなパキッとした色になる。これは主に湿度と気温によるもの。日本で、アメリカの空を知らない人が現像・出力してしまうと、やはり、水色に空の色を合わせてしまう。実際、私の友人が同じ場所で撮影したフィルムをアメリカと日本でプリントした。すると、アメリカでプリントしたものは、きちんとアメリカの青い空の色が出ていたのに対し、日本でプリントしたものは、空の色が薄く、全く違うものだったということがある。旅の思い出は色あせずに残したいものだ。
アクセス情報
ニューヨーク:ジョンFケネディー国際空港利用。日本から直行便で12 時間30分
シカゴ:オヘア国際空港利用。成田空港から直行便で、11時間30分
フロリダ、オーランド: オーランド国際空港利用。日本から、シカゴやワシ ントンで乗り換え。合計17時間
ワシントン: ワシントン・ダレス国際空港利用。日本から直行便で12時間30分
ヒューストン:ヒューストン国際空港利用。日本から、直行便で11時間40分
デンバー: デンバー国際空港利用。日本から西海岸などを経由して合計14時間