お盆休みは、いかがでしたでしょうか? 私は引っ越したばかりの家の片付けで、終わってしまいました。そういえば、日本航空(JAL)が国際線の燃料サーチャージ値上げを国土交通省に申請しましたね。北米線片道12,000円から13,000円になるそうです。私がアメリカに留学していた数年前は、片道50ドル程度だったんですが、高くなりましたね。アメリカ西海岸を往復する場合、安い時期なら30,000円程度の航空券が見つかります。しかし、それ以外に燃料サーチャージやら空港使用料やらがかかり、諸経費の方がチケット代より高くなることもあります。格安で行きたい旅行者には痛い出費ですよね。今回から3回に渡って、ここ数年女性誌を賑わせているパワースポット・セドナについて私の体験をメインにご紹介します。
セドナと私との出会い
私がセドナという言葉を初めて聞いたのは、2004年に日本に帰国した後のことだ。当時、女性誌では毎月のように"パワースポット・セドナで癒されよう! "、"究極の癒しを求めてセドナへ"なんて言葉が踊り、セドナという地に注目が集まっていた。その時の私はあまり"癒し"というものに興味がなく素通りしていたのだが、たまたま行った美容院で渡された雑誌に特集が組まれていたので、目を通してみた。「あれ? ここって、アメリカ? えっ、グランド・キャニオンの近くなの? この辺にはよく行くのに何で知らなかったんだろう」と思い、中を読み進めた。すると「セドナには"ボルテックス"という地球からのパワー(気のようなもの)が出ている場所がある。そのボルテックスに足を踏み入れたとたん、涙が出た人や、何かを悟った人をいた」と書かれていた。それを読み、セドナは面白い場所だなと興味を持った。
それから数カ月後、私たちは、L.A.から2週間の予定でニューメキシコ州のホワイトサンズ・ナショナル・モニュメントを目的地に車で旅をすることになった。ルートを組んでいると、ちょうどその道沿いにセドナが位置していることに気が付き、せっかくなので1泊だけしてみることにした。
"ボルテックス"とは何なのか?
私たちは夜、セドナに到着したのだが、次の日の朝に周りを見渡すと赤い岩がばかりが目に入ってきた。そう、セドナ周辺はレッド・ロック・カントリーと呼ばれ、赤い岩の山々が連なっている。朝、この風景を見たとき私はそのことを思い出し、「なるほど」と納得した。
私たちは、地図を見ながらウワサの"ボルテックス"へ。私が見た雑誌の写真では"ボルテックス"はストーンサークル(石や岩が環状に配置している古代遺跡)を指しているようだった。だから"ボルテックス=ストーンサークル"だと思い込んでだまま、ボルテックスの1つ、エアポート・メサに行ってみた。すると、あれ? おかしい。ただの岩でストーンサークルなんて見当たらない。そこで、セドナには他にもボルテックスがあるというので、違うボルテックスへ行ってみた。あれ? ここもただの岩だ。周りをかなり歩いてみたが、ストーンサークルはやはりない。ようやく「"ボルテックス=岩"のことでは? 」と思い、地球のパワーが出ているという岩に座り、パワーを感じてみようと試みる。うん、何も感じない。「元気な人はパワーを感じないということかもしれないね~」なんて話しながら、泊まっていたモーテルへ戻った。確認のため、ホテルのフロントで「ボルテックスって何?」と聞いてみる。彼女は近くにあった写真を指差して、「これよ」と言う。やっぱりそれは、私たちがさっきまで遊んでいた岩だった。
ボルテックスの1つ、エアポート・メサからの町の眺め。向こうにある岩は、"サンダーマウンテン"という名前です。聞き覚えありますよね? そうです。この地がディズニーランドの「ビックサンダーマウンテン」のモデルになったと言われています |
ボルテックスとは、地球からのパワーが放出していると言われているパワースポットである。英語では"Vortex"と書き、ラテン語で「渦巻き」の意味だという。そう、セドナのボルテックスでは地球のパワーが岩から渦巻き状に出ているというわけだ。そのようなパワースポットは世界中にいくつもあると言われているが、セドナが特徴的なのはボルテックスが数多くあるということ。つまり、かなりのパワーがこの土地に渦巻いているのである。セドナの有名なボルテックスにはエアポート・メサ、ベル・ロック、カセドラル・ロック、ボイントン・キャニオンがある。セドナの町から気軽に行けるのは、エアポート・メサとベル・ロック。私たちも最初の訪問ではこの2カ所を訪れた。この地は、昔からネイティブアメリカンの聖地として崇められていた場所であり、なんと旧約聖書『創世記』のアダムとイブと同じような、神様がここに男と女を作ったという伝説が残っている場所でもある。
パワースポットと言っても、ボルテックスに上ったり、セドナに行ったりしただけで全ての人が、癒されたり、病気が治ったり、悟ったりするわけではない。しかし、その効果がすぐに現れる人がいるのも確か。ツアーガイドさんや観光局の方から効果が現れた人たちのエピソードをたくさん伺ったし、現に私の友達も日本にいる間ずっと体調が悪かったが、セドナへ行った後にすっかり治り、ストレスをあまり感じなくなったと言っていた。効果が現れやすい人とそうでない人の違いは分からないが、ボルテックスはやはり不思議な場所だった。
長くなるので今回はこの辺で。次回は実際に私が体験したオーラを見るレッスン、ボルテックスツアーなどのお話をします。お楽しみに~。
(写真:フォトアーティスト飯富崇生)
芦刈いづみ&飯富崇生のミニコラム:レッド・ロック・クロッシングに行こう!
レッド・ロック・クロッシングとはボルテックスの1つ、カセドラル・ロックを小川越しに 見える場所。セドナを特集している雑誌には、必ずと言っていいほどここの写真が使われており、セドナというとここの写真を思い浮かべる人も多い。ツアーガイドさんも、ここに行く前、「今から"That’s Sedona(これぞセドナ)"って言う場所に行くから楽しみにね」と言っていたほどで、誰もが訪れる観光名所なのだ。しかし場所が少々分かりにくく、個人で行こうとすると迷ってしまう可能性が高い。初めての人は、できればツアーに申し込んだ方が良いだろう。ちなみに、レッド・ロック州立公園というのが近くにあるが、入り口は異なるので要注意。
アクセス情報
最寄りの国際空港:マッキャラン国際空港(ラスベガス) または、フェニックス国際空港。いずれも2007年8月現在、日本からの直行便はないので、アメリカ西海岸まで約10時間、それから乗り継ぎで約1時間。 ラスベガスからは車で約5時間。フェニックスからは約2時間半。 ラスベガスから公共のアクセスはないが、フェニックスからは数社がシャトルバスを運行している。日本からもツアーもある。 車の場合:ラスベガスからUS93→I-40→HWY89Aまたは、US93→I-40→I-17→HWY179で約5時間。HWY89Aの方が景色は綺麗だが、山道でぐにゃぐにゃしている。I-17は景色こそいまいちだが真っ直ぐで大きな道。慣れている人にはHWY89Aがオススメ。フェニックスからI-17→HWY179で、約2時間半。 *フェニックスよりラスベガスの方が面白い町なので、車がある人にはラスベガスを拠点に行くことをオススメする。周辺観光地
グランド・キャニオン国立公園、グランド・キャニオン・ウエスト(スカイウォーク)、ミディア・クレーター、化石の森国立公園、モニュメント・バレー、アンテロープ・キャニオンなど。