チェックイン・カウンターが空港の端にあるから駅の改札から歩いて遠い、ターミナルビルが離れた場所にあって連絡バスで移動しなければならず不便、マイレージの乗客会員制度がないのでチェックインや搭乗時に優先サービスがなく並ぶ……。何かと不便さが強調される低コスト航空会社(LCC)ではあるが、実際に利用してみると意外に使い勝手の良さに気付かされることも多い。
到着後からが意外に早い
まずひとつは、大手エアラインに比べるとほとんどのLCCは小さめの飛行機を使っているので、到着してから飛行機を降りるまで時間があまりかからない。前方の入り口付近に座れば、大手のようにファーストクラスやビジネスクラスがないため一番に降りることもでき、預け荷物がなければすぐに空港を出て目的地に行けるので、意外にスピーディーに移動できる。
そもそも日本の地方空港はそのほとんどが赤字であるが、その分だけ飛行機の発着枠に余裕がある。つまり、LCCでもメインターミナルを使っておりボーディングブリッジ(搭乗橋)での乗り降りができる。日本のトラベラーはラッキーだとも言えるのだ。
確かに、成田空港のような駐機場に着いてバスでの移動が当たり前の空港だとそうはいかない。とはいえ、預け荷物がある場合はバスで移動している間に手荷物受取所のターンテーブルに自分の荷物が運ばれ、待つことなく荷物をピックアップできる、なんてタイミングが良いことも少なくない。
また、LCCではファーストクラスやビジネスクラス、あるいはマイレージの上級会員など手荷物を優先的に渡す乗客がいないから、エコノミークラス(国内線では普通席)の荷物が早く運ばれるのも良い。そもそも、LCCは預け荷物が有料のため、機内に持ち込む乗客が多い。預け荷物自体の数が少なめなので、あっという間に自分のスーツケースが出て来ることもしばしばだ。
チェックイン・カウンターから搭乗ゲートが近い
関西空港や那覇空港にあるLCCのターミナルは、メインターミナルにある鉄道駅などからバスで移動する必要があるが、LCC用のターミナルは簡素で床面積も狭いため、長いコンコースを延々と歩く必要がないのは助かる。というより、チェックイン・カウンターの壁一枚隔てた向こう側が搭乗ゲートになっているパターンも多く、この場合、ほとんど歩く必要はない。
レストランやショップの数はメインターミナルに比べると圧倒的に少ないが、コンビニ程度ならどの空港にもあり面積が狭いのでちょっとしたものを買うのも楽だったりする。もっとも、那覇と関空のLCCターミナルでは、搭乗口からしばし外を歩いて飛行機に乗る必要があるのだが……。そんなところもLCCの"味"として楽しんでいただければと思う。