そろそろ暖かくなりビール好きにはいい季節になってきた。面倒なセキュリティーチェック(保安検査)を終え、長いコンコースを歩き、ようやく機内で一息。そんな時に飲むビールは格別だ。機内は乾燥しているので余計においしく感じるのもうれしい。ところが、である。

LCCでも国際線なら、冷えたビールにありつける確率は高い

筆者は国内線でLCC(低コスト航空会社)に数えきれないほど乗ったが、夏場に冷えたビールにありつけたことは一度もない。理由はギャレー(機内キッチン)の冷却設備が整っていないからだ。

大手でも有料だが環境が違う

例えば、ANAに乗ると真夏でも冷えたビールが出てくる。(国内線)普通席の場合、大手でもビールは有料で、ANAのビールはおつまみ1品付きで350mlの缶ビールが500円。しかし、満足度は高い。

おそらくビールが一番おいしく感じると言われる4度前後に冷やされ、コップは注いでしばらく置いていてもぬるくならない特製品。払った金額に見合ったサービスである。大手のギャレーには食材を冷やすチラーと呼ばれる設備があり、さらに飲料はドライアイスを使って冷やされている。

ところがLCCはそのドライアイスを積んでいない。そのため、ビールの温度は「季節次第」、あるいはその日の天候などによる運次第。冬場はそれなりに冷えているが、夏場ほどぬるいのは当然だというわけだ。有料であり、値段は大手と同じで満足感も低い。

持ち込みが可能なLCCも

それなら持ち込む手もあるが、途中でぬるくなることもあれば、中にはアルコール類の持ち込みを禁止し、機内で飲めないLCCもある。ちなみに、「飲食物の機内持ち込みは各LCCで異なる! 一番自由度が高いのは……」でも触れたが、ピーチ・アビエーションは持ち込んで飲めるようにしている。

一方で、LCCもギャレーの温める機能は整っており、お弁当やコーヒーなどは問題なく食べられる。つまるところ、LCCに乗るなら、夏場でも温かいものにするのが無難だといえるかもしれない。