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Vol.29 二股は大ありだとありましたが、私はそうは思いません。
酒井先生
前回、二股は大ありだとありましたが、私はそうは思いません。
結婚する相手を真剣に見つけたい気持ちは私も一緒ですが、相手には誠実にありたいと思いますし、相手もそれを知ったら結婚後うまくいくとは思えないのです。
私の友人にも何人かとお付き合いして、男性をゲットしたという人がいました。でも、私はちょっとな……と思い、その友人とは少し距離を置いてます。
とはいえ、まずはいい人を見つけないと! なんですけどね。 そんなことを思ったのですが、酒井先生のご意見を伺えれば幸いです。
(31歳・女性・会社員)
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あくまで「人」次第。自分の好きなタイプのいい人を見つけてほしいです。
二股は大ありです。が、それをするのは「人」によります。自分がそういうことをしたくないのでしたら、やっぱりできないですよね。
「赤毛のアン」シリーズに、アンの大学時代を描いた「アンの愛情」という本があります。ご存知でない方もいるかもしれないので、ちょっと説明します。
アンは、大学でフィリパという美人でお金持ちの家の令嬢と友人になります。
フィリパは結婚するのがイヤで大学に入った。アレックとアロンゾというふたりの男性から求婚されているけれど、どちらも似ていて、とてもいい青年だから迷って決められない、とアンに豪語するのです。
アンは、そんなフィリパを愛すべきベビーなのよ、と他の友人に話します。
前回、質問をくれた彼女も、私にとっては愛すべきベビーでした。
あんなふうに、二股はありですかね? と、あっけらかんと聞くことのできる女の子だったら、二股恋愛がうまくいかなかった場合でも、心のキズも、いずれはやさしさに変えられるような、そんな強さがあるんじゃないかと信じて「二股は大あり」と答えました。
もしかすると、二股がバレたにもかかわらず、それでも、
「迷う気持ちは理解できなくもない。やっぱり好きだ」
と言える度量の広い相手が残るかもしれない。
それから、結婚して子どもができて、その子が大きくなって、恋愛で苦しむことがあったら、
「母さん、若いころ、お父さんと二股かけていてね」
と自分の経験を元に、子どもの相談にのってあげられるかもしれない。
結婚なんです。迷っていいのです。二股をかける元気があるのでしたら、やらずに後悔するより、やって反省してほしいなと思いました。
さて、正直にいうと、私自身は二股をかけられるほどの体力もウツワもなければ、いっぺんに二人の男性からモテたような経験もないので、二股は無理かと思います。
しかし、私の周囲には「ひえーっ」と驚くような恋愛経験の持ち主がそろっています。
あんなふうに自由奔放になれたら、恋愛話で人を楽しませるようなことができたら(いえ、楽しんでいるのは私だけで、本人はシリアスに悩んでいるのかもしれませんが)と、うらやましく思うこともしばしばです。ないものねだりかな。
二股をかけたり、何人かとお付き合いできる人は、男の子の扱いが上手で見ているだけでも非常に参考になります。苦手でしたら、距離を置きつつ、観察してみると勉強になる部分もあるかもしれません。
ただ、私の場合は、損得勘定で男の子を選り好みしたり、自分へのメリットを考慮して二股をかけるような人は苦手です。人それぞれ、苦手のツボがあるんですね。。
結婚しているカップルには、自分と考え方や指向が似ている「同調系」カップルと、自分にないものを求めて、正反対の性格の人を好む「補完系」カップルがいます。
自分の過去の恋愛を振り返って、どちらのタイプが好きか絞ってみると、まず「いい人をどうやって選ぼうか」というところから脱出できます。
ぜひとも、自分の好きなタイプのいい人をみつけてくださいね。
余談ですが、フィリパはアレックもアランゾも断って、貧しい神学生と結婚します。古きよき時代の物語の、すばらしい結末ですよね。
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