30歳女性、金融関係の仕事をしています。同い年の彼とは大学時代からの付き合いで、私も彼も芸術関係の大学に行っていたのですが、私はなかなかその道の就職先が見つからず、芸術の道はあきらめて今の仕事に就きました。

彼は学内での評価も高く、コンクールにも入賞していたので将来が明るく、実家の一部をアトリエとして画家としての道を選びました。

大学卒業から10年近く。私もいわゆる適齢期になってきたので結婚を考え始めました。

私は幸い、今の仕事についてから猛勉強をしたので年収800万ほどあります。同年代の女性よりは多くもらっているほうです。でも彼は、実家だから生活できるという程度の収入しかえられていません。はっきりいって貧しいです。

彼のことは今でもとても好きです。好きで好きでたまらないくらいです。なので、収入的には恵まれている私が、彼を支えて生きていこうと考え、彼にプロポーズしました。彼も「ありがとう、結婚しよう」といってくれたのですが……。

周囲の女友達は、「合コンで知り合った会社社長と結婚する」「お見合いで、○○の仕事をしてる年収1500万の人と会った」などといっていて、「もしかすると、彼を一生養っていけないかもしれない…」という重圧に押しつぶされそうになります。

彼のことは好き。彼と結婚はしたい。でも、少し、私も誰かに養ってもらいたい、という気持ちがあるのです。すべてをかなえることは無理だと思うのですが……。どうすることが最善なのでしょうか。

(30歳・女性・金融関係)

結婚も恋愛も、何が最善で何が自分にマッチしているのかというのは人それぞれだと思います。100人いたら、100通りの恋愛や結婚があるものです。とはいうものの、どうしても恋愛ならば自由でもいいと考えられるものの、結婚に関しては何らかの固定観念が誰にでもあるような気がします。

例えば、男性の多くは「結婚」とは自分を愛し、何があってもそばにいてくれるやさしい女性と2人で歩んでいくことと、何だか漠然としたロマンティックなものを心に描いていたりします。RPGでいうと、自分は冒険に旅立つ主人公で、結婚相手は自分の冒険についてきてくれる一番大事なメンバーみたいな感覚。女性はもっと結婚に現実的で、相談者さんのお友だちのように、結婚相手の男性は年収いくらだとか、会社経営をしているだとか、世間体だとか、生活していくために必要な要素について、あれこれ心配する傾向があるようです。

お友だちの話を聞いてしまうと、相談者さんが心配になる気持ちもわかります。経済的に自分1人で彼を支えていて、万が一病気や事故などのアクシデントがあったら? 彼が画家として成功できなかったら? 自分ばかりが頑張っているような気がして、いつしか彼をキライになってしまったら? 不安はたくさんあることでしょう。でも、そういう心配をすると、どんな相手と結婚する場合でも同じなのです。会社社長と結婚したのはいいけれど、会社が倒産してしまったら? お金があるのをいいことに、浮気ばかりしておばさんになった私を大切にしてくれなかったら? エリート会社員と結婚しても、不景気で年収1500万円がどんどん減っていき、リストラされてしまったら? なまじっか学歴やプライドが高かっただけに、彼がたった一度の挫折で立ち直れなくなってしまったら? 実際に、結婚をしてみると、そういった例もたくさんあるのです。

それでも、女性が一家の大黒柱になるのは、なかなか心配な状況ですよね。それでしたら、逆のパターンを考えてみてはどうでしょう。相談者さんが病気をして倒れて、収入がなくなったら、彼はあなたを見捨てて出ていってしまうような人なのかどうか。2人の間に子どもができたら、忙しく働く相談者さんにかわって、保育園の送り迎えや家事、子どもの面倒をしてくれそうな人かどうか。絵で成功できないかもと自信がなくなったとき、困難にぶつかったときでも、逃げ出さない強い心の持ち主かどうか。長い年月が経っても、彼の相談者さんへの気持ちはかわらないだろうなという安心感はあるか。

相談者さんの大好きな彼のそういった面をよーく見極めてみてはどうでしょう。今は彼を養わなくてはならないかもしれないけれど、これから先は何が起きるかわかりません。大きな賭けをしなくてはならない相手を好きになってしまったけれど、好きで好きでたまらない相手とめぐり合えるって、なかなかないことです。

他の人と比べたりせず、自分たちは結婚したらどうしたいのか。その点を、1人ではなく、2人で考えていってほしいなぁと思います。応援していますね。

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