Vol.134 「顔を見て話してすらもらえない状況」を抜け出したい
1年半ほど前にアルバイトとしてやってきて現在も働いてくれている一回りも年下の大学生を好きになってしまいました。
わたしの悩みはその彼女に嫌われてしまった、ということです。
わたしは無神経で抜けているところがあって、「痛い」発言をしてしまって彼女を唖然とさせてしまうことが何度もありました。たとえば、わたしとは正反対で几帳面でしっかりとした彼女を、本当にスゴイなと思っていて、それを伝えるつもりで「細かいね」と言ってしまったり、「スゴっ」と言って誉めようと思っていたところを「コワっ」と言ってしまったり、彼女を意識し過ぎて変な発言をしてしまわないようにしようとして、逆にそっけない態度をとってしまったり…
彼女は人当たりが良くて、職場の同僚に対してはみんなに笑顔で接しているのに、たとえば休憩中に職場で何人かで話しているとき、わたしが話しているときはこちらを見てもくれません。仕事のことでわたしと直に話をするときは怯えたような顔をしていて、なんだか彼女に対して申し訳なくいたたまれない気持ちにさえなります。
好きになった人にこのように嫌われることがこんなに辛いとは思ってみませんでした。
少しでも長く彼女と一緒に仕事がしたいので、彼女がバイトを辞めてしまわないよう、気持ちよく働いてくれる環境を作ってあげなければならないと思うのですが、一方で彼女の迷惑になるかもしれないけれど、彼女とふつうに話しもしたいと思ってしまいます。
とにかく、今のこの「顔を見て話してすらもらえない状況」を抜け出したいのですが、どのように彼女と接したらよいのかアドバイスをください。
よろしくお願いします。
(33歳、男性、サービス業)
ほめよう、うまいことを言おう、と思うのはやめてみて下さい
今からでも遅くはありません。もう、彼女のことをほめよう、うまいことを言おう、と思うのはやめてみてはどうでしょう。
私が若いころ、知人の紹介でアルバイトをしていたとき、一回り年上の上司のような立場の方が苦手なタイプの人だったことがありました。身長は185センチもあり、元ラガーマンで、ちょっとウカツで、思ったことが口からポロッと出て、真っ黒に日焼けした、いかにも男っぽい方でした。女姉妹で育ち、家族で唯一の男性の父は、物腰ソフトで神経が細やかで、足音ひとつ立てないもの静かなタイプだったので、ものすごく男っぽいタイプの人には本当に免疫がなかったのです。
怖い、苦手と思うと、イージーミスを連発してしまい、年中怒られて、しまいに自分ではそんなつもりではなかったのにポロポロと泣いてしまったことがありました。
ここは働く場所、涙をみせるなんて失格だ! と、あわててトイレに逃げ込みましたが、トイレから戻ると、彼の顔が青くなっていて、その日は何も言われませんでした。
翌日、仕事場へ行くと、彼にあやまられてしまいました。
「実は、あれからすぐに、昨日のことを彼女に相談したんだ。そうしたら『だいたいあなたはカラダも態度もデカくい。男三兄弟の長男でいばって育っているから女の子の気持ちもよくわかっていない。見かけもいかついのに、女の子を怒ったりするなんて。アルバイトやめちゃうかもしれないわよ。自分が怖く見えることを自覚しなさい。すぐにあやまりなさい』と怒られた…。本当にごめん。まさか、アルバイトをやめる気じゃないよね? これからは怒らないようにするから、やめないでほしい」と。
思わず笑ってしまいました。率直な態度や、彼女に相談をし、その意見をスナオに聞き入れる姿勢があることに、ホッとしました。それからは、こちらも注意されると「今の言い方、怖かったです」とか「泣きますよ」と、冗談を言えるようになりました。たぶん、男性って、ああしたいこうしたいと思えば思うほど、気負いすぎてうまくことばが出なかったり、気持ちと反対の行動を取ったりしてしまうような気がします。
いっそのこと、少しの間、彼女をそっとして油断させておいて、和やかに話せそうだと思ったときに、自分の恋愛や仕事での失敗談を話しながら、
「自分はどうも、気がきかなくて、痛いことを言って後悔することがあって。○○さんのことも、ほめようと思って細かいねなんて言ったり。本当は、キチンとしてくれてありがとうって言いたかったんだ。トンチンカンで申し訳ない」
というようなことを言ってほしいと思います。スナオな気持ちを打ち明けて、誤解をとけば、きっと彼女も相談者さんの目を見て話をしてくれるようになるはずです。
一回りも年下の相手にこういう話をするのはなかなかタイヘンかもしれませんが、あなたが悔やんでいることは、ことばにしないといつまでたっても彼女には伝わりませんよ。 相談者さんは、ご自分を無神経で抜けているといいますが、本当にそうでしたらそのことに気づかないはずです。無神経というより、不器用なのかなと思いました。
あれこれ悩むより、率直に彼女に「本当はこう言おうと思っていた」と伝えてほしいです。
正直なことばを伝えれば、人間関係って、意外とやり直し、仕切りなおしができるものです。ぜひ、ころあいを見計らって彼女と話してみてください。あせらず、ゆっくり、押し付けないで、話をしてみてほしいです。健闘をお祈りしていますね。
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