今まで、犯罪被害に遭う確率がグンと低くなる生活の仕方(防犯生活)や、侵入犯罪者はどこをどんな風に見ているかなどの犯罪者目線について、お話をしてまいりました。では、侵入犯罪者は狙いを定めた住宅に、実際どこからどうやって侵入するのかを、お話ししたいと思います。
玄関のすぐ横にあるインターホンに御用心
例えばインターホンが玄関のすぐ横にある家は、怪しまれることなく自然な感じで敷地内に入っていくことができます。そしてインターホンを押し、家人が留守のため何の返答も無いインターホンに対し「〇〇です。お世話になります。はい分かりました、では裏に回ります」と、いかにもその家の住人と話をしているふりをして裏に回り、通りから見えにくく、人目につきにくい死角部分の窓のガラスを破り、家の中へと消えていきます。
その侵入犯罪者がスーツを着た営業マンを装ったり、作業着を着た工事関係者を装ったりしていれば、ご近所の方が見掛けたとしても、怪しまれずに侵入することができてしまいます。
実際に中部地区で起きた事件ですが、作業着を着た犯人たちが、堂々とハシゴを使い屋根に上がり、2階の窓を破壊している時、ご近所の方に声を掛けられました。が、犯人たちは「あっ! すいません。うるさかったですか? 今、修理に伺っているんですよ」と堂々と答え、ご近所の方もそれを信じたそうです。事件発覚後、ご近所の方が「そう言えば作業着を着た人たちが、修理だと言って窓を壊していました。犯人はあの人たちかも……」と警察に話したということです。
とても残念なのは、玄関のすぐ横にインターホンのある家が多いことです。せっかく門扉があっても、玄関のすぐ横にインターホンがあることで、門扉は無施錠にしておかなければいけません。これでは、誰でも玄関前まで入っていいですよ! と招き入れているのと同じですね。
貴方の家のインターホンが玄関のすぐ横にあったら、そのインターホンを無くして、門扉に移動されることをお勧めいたします。「家は門扉がないからどうすればいいの?」という方、安心してください。今は、機能門柱という、とても便利な物がありますので、一度、工務店へ相談なさってはいかがでしょうか。
頭が入る窓はすべて侵入経路に
敷地内への侵入はこれ以外に、家に隣接している駐車場、空き家、空き地、田畑、夜間無人になる事務所や店舗・倉庫からなど他にもたくさんあります。
次に、敷地内から家に侵入する場所は、どこから入るのかをお話ししていきましょう。通りから見えにくい場所(死角部分)にある、窓、玄関、勝手口(特にスライド式窓が付いた勝手口)、掃き出し窓、腰高窓、ルーバー窓、お風呂場の窓、トイレの窓、縦すべりの窓、横すべりの窓があげられます。2階ベランダに上がれる足場(雨樋・物置き・給湯器)などがあった場合、2階ベランダの掃き出し窓からも入ってきます。
簡単に言ってしまえば、人が入れそうな大きさの窓は、すべて侵入されてしまうかも? と思われたほうがよろしいかもしれません。人は頭が入れば体も入ってしまいます。あなたが考えている以上に侵入できそうな窓が多いことに、驚かれたのではないでしょうか?
「あの家は入りたくないな」と思わせるポイント
これを機会に、ご自宅の窓をチェックなさるのも良いかと思います。対策としては、侵入犯罪者に「あの家は入りたくないな、入りずらそうだな、入れないだろうな」と思わせることがポイントになってきます。
敷地内に簡単に入れないように、敷地を見通しの良い外構と門扉、車があればゲートを設置する。死角部分にある窓や、ここは危ないなと思われる窓の下に、防犯砂利をたっぷり敷いたり、人が近づいたら灯りが点くセンサーライトを設置しましょう。敷地内に入りにくい環境を作ることが重要です。
敷地内に入られたとしても家に入られないように、玄関や勝手口の鍵を不正開錠ができない鍵でかつ鎌錠タイプの物に換える。せめて1階の人が入れそうな大きさの窓は、防犯ガラスに交換したり、防犯フィルムをガラス全面に貼ったりする。なおかつ引き違い窓は、鍵付きの補助錠も併せて活用する。縦すべりや横すべりの窓は、真ん中にポールなどを設置する。ルーバー窓や勝手口のスライド式窓は、留守にする時と就寝時には必ずしっかり閉める。このような対策があります。
今は建材も防犯性の高い建物部品(CP建材)がありますので、防犯をしっかり学んだ工務店へご相談される事をお勧めいたします。防犯性が優れたシャッターや雨戸・格子は有効です。
建材以外では、セキュリティが働いた時にあなたのスマホに通報が来るセキュリティシステムを導入されるのもよろしいかと思います。
あなたとあなたの家と財産を守るのはあなたです!