先日、芸能界で仕事している友人と久しぶりに話をしました。いつ会っても変わらない美しさを褒め称えたら「きれいにしておくことはとても大事なのよ~」と言われてしまいました。キレイにしていないときに不意の打ち合わせがあると、なんだか見くびられる気がするんだとか。人に限らず、セットや仕掛けでも見た目に凝るとうまく話しがすすむことが多いそうです。あとは気合。そんなもんなんでしょうか。
さて、私がWindows Vistaの画面をはじめてみたのは昨年夏の発表会場でした。
当時のベータ版は壁紙が山と湖のきれいな風景写真で、Windowsというより新型テレビかモニターの発表会に出席しているようだ、と思ったのを覚えています。
そして、次々と紹介される新機能のなかで特に印象に残ったのは下が透けて見える「エアログラス」(当時の名前。現Aero)でした。
XPのLuna(ルナ)からVistaのAero(エアロ)へ
XPは、ウィンドウを閉じたり移動すると枠だけ画面に残ってしまったり、上のウィンドウを閉じたら下が真っ白になってしまうことってありませんでしたか? これはメモリを節約するために、重なったウィンドウの目に見える部分だけ作って画面を表示し、見えない下の部分は作ってないために起こるそうです。画面を構成する描画エンジンもさまざまなものが用意されていて、アプリケーションごとに違う場合もあります。要するに、画面描画に負荷がかかると画面が乱れる可能性が高かったわけです。また、ディスプレイドライバの不具合がシステム全体を不安定にし、最悪の場合、いわゆるブルースクリーンを表示してWindows自体が止まってしまうこともありました。
VistaではGPU(Graphic Processing Unit:グラフィックチップ)の性能が良くなったことで、WDDM(Windows Display Driver Model)という新しい仕様に基づいたディスプレイドライバを採用し、CPUがやっていた処理をGPUに移して画面の応答を早くし、安定性を高めています。また、Home Basic以外のエディションではDWM(Desktop Window Manager)というデスクトップ描画エンジンで、重なったウィンドウの下の見えない部分も作っています。そのためにウィンドウを半透明にしてもダイジョーブなのです。
DWMがオンになった画面がAero(エアロ)です。半透明のウィンドウ以外に、タスクバーで表示できる「タスクバーサムネイル」、ウィンドウを切り替える「フリップ」や立体的に切り替える「フリップ3D」もDWMで実現しています。半透明表示をオフにするには
- 画面の何もないところで右クリックして[個人設定]を選びます
- [ウィンドウの色とデザイン]をクリックします
- [透明感を有効にする]をオフにして[OK]をクリックします
これで半透明表示はオフになりますが、DWMはまだ動いています。ためしにDWMのプログラムを止めてみましょう。
タスクバーの何もないところで右クリックし[タスクマネージャ]を開きます。[プロセス]タブで「DWM.EXE」を選び[プロセスの終了]ボタンをクリックします。一瞬画面が黒く切り替わり、Home Basicと同じ画面になります。ためしにウィンドウをドラッグで移動してみると枠の動きが少し遅くなります。また、[ウィンドウの色とデザイン]を選ぶと先ほどとは異なり、XPのような[デザインの設定]ダイアログボックスが表示されます。
DWMの終了を試した場合、Windowsの再起動または次の手順で復活させることができます。タスクバーの何もないところで右クリックして[タスクマネージャ]を開きます。[サービス]タブの[サービス]ボタンをクリックします。[サービス]ウィンドウが開いたら「Desktop Window Manager Session Manager」を選択して[サービスの再起動]をクリックします。
DWMをはじめVistaの技術は、条件によっては思い通りに動かない場合も多々あります。このあたりは今後のハードウェアやソフトウェアメーカーの方達の努力で良くなっていくと思います。エンジニアの皆さん、体を壊さないようにがんばって下さいね。
今回は私が疑問に思ったことを調べてみました。今後もVistaを使っていて疑問に思ったことや見つけたことなど、のんびりペースで紹介しようと思います。皆様も何か疑問に思うことなどあれば教えてください。よろしくお願いします。