"ひとり芸"ナンバーワン決定戦『R-1ぐらんぷり2018』の決勝戦が、カンテレ・フジテレビ系で、いよいよ3月6日(19:00~20:54)に生放送。本番までカウントダウン形式で、ファイナリスト10人へのリレーインタビューを当日のネタ順に紹介していく。
8人目は、盲目の漫談家として注目を集める濱田祐太郎。準決勝では、自らのハンディキャップを自虐ネタに昇華して会場を爆笑させ、マイクの前では完全にバリアフリーであることを証明した。そんな濱田が芸人を目指したきっかけ、ネタ作りを行うためのツールとは――。
『R-1』が人生初舞台
――決勝進出を決めての心境はいかがですか?
うれしい半分、安心感半分ですね。
――準決勝はお客さんの反響がすごかったですが、手応えはいかがでしたか?
最後のほうはいい感じでできたかなって思います。東京で舞台に立ってしゃべるのは初めてだったので、どういう感じで聞いてくれるのかなって思いながらしゃべってました。
――実際に、東京のお客さんはいかがでしたか?
受け入れてくれる部分もあったし、ちょっと踏み込んでいるところはやっぱり固まってるのかなっていう印象もありましたね。
――濱田さんは王道の漫談スタイルでの参戦ですが、参考や目標にしている方はいらっしゃますか?
準決勝に残ってたんですけど、ナオユキさんという松竹芸能の芸人さんが好きで、2009年から13年までの『R-1』のDVDに出てらっしゃるので、それを聞きながらいろいろ参考にさせてもらう部分も多かったですね。
――どういった経緯で芸人さんになられたのですか?
もう解散されたんですが、ビッキーズさんとハリガネロックさんという大阪の漫才が好きで、そっからお笑いにハマって、中学生くらいの時からずっとなりたいと思ってたんです。盲学校に行って、芸人で失敗しても大丈夫って親を納得させる意味でマッサージの資格を取って、卒業してからよしもとの養成所に入りました。盲学校の時は一切ネタとかはしてなくて、2012年に初めて参加した『R-1ぐらんぷり』が、人前でお笑いのことをしゃべるという人生初めての舞台でした。
――初舞台は、かなり緊張されましたか?
めちゃくちゃ緊張しましたね。ネタをしゃべり終わった後も、ずっとひざが震えてる感じでした。
――そうすると、『R-1』への思いは人一倍あるのでは?
やっぱり人生で初めて人前でお笑いをやった舞台が『R-1』の1回戦で、そこから決勝に行きたいなってずっと6年間思ってたので、思い入れは強いと思います。6年前に出た時のエントリー番号は「1953」って、今でも覚えてますから。
同期・ゆりやんは「ずっと上のタレント」
――養成所では、最初から漫談スタイルだったのですか?
相方と組んで漫才やりたいなと思ってたんですけど、1人でやってるうちに漫談も楽しいし、肌に合ってるかなという感じがしてきて、漫才も好きですけど、今はもう漫談のほうも結構好きですね。
――普通の芸人さんがやるような「ネタ帳に記録する」という作業が難しいと思うのですが、どのようにネタを覚えているんですか?
携帯電話に、画面の文字を音声で読み上げてくれる機能があるんで、それをメモ帳機能にして覚えるという感じです。
――ネタの時間もカンペが見られないと感覚が分からなくて大変だと思うのですが…
実は、視覚障害者用の腕時計があって、それはストップウォッチ機能で決まった時間で呼び出してくれたり、「今何分経過しました」みたいなことを言ってくれるので、練習するときはそれで感覚を身に着けてますね。
――そうすると、他の人よりも聴力に自信はありますか?
いや、全くないです。「見えてない分、他の人より耳聞こえてるんちゃうん?」て言われたのを聞き返したことありますから(笑)
――では、ご自身の武器は?
ホンマにお笑いが好きだっていう、ものすごい単純なところだと思います。
――同じく決勝に進出したゆりやんレトリィバァさんは同期ですね。ライバル心はありますか?
それは全くないですね。ゆりやんは養成所の時からずっと活躍してここまで来てるんで、ライバルというより、ずっと上のタレントという感じの存在です。養成所ではクラス分けされて、ゆりやんはずっと優秀なクラスにいて、僕はずっと優秀じゃないほうにいたんで、同じ大会の決勝に進めるっていうのはすごく不思議な気分ですね。
――それでも、今回は"ダークホース"として注目を集めています。
「ダークホースが波乱を起こす」とかいうのは、周りの人がどう感じるかっていうことだけなので、普段、劇場の舞台で立ってるのと同じ感じで、とにかく自分がいいなって納得できるしゃべりができたらと思います。
『R-1ぐらんぷり2018』決勝戦まで、あと2日!