PlayStation 5/PlayStation 4用ソフトウェア『リビッツ!ビッグ・アドベンチャー』は、あたたかみのあるステージやキャラクターが特徴の3Dアクションゲーム。布製の人形のような姿に、クリっとした瞳がかわいらしい主人公のリビッツは、物語の舞台「クラフトワールド」の支配をもくろむワルいヤツ「ヴェックス」から仲間を救うために立ち上がる。

ゲームの内容は、オーソドックスな3Dアクションをイメージしてもらえるといいだろう。プレイヤーはリビッツを操作して、さまざまなステージをめぐり、ボスを倒していく。

  • リビッツ

    『リビッツ!ビッグ・アドベンチャー』をプレイ

  • リビッツ

    各ステージの「ドリーマーオーブ」を集めながら進んでいく3Dアクションゲームだ

  • リビッツ

    「ヴェックス」からクラフトワールドの仲間を救い出そう

ほっこりする世界を多彩なアクションで進む

ゲームを始めてまず目に飛び込んでくるのは、美しいクラフトワールドの景色だ。毛糸の草原や、段ボールの建物、紙でできた草花など、学校の「工作の時間」を思い出させるような“クラフト感”満載のステージが、プレイヤーを和ませる。

注目すべきはその質感。画面のなかに見える毛糸や紙といった素材はまるで本物のよう。さらに、PlayStation 5(PS5)の目玉機能のひとつである「DualSense ワイヤレスコントローラー」(以下、DualSense)の「ハプティックフィードバック」の振動が組み合わさることで、毛糸や布の柔らかさ、鉄の硬さなどが伝わってくる。ステージは細かい部分までしっかりと作りこまれており、さまざまな場所を走り回ってみたい気持ちにさせた。

また、ステージに顔を出すアルパカや猿といったクラフトワールドの住人のかわいらしさもポイント。さまざまなタイミングで登場し、ゲームを盛り上げる。

  • リビッツ

    あたたかみのある“クラフト感”満載の世界観にほっこり

  • リビッツ

    毛糸の草原を走ると、DualSenseがスーッと細く長い振動を伝える。ジャンプしたあとの着地の振動は素材によって異なる

  • リビッツ

    さまざまな素材で作られたクラフトワールドは、眺めているだけでも楽しい

  • リビッツ

    ファイヤーダンスを披露するサルが登場するなど、クラフトワールドはとてもにぎやか

  • リビッツ

    もちろん、和むだけのゲームではない。ステージを進めていくと、ボスと対峙することも

アクション要素も豊富だ。ジャンプはもちろん、パンチ、ローリング、つかむ、引っ張る、飛び込み、スピン、パンチジャンプなどを駆使して、ステージを進む。さらに、特定のステージでは、ブーメランを投げたり、「プラズマシューズ」と呼ばれる装備でブラスト砲を放ったりと、バラエティ豊かな操作方法でプレイヤーをワクワクさせてくれる。

  • リビッツ

    コロコロとローリングしながら進むリビッツ

  • リビッツ

    「プラズマシューズ」を装備すると、ブラスト砲を放てるようになる

  • リビッツ

    多種多様なアクションを駆使してクラフトワールドを冒険しよう

おもしろさの真骨頂はオンラインマルチ!

ほのぼのした気持ちでプレイできる『リビッツ!ビッグ・アドベンチャー』だが、1番の魅力はなんといっても「オンラインマルチプレイ」だろう。もちろん1人で気ままに楽しむのもいい。だが、最大4人で協力して同じステージを冒険すれば、おもしろさは何倍にも膨らむ。

マルチプレイを始めるには、オプションボタンを押して「マルチプレイを始める」を選択するだけ。一緒に遊んでくれるフレンドがいない人でも大丈夫だ。マルチプレイのホストになると、野良のリビッツたちが、続々と集まってきてくれる。なお、オンラインマルチプレイをするには、PlayStation Networkアカウントとインターネット接続、PS Plusサービスへの加入が必要だ。

  • リビッツ

    マルチプレイを始めるには、オプションボタンを押して「オンラインでプレイ!」を選択

  • リビッツ

    ほかのプレイヤーの部屋に遊びにいく「部屋を探す」や、自分の部屋に遊びにきてもらう「部屋を作成する」、フレンドとプレイする「フレンドを招待」から目的のモードを選ぼう。PlayStation 4版とのクロスプラットフォームにも対応する

試しに「部屋を作成する」でホストとしてマルチプレイを始めてみると、さっそく野良のリビッツがやってきた。どうやら英語圏の女性プレイヤーのようだ。マイクがオンのままになっており、鼻歌を歌っている。おそらく、同作のほんわかした世界観が「歌でも歌いたいようなイイ気分」にさせるのだろう。

続いてエンカウントした野良のリビッツは、英語圏の男性プレイヤーだった。なぜわかったのかというと、こちらもマイクがオンのままで、独り言が聞こえてきたためだ。最後に、おそらく日本人プレイヤーであろう最後のリビッツがパーティに加わり、いざ出発。2人の英語圏プレイヤーは、お互い会話するわけでもないのに、好き好きにボソボソと何かを言っている。そう。マルチは自由だ。好きなスタイルでプレイすればいい。なお、部屋に入れるのは最大4人まで。

マルチプレイ中は、自分の気持ちを表す「エモート」アクションや、ほかのプレイヤーを「投げる」、コロコロと回転しているほかのプレイヤーに「乗る」、ほかのプレイヤーを「殴る」といった方法でコミュニケーションをはかれる。しつこいとさすがに怒られると思うので注意が必要だが、ほかのプレイヤーを変な方向へ投げて邪魔することも可能だ。

物語を進めていくと、ゲーム内でリビッツの着せ替え衣装が手に入るので、かわいく着飾った自分のリビッツを、野良のリビッツたちに披露するのもいいだろう。

  • リビッツ

    マルチプレイではほかのプレイヤーを持ち上げて、投げ飛ばすことができる

クラフトワールドには、通常のステージのほかに、ほかのプレイヤーと協力しないと進めないマルチ専用のステージが用意されている。通常のジャンプでは届かない場所へほかのプレイヤーを投げ飛ばしたり、タイミングよく交互にギミックを動かして道を切り拓いたりと、マルチならではの仕掛けが楽しい。

個人的におもしろかったのが、ほかのリビッツたちと意思疎通を取れたり、取れなかったりする絶妙な距離感。たとえば、高いところにあるボタンを押してもらうためにほかのリビッツを投げても、そのリビッツが意図をくみ取ってくれずに戻ってきてしまい、「違うそうじゃない」と思うこともあれば、自分が変な場所に投げられて「ここからどうすればいいの?」と困惑するなど、手探りで進んでいく感覚がクリアの達成感をより大きなものにしてくれた。

また、3Dのステージは1本道ではなく、さまざまな場所に「ドリーマーオーブ」や「ボーナスステージ」が隠されているため、あっちへいきたいプレイヤーと、こっちへいきたいプレイヤーが思い思いに動くことがある。そんな野良のリビッツたちに翻弄される楽しさもあるだろう。

もちろん、プレイしていて「おい、そんなところで死ぬな!」とツッコミたいこともあったし、突然殴られて「なにすんねん」と思うこともあったが、それでも、リビッツのほっこりする世界観が、どこか憎めない、不思議な空気を作り出す。

ちなみに、マルチプレイではホストプレイヤーがステージ選択を行う。ほかのリビッツたちは、ステージが決まるまでクラフトワールドをうろちょろしたり、カボチャのようなオブジェクトを殴ったりしていた。

  • リビッツ

    マルチ専用ステージでは、ほかのリビッツを高いところに投げて、そのリビッツがハンドルを回して台の高さを調節するなど、協力要素が盛りだくさん

  • リビッツ

    考えていることがバラバラだと、思うように進められないことも

  • リビッツ

    ローリング中のリビッツに乗って、玉乗りのように進むアクションも用意されている

  • リビッツ

    ステージをクリアすると記念撮影タイム

  • リビッツ

    ホストがステージを選択するまで、ゲストのリビッツはすることがないので、うろちょろしていることが多かった

  • リビッツ

    ゲーム内通貨「コレクタベル」を集めると、「ゾムゾムのお店」で衣装が買える

マルチは楽しいだけじゃなく、ゲームを進めるのにも有効

マルチでは、ほかのリビッツの世界に行く楽しみかたもある。「オンラインでプレイ!」から「部屋を探す」を選択すると、自動でプレイヤーとマッチング。プレイヤーの名前を確認したら、まだ見ぬリビッツへ会いに行こう。ただし、自分がホストでない場合は、ステージ決定権などを相手にゆだねなければならない。

  • リビッツ

    ステージ選択はホストプレイヤーにお任せ

  • リビッツ

    ほかの部屋には随時合流するので、「参加した瞬間ステージクリアだった」なんてことも

  • リビッツ

    途中から参加する場合、進むべき方向がわからないこともあるので様子見が必要

また、マルチで遊べるのは専用のステージだけではない。通常ステージやタイムアタックステージ、ボーナスステージなどもみんなで遊べる。通常ステージは、残機がマルチ用に増え、誰かが途中でやられてしまっても、チェックポイントで復活する仕様だ。

そのため、1人だとクリアできない難所があっても、マルチでは誰か1人が通過できればいい。もちろん、ほかのリビッツたちが素直にクリアを目指してくれればの話だが。

  • リビッツ

    マルチの場合、「コレクタベル」を集めるボーナスステージでは、誰が一番多く集められるか競争

マルチプレイは「ドリームオーブ」集めにも役立つ。同作では、物語を進めるうえで、特定ステージの解放に一定数以上の「ドリーマーオーブ」が求められる。各ステージにいくつも「ドリーマーオーブ」が隠されているので、それらを見つけていけばいいのだが、なかにはうっかり見過ごしまう場所にあるなど、スムーズに集められないケースも。そんなとき、有効なのがオンラインマルチプレイ。ほかのプレイヤーの部屋で手に入れた「ドリーマーオーブ」などのアイテムは、自分のものとして持ち帰ることができるので、「オーブ集め」に一役買ってくれるだろう。

実際にほかのリビッツのところへ遊びに行くと、果敢にステージを攻めるリビッツや、のんびりとステージ選択をするリビッツなど、さまざまなタイプのプレイヤーと出会うことができた。新しい部屋に行くたびに、幅広いプレイスタイルのリビッツたちとの冒険を楽しめるはずだ。

ステージと一体になった陽気な音楽がプレイを盛り上げる

同作のもう1つ大きな特徴は、ステージと連動する陽気なミュージックだ。クラフトワールドに住むキャラクターは音楽が好きなのだろう。リズムに合わせてギミックが作動したり、クラフトワールドの住人たちが音楽を奏でたりと、BGMに合わせてプレイするステージがいくつも用意されている。

ステージには敵キャラクターが至るところで待ち構えているのだが、ミュージックステージでは、敵キャラクターもノリノリ。背景やステージ装飾たちも歌って踊るのだ。さらには、DualSenseまでもが振動で小気味よいリズムを刻んでくるではないか。

リズムに合わせて地面から炎が噴出してくるギミックなどもあるので、プレイヤーも音楽に合わせたプレイを楽しめる。

  • リビッツ

    花もサルもノリノリ

  • リビッツ

    陽気な音楽と連動するステージでは、敵キャラクターもリズムに合わせて動く

そのほか、テクニックを駆使してタイムアタックを狙う「ニットナイトの試練」や、各ステージにある隠し部屋の探索、規定数以上のバブルゲットによるトロフィー獲得など、やりこみ要素も盛りだくさん。興味がわいたら、マルチに楽しいクラフトワールドの冒険に出かけてみてはいかがだろうか。

  • リビッツ

    タイムアタックステージ「ニットナイトの試練」では、時間短縮アイテムを取りつつ、いかに早くゴールできるか挑戦だ

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