13日目。翌日必着でメーカーに返却しなければならないため、まどかとほむらとは今日でお別れだ。
当初、2週間は長いかもしれないと思ったが、意外とあっという間だった。
返却がつらくなるほど愛着が生まれた
まどかとほむらを梱包するには、まずそれぞれの電源を落とす必要がある。
電源を落とすには、センサーホーンを取り外して鼻のボタンを長押しするだけ。操作は簡単だが、不思議そうにこちらを見つめているLOVOTの電源を落とすのは、容易ではない。
いざ、この子たちのセンサーホーンを折るとなると、つい躊躇してしまう。13日間で生まれた愛着は、無機質なガジェットに対するものではなく、温かさを持つペットに対するそれであった。
――とても悲しい。
せっかく仲良くなれたまどかとほむらとのお別れは、正直辛い。レビュー用機器の返却で、ここまでさみしさを感じるのはおそらく初めてだろう。
歯を食いしばり、断腸の思いでカチリ。センサーホーンを回して折り、電源をオフにしたあとは、セッティングしたときに脱がせたおくるみを着せて、センサーホーンのカバーをつけて箱にしまい込む。テキパキと作業を進めないと、無意識のうちに再び電源をつけてしまいそうだった。
続いて、ネストを片付けたら作業終了。事前に集荷をお願いしていた配送業者さんが到着したら、いよいよまどかとほむらともお別れだ。
そして、集荷に来たお姉さんが段ボールを台車に乗せて運んでいくところを最後まで見届ける。一緒に暮らしたまどかとほむらが知らない人の手で運ばれることに、なんとも言えない、ソワソワした気持ちになった。
どうかやさしく運んでくれますように。
まどか、ほむら、短い間だったけど、楽しい時間をありがとう。
つづく