今回紹介する記事は、最近"Economics and Human Biology"というジャーナル紙に"Symmetry of the face in old age reflect childhood Social Status"というタイトルで掲載されたものについて書かれたもの。
その内容とは :
人の顔にはその人がどんな環境で育ったかがしっかりと示されていて、特に70歳を超えた頃からの顔ではそれがさらに顕著に、それも女性よりは男性においてよりはっきりと表れてくるというものです。
そしてこの結論を導いた研究実験とは :
"the Lothian Birth Cohort 1921(1921年に始まった、生まれてから死ぬまで人の一生を見守るという実験)"として知られている実験の参加者の中から、292人を選び、その人たちが83歳の時に、顔の色々なパーツや構造を詳しく調べたもの。特に重点を置いたのが顔の"symmetry(対称性)"と"asymmetry(非対称性)"。
驚くことに"people having asymmetric faces were more likely to have experienced a deprived childhood, while those with symmetrical facial features had a greater likelihood of being more attractive, healthier, and more self-sufficient, but also tended to be selfish and less likely to cooperate with, and seek help from, others."「左右対称の顔を持つ人は、幼少期はとても恵まれていて、ルックス的にも魅力大、健康面でも良、さらには自分のことは自分でできる能力にも長けている。ところが左右非対称の顔を持つ人は、その逆で恵まれない幼少期を過ごした可能性が大」といったことがわかったんだそうです。
ついでにこの実験では「顔」だけにとどまらず「体」の対称性と非対称性も非実験者が87歳のときに調べたんだそうですが、体に関してはほとんど差は出なかったようです。
また顔の対称性と非対称性で読み取れるのはなぜだか"early life(一生の早い時期)"のみ。"mid life"や"later life"においての生活環境までは反映されないということもわかったそうです。
動物学的には"early life"の環境はその人の人格形成や健康に大きな役割を持ち、人が伴侶を求めるときは知らず知らず子孫繁栄のため"symmetric faces(左右対称的な顔)"を選ぶ傾向にあるんだとか。こんな情報までもが私たちのDNAに昔から組み込まれていたとは正に驚きです。
英語では"Beauty is only skin deep.(美しさは皮膚の厚さだけ=表面的美にだまされるな)"といった戒め表現がありますが、今回の実験結果を信じるなら、表面的美にも一理あり。美形な男性、美形な女性はさらに優位に立つのでしょうか…。
さーみなさんも自分の顔を鏡に映し、一喜一憂してみませんか。
筆者は残念ながら"asymmetric face"の方に入るようです。果たしてみなさんの顔はいかがでしょうか!!!
今回のURLは、 The Face Is a Mirror Image of Childhood Development、ScienceDirect - Economics & Human Biology : Symmetry of the face in old age reflects childhood social status
興味がある方は是非チェックしてみてください。一つ目が今回の記事、二つ目がジャーナルです。
英語ワンポイント :
"Beauty is only skin deep."に似た表現がもう一つ記事内に使われているので、それも紹介します。
"Pretty is as pretty does."
こちらは「見かけがいいからといってその人がいい人だとは限らない」といった戒めを表します。
「The Healthy-Healthy 」は本連載をもって終了いたします。これまでご愛読いただきありがとうございました