で、運動志向派で人気が高いと言えば「ウォーキング」と「ジョギング(長距離のランニング)」。特に「ジョギング」は東京マラソンがさらにその人気に拍車をかけたようで、全国のランナー人口は一気に上昇。都心でも多く人たちが朝昼夜(仕事前、昼休み、仕事の後)に関わらず皇居の周りをせっせと走るといった光景は今ではごくごく当たり前になっています。
そして多くの「ウォーキングやジョギング(ランニング)」愛好家たちが「準備運動」としてする「ストレッチ」。誰もが運動の前に体をほぐすことは「良し」と信じてやまないこの行為は、実は「無駄」どころか「有害」にさえなっているというのが、今回紹介する“The Journal of Strength and Conditioning Research"に掲載された記事の内容です。
記事で紹介されている実験内容は以下のとおり: “The study took 10 fit middle- and long-distance runners (all male) and had each of them do the same run on two separate days with a 72-hour recovery period in between. The researchers divided the run into two 30-minute parts, with the first testing for caloric expenditure and the second assessing endurance. One day a participant did a stretching routine before running; on the other, he simply sat quietly prior to his workout."
「健康な十人の男性長距離ランナーを対象に、2日に渡り(72時間をあけての2日)両日午前と午後、どちらも30分ずつ走ってもらう。午前の走行では「カロリー消費量」を、午後の走りでは「耐久力、持久力」を測定。1日目は、走行前に午前午後どちらもストレッチ運動をしてもらい、2日目は走行前は準備運動は何もせず、代わりにただ静かに座っていてもらう」というもの。
また、ランニングの内容は、午前の走行では「最大酸素摂取料」を65%レベルに保ちつつ同じペースで走る。午後は30分間走れるだけ遠くまで走るといったもので、午前の走行ではストレッチをした方が、参加者平均で消費カロリーが5%アップ、午後の走行では、ストレッチをしなかった方が走れた距離が平均で3.4%伸びたんだそうです。
つまり、皆さんがもしダイエットを目的として走るならストレッチは有効(笑?)かも。しかし「競技」として走るなら「ストレッチ」は無駄どころか、走る前から体に潜む能力を無意味に使ってしまう「有害行為」だと本記事は結論づけています。 その上ストレッチは“muscles(筋肉)"だけでなく、“tendons(腱)"や“ligaments(靱帯)"をも運動前に必要以上に伸び切らしてしまう恐れまであって、これが潜在能力を劣化させてしまう最大の問題点なんだそうです。
プロの指導の元でゆっくりと時間をかけて行うストレッチはある程度の効果はあるようですが、皆さんが「さーこれから走るぞ(歩くぞ)」と意気込んでするものは百害あって一利なしなんだそうです。特に有酸素運動においては…。 今回のURLは、[Pre-Exercise Stretching Is Killing Your Workout - ABC News](http://abcnews.go.com/Technology/pre-exercise-stretching-killing-workout/story?id=11835944)。興味がある方は是非チェックしてみてください。
英語ワンポイント :
因みに、体育の時間のことは英語では“physcial education class"と言い、通常はこれを短くして“Phys Ed class"とか、単に“Phys Ed"なんて言います。“phys ed"は「フィゼイ」と発音します。
そして体育の先生のことも、“Phys Ed Teacher"と言いますが、もしその先生が何かのチーム監督も兼任している場合は、こうは言わず、“Coach(コーチ)"と呼ぶのが一般的です。
ではまた次回。