喫煙への規制は、とどまるところを知らず、と言わんばかりに日々厳しさを増しているようです。以前22話でもアメリカにおいては"light、mild、midium、low"といった単語が商品名としては使えなくなったということをお話したばかり。
ところが今回は「ついにここまでやるか……!!!」というような、仰天すべき規制が"the Food and Drug Administration and the Department of Health and Human Services(食品医薬品局と保健社会福祉省)"から発表され、順調に進めば2年後2012年から施行されることになったんだとか。
で、その仰天の内容とは……??
"a new visual campaign"と称される今回の規制。2009年にアメリカ政府が国の"FDA -- Food and Drung Administraion"にタバコに関するマーケティングやラベルの指針、特定商品の廃止、ニコチン量の規制などが行える権限を与えたことから始まったもので、今回はそれらの権限を120%フルに活用して喫煙者の数を一気に減らそうというのがその狙いのようです。
そしてその中身とは"smoking can kill you(喫煙はあなたを死に至らしめる)"とか"cigarettes cause cancer(タバコはガンのもと)"といった強烈な文言と一緒に、つい目を背けたくなるようなガン患者の死体や喫煙から真っ黒になった肺の写真などをタバコのパッケージに載せようというもの。
スタートとして先ず以下の九つの文言に、色々な写真と組み合わせた36パターンが用意され、一般公募で集められる国民の意見も参考にしつつ2011年6月までに最終候補と最終基準を決め、それから15カ月の猶予期間の後に施行となるんだそうです。
new textual warnings
ビジュアルの候補に挙がっている写真は上述のリンクをクリックしても見ることが出来ますが、もっとクリアーでインパクトのある写真を見てみたいという人は<33 New Terrifying Tobacco Warning Labels Pictures - CBS News>をクリックしてみてください。写真は全部で33枚あります。ただしどれもかなりショッキングなものなので、見るときは心して見てください。
いかがですかこんなタバコのパッケージ?
アメリカではこれらが2年ほどで街中にあふれることになるんですが…!!
ところが実はこういったパッケージ、世界的には決して新しいものじゃないんです。2000年にカナダがショッキングな写真付きタバコパッケージを採用したのを皮切りに、今ではオーストラリア、ブラジル、インド、エジプトなど、何と30以上の国と地域で採用済。採用されている写真も"dead premature fetuses(成長しきれなかった胎児の死体), post-autopsy cadavers(解剖後の死体)"などかなりグロテスクなものばかりです。(こちらに興味がある人は <Home>をクリックして、ページ左にある国名を選択してみてください)
今回アメリカがこのような過激とも思える内容のキャンペーンを決断したのには、毎年443,000もの尊い命が喫煙によって失われているという事実があるから。そして施行済みの多くの国での喫煙者の驚くべき減少実績があるから。
喫煙者の皆さんも、非喫煙者のみなさんも、どうですか、一緒になってタバコを止める努力を、本気で考えてみませんか……このような写真付きタバコパッケージが日本にも上陸する前に…。
今回のURLは、
Cigarette Packs to Show Corpses, Cancer Patients (PICTURES) - Health Blog - CBS News。
興味がある方は是非チェックしてみてください。
英語ワンポイント :
日本語で「キャンペーン」といえば、新商品の商業宣伝といったイメージが強いですが、、英語の"campaign"はというと商業宣伝に加え「組織的運動や活動、軍事作戦」など「何らかの策をこうずる」といった様な意味で幅広く使われるので、
商業(販売促進)宣伝は、advertising campaign/sales campaign
選挙(政治)運動は、election campaign/electoral campaign/political campaign
軍事作戦は、military campaign
などのように表されることがよくあります。
ではまた次回。