アメリカでは今年の7月(正確には6月の終わり)から、タバコのパッケージでの「あたかも体に優しい、健康への害が少ない」といった間違った印象を与えかねない "light、mild、midium、low"といった言葉の使用が禁止になるなど、ますます厳しい状況にあるタバコ業界にあって、唯一気を吐いているのが"electronic-cigarettes(略して、e-cigarattes)"と呼ばれるもの。

3年ほど前から見かけるようになったこの商品、見た目は正にタバコ。味もタバコに近く、ニコチン感もバッチリ。その上タバコに含まれる成分の中ではもっとも危険と言われている"carcinogen(発癌性物質)"もなし。これだけ聞けば、愛煙家でなくても「へー、結構安全なんだ、なら近くで吸われても問題なしかな…!?」とも思えたり……。

しかし、この愛煙家にとってみれば"miracle(奇跡)"とも"lifesaver(救世主)"とも思える商品が、今大きな論争を巻き起こし始めているんです。

"health authorities are wary of e-cigarattes and already several states, including New Jersey, New York, and New Hampshire, have made moves to ban them."とあるように、「保健局や保健機関などが慎重な態度をとる中、ニュージャージーやニューヨーク、ニューハンプシャーを含む幾つかの州では廃止に向けての運動がスタート」するなど、対立は日に日に大きくなっているようです。

賛成派&愛用者の意見:

・e-cigarattesにはタバコのヤニも無ければ、キツい化学薬品も含まれていない。その上本物のタバコに見られる副作用も無し。

・ニコチンは含まれているが、ニコチン単独ではそれほどの害は及ぼさない。

・FDA(米食品医薬品局)の調べでは"carcinogens(発癌性物質)"は基本的には検知出来ず、あったとしても微量と報告されている。

・利用者の多くは e-cigarettesを使い始めて数週間で肺の機能や臭覚が向上したと報告している。これは通常は完全に禁煙した人たちのみが感じ得ること。

反対派&行政側の意見:

・米国癌協会をはじめ多くの保健局や組織などは「まだ詳しい検査や調査が行われていないものに対し、安全なものとして販売するのはFDA(米食品医薬品局)の基本ルールに反する」と述べている。

・FDA(米食品医薬品局)の検査によると、現在販売されているe-cigarettesの一銘柄から、通常"anti-freeze(不凍液や不凍剤)"に含まれる"diethylene glycol(ジエチレン・グリコール)"という危険物質が検出された。

・e-cigarettesには従来のタバコが持つような毒性は無いにしても、ニコチンという覚醒成分が含まれている限り、ニコチン中毒につながる恐れは否めない。

・e-cigarettesにはチョコレートやチェリー、モカ、アーモンド味もあり、さらにはインターネット上で簡単に買えてしまうという点から未成年者への普及が懸念され、より刺激を求め従来のタバコに進む恐れもある。

とまーこれらが両者の主な意見。

最近では日本でもe-cigarettesは販売されており、愛用者も増えているとか。

愛煙家の皆さん、もしやめるなら、あなたはスッパリやめますか? それともe-cigarettesに頼りますか?

また、タバコを吸わない人たちはどうなんでしょう。e-cigarettes認めますか? それとも……??

今回のURLは、Electronic Cigarettes: A Safer "Smoke" or Another Bad Habit - ABC News。興味がある方は是非チェックしてみてください。

英語ワンポイント:

I wish you wouldn't

I'd rather you didn't

これらはどちらも「そうしてもらわない方がいいんですけど」というもの。"Do you mind if I smoke?"「タバコすってもいいですか?」と尋ねられたときなど、柔らかく断りたいときには便利な表現です。

ではまた次回。