経済的に独立し、早期リタイアを目指す「FIRE」。お金や投資の学校である私たちファイナンシャルアカデミーの門戸をたたく受講生からも「FIREを目指して投資を学びたい!」という声がよく聞かれるようになりました。

日々の労働に縛られることなく、自由に人生を謳歌できるFIRE。ただ、その実態を見てみると、落とし穴とも言えるいくつかの弱点に気づきます。

連載最終回の今回は、進化版FIRE「パラレルインカム」で叶える「経済的自由と自分らしい人生の築き方」について具体的方法をお伝えします。

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経済的自由を得るための「方法」を間違えるなかれ

前回までの記事で、現在主流となっているFIREの課題点として「何十年と節約生活が続くこと」「インデックス型の投資信託では、お金を作るのに時間がかかりすぎること」「リタイアが目的になってしまうと、経済的自由を得たあとに生きがいを見いだせないこと」などをお伝えしました。とは言え「今の仕事を何年も続けるなんて先が思いやられる! このラットレースから卒業したい!」とFIREを望む人は多いことでしょう。

そこで私たちファイナンシャルアカデミーがみなさんに提案したいのが、進化版FIREとも言える「パラレルインカム」です。FIREに比べると、ずっと短い期間で経済的自由を達成でき、経済的自由を得たあとの生きがいをも追求する考え方です。生活するための仕事「ライスワーク」を卒業し、自分らしい「ライフワーク」に憧れる人には、うってつけの方法です。

一般的なFIREと大きく異なるのは、まずその「方法」です。FIREでは節約して軍資金を作り、それをインデックス投資でじっくり増やします。決して悪い方法ではありませんが時間がかかります。それに対してパラレルインカムでは、「知識」と「効率」をうまくかけあわせて、5年~10年という短期間で経済的自由の達成を目指します。

最初に労働収入から軍資金を作るところは同じです。この段階は人によっては、我慢が必要かもしれません。一般的なFIREではこの段階が長く続くわけですが、パラレルインカムの場合、30万~50万円を目安に、次のフェーズである「株式投資」に移行します。個別企業の成長力を武器に、効率的に増やすフェーズです。

もちろん、勘や断片的な知識だけで投資をすれば、資金を減らしてしまうこともあるでしょう。ですが、しっかりと知識を身につけて実践すれば、1~2年程度でも次のステップに必要な軍資金を作ることは十分可能です。ここで目指してもらいたい最初の目標は、ズバリ300万円です。

300万円ができたらどうするのか。この段階で登場するのが「不動産投資」です。不動産投資と聞くと、お金持ちのものだ! と思われる方もいるかもしれませんが、金融機関からの「融資」を使えば、実は100万円程度の持ち出しからでも投資は可能です。ここでは、300万円の資金のうち、半分の150万円を自己資金にして500万円程度の物件を購入します。残りの150万円は、引き続き株式投資で増やしていきます。

もちろん、最初に500万円の物件を取得した段階では、定期的に家賃収入が入るとはいっても、経済的自由を得るには心許ないはずです。ですがここであなたは「不動産投資家としての実績」を手に入れられるのです。良い物件を選べれば「不動産投資家として見る目がある」と金融機関にも評価され、次の物件の融資もスムーズに運ぶことでしょう。

つまり、一度物件を手に入れてしまえば、融資の力を使って持ち出しを抑えながら、お金が定期的に入る仕組みを得られるようになるのです。安定的に収益を得られる物件を複数所有すれば、経済的自由の獲得はすぐそこです。

ファイナンシャルアカデミーの受講生で、経済的自由を獲得した人たちの多くも、「給与収入から元手を作る→株式投資→不動産投資」というステップを踏んでいます。もちろん、すでに300万円以上の貯蓄がある人は、いきなり不動産投資からスタートしてもOK! 株式投資で資金を増やすのが得意な人は、300万円と言わず、1,000万円、1,500万円まで増やしてから不動産投資に移行するのでもOK! です。

ひとつ言えることは「融資」を活用できる不動産投資は、インデックス投資で15年、20年という時間をかけてコツコツ積立するよりも、大きな資産を築く上ではるかに近道であるということ。当然、大きな買い物である以上、知識やノウハウは必要ですが、ぜひ賢く経済的自由の達成を目指してほしいと思います。

FIREする前に「ikigai」を考えておく

憧れの経済的自由の獲得とあわせて、みなさんにぜひ考えておいてほしいことが、もうひとつあります。それは「経済的自由を達成したあと、何をしたいか」ということ。この問いにパッと答えられた方は、経済的自由の獲得に向け、邁進していただいて問題ありません。しかし「窮屈な仕事からとにかく抜け出したい」「仕事を辞めたら、たくさん旅行をしたい」といった短期的な目標しか思い浮かばなかった方は、ぜひ「生きがい」についても、今から考えてみてください。

「生きがい」と聞くと、どこか古めかしい響きに感じる人もいるかもしれませんが、実は欧州では「ikigai」という新たな言葉になり、「社会に対して利他的に貢献することで得られる幸福感」といった意味合いで使われています。私たちが提供する『パラレルインカム実現スクール』でも、生きがいの見つけ方は、授業後半に時間をかけて向き合う重要なテーマ。「ikigai」を持つことこそ、経済的自由を達成したあと、幸せに生きるための秘訣なのです。

「ikigai」を見つける上で重要になるのが、自分にとっての「好きなこと」「得意なこと」「稼げること」「世間が必要とすること」という4つを認識すること。これらが重なりあうことは、自分にとって楽しく得意で、お金にもなるし、世間から求められることであり、生きがいとなり得るのです。

会社員生活にどっぷり浸かった毎日を過ごしていると、なかなか自分の生きがいに気づけずにいる人も少なくないでしょう。だからこそ、お金を作りながら、目の前の仕事や日常生活の中で、自分にとっての「好きなこと」「得意なこと」「稼げること」「世間が必要とすること」を意識し、「生きがい」のタネを探すことが重要です。不思議なもので、これらについて意識をしていると、会社員としてのアウトプットの質が上がり、給料やボーナスがアップしたり、条件の良い職場に転職できたりすることも。その結果、経済的自由の実現もぐんと近づくのです。

リタイアを目的とせず、その先の人生をも考えるからこそ生まれる、仕事と投資の良い循環。パラレルインカムで目指す境地は、ここにあります。経済的自由の獲得に興味を持ち、ここまでこの連載を読んでくださったあなたなら、パラレルインカムな人生を実現できる可能性は十分にあります。あとは行動するかどうか。それだけなのです。

ファイナンシャルアカデミー

お金の教養を身につけるための「総合マネースクール」。2002年の創立以来、東京校・大阪校・ニューヨーク校・WEB受講を通じて19年間で延べ60万人が、貯蓄や家計管理といった生活に身近なお金から、資産運用、キャリア形成、人生と社会を豊かにするお金の使い方までを学んでいる。現在、労働所得と資産所得という「2本の収入の柱」で経済的自由を獲得し「好きなコト」で人生を創り、自分らしく生きることを目指す「パラレルインカム実現スクール」などを開講している。