ボーナスも減って家計も苦しい状況の中、無駄なコストは1円でも払いたくないというのが今や共通認識でしょう。無駄なコストの代表選手がATMの手数料。毎月のお給料日のお昼休みや夕方の時間帯には、手数料をかけたくないと、大手銀行ATMの前に長蛇の列ができています。みなさんも、仕方なく列の最後尾に並んだ経験があるのではないでしょうか?
でもちょっと待ってください。自社ATMで時間内にお金を引き出さないと、本当に必ず手数料をとられるのでしょうか?
今回はみずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の大手3行について、すこし具体的におトクなATMの使い方を探ってみます。現状、大手3行に口座がある場合、ATMを利用すれば平日(月曜日~金曜日)は朝8時45分~夕方6時まで手数料0円でお金を引き出せます。それ以外の時間帯の引き出しだと、時間外手数料として1回あたり105円(銀行によっては時間帯により210円のケースもある)がかかるというのが一般的。だからこそ無料の時間帯に利用する人が集中してしまうわけです。
大手銀行は「自社ATM以外を利用すると、手数料がかかって損」と思っている人は多いですが、実際は、コンビニATMが無料で使えるケースがどんどん増えているのをご存じでしょうか? そのためには、銀行の特典サービスに加入するなど、手続きをする必要があります。ただし、そうした特典を受けるための条件は、ほとんどの人がクリアできるもの。コンビニATMを無料で使えれば、長蛇の列に並んだり、深夜や休日に出金に困ったりすることもなくなります。手続きをしていないと、本当に時間もお金も損してしまいます。各行で、どんな手続きをすればいいのか3行それぞれについて見てみましょう。
大手銀行会員サービスに加入すれば、コンビニATMでも手数料無料の時間が
※平日0:00~8:45 18:00~24:00 時間外手数料/平日8:45~18:00利用手数料/土・日・祭日時間外手数料および利用手数料の順に記載 ※イーネットATM、ローソンATM、セブン銀行ATMが対象 |
みずほ銀行「みずほマイレージクラブ」契約の場合、定期預金10万円を作っておく
みずほ銀行は、自行ATM以外に、イーネット(ファミリーマート、ミニストップ等)、ローソン、セブン銀行の各コンビニATMとPatsat、イオン銀行、ビューアルッテなどが利用できます。そのなかで、平日日中の手数料が無料になるのはPatsatのみ。コンビニATMはお金の引き出すのに、平日(8時45分~18時まで)で105円、それ以外で210円の手数料がかかります。それが、特典サービス「みずほマイレージクラブ」に加入すれば、コンビニATM(イーネット、ローソン、セブン銀行)の利用手数料、時間外手数料とも無料、つまり24時間無料でお金が引き出せるようになります。
マイレージクラブに加入して、コンビニATMの手数料が無料になるためには、
- 毎月の(普通預金や定期預金を含む)各種預金の月末残高が10万円以上ある
- 住宅ローンを利用している
- みずほマイレージクラブカード(クレジットカード)でのショッピング額が年間10万円以上ある
の3条件のどれかをクリアしていればOK。毎月の判定になるので、10万円の定期預金を作って預けておけば、コンビニATMがいつでも無料で使えるわけです。
三井住友銀行「SMBCポイントパック」契約者はWeb通帳の愛用を
三井住友銀行の場合には、am/pmに設置している@BΛNK(九州地区を除く、以下同じ)、コンビニATM(イーネット、ローソン、セブン銀行)、ビューアルッテが利用可能。このなかで、@BΛNKのATMは、同行ATMと同じように平日8時45分~夕方6時まで無料で現金の入出金が可能です。また、同行独自のサービスで毎月25日と26日は銀行ATMおよび@BΛNKの時間外手数料を無料にしているのも注目。お給料日の日中はATMが混雑しがちなので、少し時間をずらして利用したいという人にもありがたいサービス。夜間や早朝などでも手数料を気にせず利用できるので是非覚えておいてください。
三井住友銀行にも、「SMBCポイントパック」という特典サービスがあり、これに申し込んである一定の条件をクリアすれば、ATM時間外手数料もコンビニATM利用手数料も無料になります。「SMBCポイントパック」は、残高に応じた金利を適用する「残高別金利型普通預金」と「インターネットバンキング(SMBCダイレクト)」を契約すると、ポイント付与や手数料割引の特典が受けられるサービス。次の6条件のどれかをクリアすると、翌々月のATM時間外手数料とコンビニATM利用手数料が無料になります。条件は、
- 当月末の合計資産(円預金・外貨預金・投資信託等)が30万円相当額以上
- 当月末にWeb通帳の契約がある
- 当月末に住宅ローンなどローンの借り入れ残高がある
- 給与受取または年金受取と積立の実績がある
- 当月に「SMBCポイントパック」契約口座から三井住友カード利用代金の引き落としがある
- 当月末にカードローンの契約がある
の6つ。月末残高30万円をクリアするのがむずかしければ、一番カンタンなのは、Web通帳を利用すること。通帳をWeb通帳にするだけで、コンビニATM利用手数料がいつでも無料になるなら、利用しない手はないでしょう。
三菱東京UFJ銀行「メインバンク」総合サービス契約者は50万円の定期預金を
三菱東京UFJ銀行は、多くのコンビニATMと提携しており非常に利便性が高いのが特徴。セブンイレブンなどに設置のセブン銀行ATM、ローソンATM、ファミリーマートなど複数のコンビニに設置しているE-net ATMが利用できます。しかも平日の8時45分~夕方6時まで現金の出し入れは無料。銀行ATMと同じ感覚で使うことができます。さらにPatsatでは平日の同じ時間帯に加え、土曜の9時から午後2時までも引き出し手数料が無料となっています。
さらにコンビニATMの時間外手数料を無料にしたければ、同行の「メインバンク」総合サービスを契約し、ある一定条件をクリアすれば、特典として受けられます。「メインバンク」総合サービスは運用資産残高と取引状況によって、5段階のステージが設けられており、ステージに応じた優遇が受けられます。コンビニATM時間外手数料無料の優遇を受けられるのは、原則ステージ3以上(契約月を含む当初12カ月間は残高・取引状況にかかわらず無料)。ステージ3をクリアするには、(1)運用資産残高50万円以上、(2)スーパーICカード(クレジットカード機能)・ICクレジットカードの引き落としがある(3)目的別ローン等の無担保ローンの利用がある、のどれかを満たしている必要があります。思い切って50万円の定期預金を預けるか、もうひとつ上のステージ(ステージ4)の条件になっている投資信託の積立を始めるのも、優遇を受けるにはいいかもしれません。なお、平成22年1月10日より「メインバンク」総合サービスは「メインバンク プラス」にサービスの名称および内容が変更となります。詳しくは同行ホームページで確認を。
このように、各行条件は違いますが、コンビニATMを無料で24時間使うための手続きは、それほどハードルは高くなさそうです。時間外利用手数料を気にせず、いつでもどこでもお金を引き出せる賢い利用法をあなたもぜひ実践してみてください。