新型コロナウイルスが世界経済まで肺炎状態にさせる中、閉店、倒産、リストラの声があがりはじめ、40代はリストラの陰に怯えているでしょう。ご安心ください。これからの時代の「40男に求める要件」をつかめば、大丈夫です。

テレワーク等、新しく身に付けなくてはいけない知識やスキルもありますが、今まで培ってきた強み、経験、スキルの売りを捨て、新たに組み立て方をガラリと変え、今の時代に合わせれば簡単です。ただ、掘り起こしにはコツと時間が少々かかります。

この連載では、40男が「いつまでも転職できる武器」を手に入れ、不測の事態に備えるコツを解説します。

  • 転職で使える「自分の持ち味」を把握していますか?

人より早くできることを因数分解してみる

前回の記事では、強みより持ち味で勝負することで「一人勝ちできる土俵に乗ろう」という転職術を解説しました。今回は、その持ち味を「ありがとうの声」以外で探る方法を紹介します。

一つは、「人より速く、容易に、そして飽きずにできる」ことを書き出す、です。これによって、自分の持ち味の要素を洗い出すことができます。

コツは簡単。できることを細かく、どんどん書き出してればいいのです。やってみましょう。

・暗算が速い
・パソコンの操作や事務作業が速い
・どんな人ともすぐ友達になれるなど

自分の資質に沿って無意識にスラスラやっていることを書き出すのがファーストステップです。そして、「速く」「容易に」できることには、ある資質が見え隠れしています。

つまり、ある作業の本質をつかむのが速いからこそ、速くできる。「どこにポイントを置き、どこを省略するか」といったコツを無意識のうちに会得していると言えます。

人より早くできることを因数分解してみる

次に、書き出したものの中に眠る資質を洗い出してみましょう。どんなポイントがあるのか、因数分解してみれば浮かんできます。

・暗算が速いのは瞬間的な記憶力が高い
・パソコンの操作や事務作業が速いのは機器の扱いとルーチン化が得意
・どんな人ともすぐ友達になれるのは感受性が高く、相手の興味に沿って話せるなど

このように理由を書きだしてみると、どんな資質を持っているのかが見えてきます。「すぐに友達になれる」の理由も人によって違います。

例に挙げた「感受性の高さや対人理解力」ではなく、「(自分を)絶対に受け入れてくれるという自己肯定感が高い」という理由を出す人もいるかもしれません。正解はありません。「こういう理由」ではないかと思えるものがあなたにとっての正解です。

コンプレックスや欠点を魅力に変換する

そうは言っても、日本人は謙虚な人が多いので、人より速くできること、と言われても中々出てこないことが多いもの。ここは逆に考え、自分の欠点やコンプレックスを書き出して、いい意味に置き換えてみれば良いのです。

人は優れた面より、苦手な部分を意識しやすいもの。苦手が多いということは、それだけ秘めた資質が多いという見方ができます。早速やってみましょう。

最初に、自分の嫌いなところや欠点を書いていきましょう。人はたくさんのコンプレックを抱えて生きています。「良い面」と比較し、不思議なくらい、たくさん数が出てくるでしょう。

例えば

・神経質
・ずぼら

次に、その欠点の下に「いい意味で」と書きます。 事実は一つでも、とらえ方により、ポジティブにもネガティブにもなるものです。不思議なもので、嫌いなところやコンプレックスの中から「いい意味で」と逆の視点から捉えると一瞬で魅力となる要素がスルスルと出てくるのです。

やってみましょう。

・神経質 →「いい意味で」
・ずぼら →「いい意味で」

その下に、実際に欠点をいい意味で置き換えた言葉を書いてみてください。

・神経質→「いい意味で」→「細かなことに気付く」、「人の気持ちを敏感に感じ取る」、「トラブル時に一番素早く動く」など
・ずぼら→「いい意味で」→「前向き」、「打たれ強い」、「細かいことは気にしない」など

いい意味で再解釈することで、自分では気付かなかった魅力を引き出してくれる魔法の変換装置です。

コンプレックスや欠点を魅力に変換する

実際に書き出してみると分かりますが、ポジティブな資質は他の人とかぶります。特に同業界の同職種になると、業務プロセスやコツが一緒ですから、そこで経験を積み重ねると似通うことを避けられません。そこで、この「いい意味」で変換された欠点を魅力として使うのです。

それにポジティブな資質で自分を振り切るならGACKTさんくらいまでの達人でないと厳しいです。GACKTさんはキャラを「振り切り過ぎる」ことで、逆に面白い! という持ち味を出す高度なテクニックを使っています。

これは例外です。私達はみんな普通の人。自分らしい魅力を出すには、GACKTさんを目指すより、コンプレックスを逆手に取るような、ホンジャマカの石塚英彦さんを目指すほうが良いでしょう。

勇気を出して、自分の欠点、嫌いなところを書き出し、いい意味で変換してください。勇気を持てる言葉がたくさん出て、コンプレックスを乗り越える機会にもなります。今のまま、そのままの自分でOK。

捉え方と見せ方を変えればいいことに気付きます。独自の売りが見つかる上に、自分に対してポジティブになれ、元気と自信が沸いてくるのでお勧めします。