ゴールデンウィークも終わり、日常に戻るのには心身ともに負担がある……という話をよく耳にします。その負担を大きくしているものの一つがお財布の中身、というのも実はよくある話。
楽しく連休を過ごしたものの、気付けばお財布が軽くなっている現実に、余計に疲れが増してしまうという現象です。今回は、散財タイプと疲れ具合によってタイプA、B、C、Dに分けて処方箋(筆者作成)をお届けします。
タイプ分け
まずは疲れ具合を考えてみましょう。「連休明けでも以前と変わらずまぁまぁ仕事をしています」という方は横軸の右側、「元気」寄りです。一方で「もしやウワサの5月病というものかもしれない……」という疲れを感じている方は横軸の左側、「ぐったり」寄りになります。
次に散財具合を考えてみましょう。「次の給料日までは何とかなりそうだけれど、予定以上に使った」という方は縦軸の上、「プチ散財」寄りです。「次の給料日まで持たないかもしれない……」というほど使ったという方は縦軸の下、「大散財」寄りになります。
今回は、「元気&プチ散財」の方はタイプA、「元気&大散財」の方はタイプB、「ぐったり&プチ散財」の方はタイプC、「ぐったり&大散財」の方はタイプDとタイプ分けしましょう。
タイプA「元気&プチ散財」の方への処方箋
何がプチ散財の原因となったのかを書き出してみてください。書き出したものを、「特に後悔ない」というものと「これは使わなければよかった」というものに分類してみましょう。「特に後悔ない」というものは、次の連休でも使う可能性が大きいもの。次の連休の予算は今までより少し多めに考えておきましょう。
タイプAの方は、「軽くなったお財布でも乗り切るぞ」と楽しかった連休中の思い出を胸に、ランチの大盛りは我慢、ペットボトル1本分は家からお茶を持っていく、など毎日少しずつ節約をしながら給料日まで過ごしてください。
タイプB「元気&大散財」の方への処方箋
大散財したからには何か使った記憶があることでしょう。つい後輩に無理をしておごってしまった、デートでいいお店に毎日通っていた、朝まで飲み歩いた……などでしょうか。ちょっとだけ反省しておきましょう。今後の連休では、使いすぎないように工夫が必要です。使っていい分だけの現金を持っていき、クレジットカードは家に置いていくようにしましょう。
給料日まで生活がままならないタイプBの方は、貯蓄を取り崩すしかありません。ただし、必要だと思う額より少なめに取り崩して給料日まで節約に励んでください。
タイプC「ぐったり&プチ散財」の方への処方箋
散財したことは忘れてください。お金のことを考えると疲れが増すだけです。ボーナスでつじつま合わせをしたらいいだけの話です。それよりも元気になることを考えてみましょう。連休でふだんとは違う生活をした疲れを取るために必要なのは休息です。衝動買いや気分を盛り上がるために飲みに行くのではなく、早く家に帰って早く寝ましょう。
疲れが取れて元気になってきたかな……と思ったら、日常に戻る前にタイプAの方への処方箋を読んでみてください。
タイプD「ぐったり&大散財」の方への処方箋
使ったお金は何をどう考えても戻ってきません。それよりも、買った物やお金を使ったことを生かすことを考えましょう。衝動買いをしたのであれば、買った物を使えばいいだけです。そうすると、衝動買いであっても、「無駄遣い」にはなりません。何かに使ったのであれば、それは正にプライスレス。楽しかった気持ちや、相手の笑顔を思い出してみてください。
タイプDの方は、給料日までの必要な額を貯蓄から取り崩しましょう。せっかく貯めていたお金かもしれませんが、お金は使うためにあるものです。元気になってきたかな……と思ったらタイプBの方の処方箋を読んでみてください。
連休中は自由な時間が多い分、何かとお金を使うことが多くなります。お財布の中身に心が振り回されることのないように、次回の連休には前もって予算を立ててみましょう。
国分さやか
創価大学教育学部を卒業後、旧日本興業銀行の保険代理店や政府系金融機関に従事。"得をする方法を知りたい!"という一般生活者が多いものの、実は金融知識の不足から損をしている場面、しかも損をしていることにすら気付かない場面があまりに多い現実に問題意識を抱く。これを解消することを決意し、金融教育に携わる仕事を希望してFPの資格を取得。金融資産が増やすことだけでなく、幸福度数も増えることを大切にしている。現在、個人相談業務と並行して、金融の基礎知識を学ぶためのセミナーやFP資格講座、高校・大学、企業への出張講義などで活動中。
2013年
・第4回日本一のマネー講師決定戦E1グランプリにてグランプリ受賞
・第4回FP向上のための小論文コンクールにて奨励賞受賞
2014年
・三省堂より初めての出版(その後、学研出版等より計5冊の出版)
・日本FP協会電話相談員
・資格の学校TAC専任講師
2015年
・NHKラジオ「午後のまりやーじゅ」「ごごラジ!」お金のコーナー担当
2016年
・日本FP協会パーソナルファイナンスインストラクター
<保有資格>:CFP、FP技能士1級、相続アドバイザー2級、小学校教諭第一種、幼稚園教諭第一種