漫画家・羽海野チカによる大ヒット漫画『3月のライオン』。将棋界を舞台に、プロ棋士である1人の高校生・桐山零が、壮絶な過去を持ちながらも周囲の人間との関係を深め、成長していく。個性豊かなプロ棋士達、零と交流を深める下町の川本家の姉妹たち、零の育ての親である棋士・幸田家の家族など、それぞれのキャラクターの背景や思惑がより合わさった人間ドラマが2部作として映画化され、すでに前編が3月より上映中、後編も4月22日より公開となる。
今回は後編公開に合わせて、主演の神木隆之介、メガホンをとった大友啓史監督、アスミック・エースの谷島正之プロデューサー、3人それぞれの視点から同作を語ってもらった内容を、2週間にわたり掲載。自身も子役として幼い頃から活躍する主演・神木隆之介との共通点は。
お芝居という居場所を守りたい
――『3月のライオン』を観ていると、幼い頃からプロとして活動されてる神木さんの姿が重なるようでした。神木さん自身はこれまでに葛藤や苦悩はありましたか?
僕は、目の前のお仕事を着実に頑張っていければいいという考えですし、気楽な性格ということもあり、ずっと楽しかったです。とても苦しんだことは、あまりないかもしれないです。
もちろん、中学生の時に舞台挨拶についてすごくダメ出しされたり、バラエティー番組で何を言おうかといったことには、苦しんでいました(笑)。それは役者なら誰でも通る道ではあると思うので、特殊なことではないと思います。お芝居が好きなので、お芝居ができることが幸せです。
――ちなみに、先日は初のお渡し会もされたとお聞きしまして。俳優さんってファンの方と会ったりする機会が少ないのかなと思っていたのですが、いかがでしたか。
楽しかったです。舞台挨拶でも、ファンの方と直接コミュニケーションを取れることはあまりないんです。昨年末に「HANDSOME FESTIVAL 2016」を行ったのですが、ステージと客席とでは聞けなかった一人一人の声を、お渡し会の時に聞くことが出来て、嬉しかったです。
――そこで何かユニークな質問などはありましたか?
「写真集おめでとうございます! おすぎさんとピーコさん、どっちが好きですか!?」と聞かれて、「ここで!?」とびっくりしました(笑)。「どちらもお会いしたことはないですが、映画でお世話になっているから、おすぎさんでしょうか……」と答えたら、「わかりました!」と答えてくださったりと、楽しかったです(笑)。
――お芝居を好きだという神木さんですが、自分は何かのために働いている、闘っているということはありますか?
お芝居しかしたことがなく、居場所がここにしかないと思っているので、頑張らないといけないなと思います(笑)。お芝居が好きなので、なんとかお芝居ができたらな、という想いで自分の居場所を守るために闘っている、というのはあるかもしれません。
(C)2017映画「3月のライオン」製作委員会