2月に発売予定の液晶ペンタブレット「Cintiq 27QHD」。今回は、新搭載されたワイヤレスコントローラー「ExpressKey Remote」について、試用してわかったことをレポートしていく。

歴代のCintiqやIntuosでは、様々なファンクション機能が採用されてきた。画面の操作をより快適にするための工夫の歴史だが、今回27QHDで初めて採用された新しいアプローチがExpressKey Remoteだ。

これは従来、本体盤面上に配置されていたファンクションキー、スクロールエリアを、リモコンタイプのデバイスとして独立させ、本体と無線で接続するというもの。独立させたおかげで、本体は一枚ガラスのシンプルなデザインが実現し、またファンクション機能もより進化した。

リモコンタイプの新コントローラー「ExpressKey Remote」。金属の筐体で、重量感と高級感がある

このコントローラーはCintiq本体にマグネットで貼り付けておくことができる。右利きでも左利きでも、好みに応じてレイアウトできるというわけだ。さらに、リモコンのように手で持ったり、画面の天地に置いたりと、従来のコントロールエリアよりも飛躍的に自由度が増した。

本体画面サイドにマグネット部分があり、ExpressKeyを貼り付けて置ける

ボタンを17個搭載

ExpressKey Remoteには、タッチホイールと17のファンクションキーがレイアウトされている。タッチホイールは、Cintiq 24HDやIntuosでお馴染みのもの。センターボタンにより、3つの機能(デフォルトでは画面拡大、回転、ブラシサイズ変更)がホイール操作で行える。

圧倒的なのは、17個配置されたファンクションボタンだ。24HDで片側5個ずつ、22HDで片側8個だったので、倍増以上だ。これだけの数があれば、自分のワークフローに合ったショートカットを設定するのに十分だろう。また、縦横自由に配置できるので、オプション、シフトなどの修飾キーと、任意の文字をそれぞれのボタンに設定し、ボタンをふたつ押す「キーボードショートカット」と同等の使い方もできる。

さらにExpressKey Remoteは最大5台まで、同時に接続できるという。旧来のCintiqのように、画面の左右両側にコントローラーを貼り付けることができるというわけだ。特に使いやすいと感じたのは、ホイール周辺に配置された5つのボタン。3つのLEDがデザインとして印象的で、ボタンの位置を覚えやすい。ホイールと近いので誤操作してしまいそうだが、ボタン部分ははっきりと盛り上がっているので、慣れればその心配はないだろう。

ファンクションの設定画面。従来のファンクション同様、様々な機能を設定できる

ホイール部分は立体的で、誤操作を防ぐ工夫がなされている

ExpressKey Remoteは充電式で、本体横のUSBサービスポートから充電する。また、しばらく使っていないと自動でスリープになる(有線接続時も)。本体下面のスライドスイッチを操作すると即座に操作できるのだが、これがやや煩雑だった。ペン操作が続いている時はスリープしないなど、改善の余地があるだろう。今後のアップデートを期待したい。

次回はもうひとつのファンクション機能である、タッチ機能についてレポートする。