2月に発売予定のCintiq 27QHDは、ワコムの液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズの最新モデル。シリーズ最大サイズの27インチ画面を採用した、最高峰モデル。

着脱式のコントローラーを備えた液晶ペンタブレット「Cintiq 27QHD」

これまで本体に配置されていたファンクションキーを一切廃し、着脱式のコントローラー「ExpressKey Remote」を採用。また内蔵式スタンドを採用するなど、意欲的なモデルだ。今回、発売前の評価機を一週間お借りできたので、実機を使ってみてわかったことをレポートしたい。なお、試作モデルでの試用なので、実際の製品では変更されることがある。

気になるサイズ

レビューの話が来た時に真っ先に気になったのが本体サイズだ。既存のCintiqは13インチ、22インチ、24インチの3モデル。24インチでも本体サイズは相当に大きかった。そこからさらに画面が大型化するということで、まずサイズが気になる。27HDの本体サイズは770×465×54.5mm。このサイズは実は既存の24HDと表面積はほぼ同じ、厚みは1cm薄くなっている。本体サイズはそのままで、画面のみ大型化したわけだ。これはうれしい。

さらにスタンドを含まない本体重量はなんと、16.7kg(24HD)から9kgと、大幅に軽量化された。これにより、本体には折りたたみの「脚」が内蔵され、スタンドなしの本体のみでの利用も可能となった。そのため、スタンドは別売りとなっている。

自宅に届いたのは超巨大な箱がふたつ。玄関が箱で埋まってしまった。本体は約9kgと軽量化されたが、別売りの専用スタンドは16kgと重量級だ。筆者はなんとかひとりで開梱、設置できたが、女性の場合はひとりで設置は難しいだろう。スタンドも購入する場合は、ワコムストアの設置サービスを利用することをオススメする。

玄関を占める巨大な箱。女性ひとりではどうにもならないだろう。直販サイトでは設置サービスも行っている

第一印象はシンプルなデザイン

箱から出してみると、そのシンプルな外観に驚かされる。従来のモデルでは本体の左右にファンクションボタンが配されていたのだが、27HDではコントローラーが着脱式になったため、本体の表面にはなにもない。また、全面を一枚ガラスで覆っているので、従来あったような表面の分割もない。まるで巨大なiPadのようだ。

本体外観は一枚ガラスで、溝などもないシンプルデザイン。巨大なiPadのようだ

同じ27インチのモニタと比べると、ベゼル部分が大きいため、とても大きく感じる。モニタやテレビでは狭額型が一般的だが、「ペンで描く」ためにはこのベゼルが必要。それがどこまでも完全にフラットなのは本当にうれしい。このシンプルさはとても好ましい。クリエイティブに思う存分集中できそうな予感がする。

コンピュータと接続する

Cintiq27QHDの本体を設置したら、次はパソコンとの接続だ。ケーブルは電源、ディスプレイ、USBの3つ。ディスプレイは「HDMI」と「Display Port」の2種類が用意され、いずれかを選択する。付属の変換ケーブルを使ってDVI接続も可能だ。Mini DisplayPort変換アダプタも付属するのでMacのThunderboltへの接続も可能。ただしVGA接続には別途市販の変換器が必要となる。

電源ユニットはそこそこの大きさ

本体背面のコネクタポート。写真は専用スタンドのケーブルと繋いだ状態。本体のみでの使用時はケーブルは上の溝から逃がす

本体の左右にはUSBのサービスポートがふたつずつ用意されている

本体上部の電源スイッチ

電源スイッチは本体上部側面にある。本体が巨大なので、手を伸ばさないと届かないが、これは誤操作を防ぐ配慮と、通常は自動スリープで電源ボタンをさわる必要がないことからの配慮だろう。

さて、次回は実際に試用を始めたいと思う。