2025年1月13日、ガーミンジャパンが主催するランニングイベント「GARMIN RUN JAPAN 2025」が東京都・府中市にある味の素スタジアムで開催されました。

「GARMIN RUN」は、2021年からアジア各国で開催されているガーミン主催のランニングイベントで、今回の開催は日本における2度目の開催。5kmと10kmの2種目を用意し、計4,000名(5kmが1,500名:参加費4,000円、10kmが2,500名:参加費5,000円)がランニングを楽しめます。

  • 義務教育以来初となるマラソン大会におっかなびっくり参加。2025年、年始から熱いチャレンジとなった

2024年夏に北海道マラソンを観戦して以来、いつかマラソン大会に出てみたい……という儚い希望を持っていたものの、普段インドア生活をしている筆者にとってフルマラソンの42.195kmという距離は“天文学的数字”に近い非現実的な距離です。

しかしふと目にした「GARMIN RUN JAPAN 2025」のイベント要綱では、なんと5kmのコースが用意されていたのでした(ランニング大会といえば全て長距離と思い込んでいた筆者、初心者向けに5kmコースを用意している大会がいくつかあることをこの時初めて知りました)。

「これなら完走できるかも……!」。5kmという手の届きやすい距離が心に刺さり、ガーミンのランニングウォッチ「Forerunner 265」(46mmのレギュラーサイズ)をメーカーから借用して「GARMIN RUN JAPAN 2025」の5kmコースを走ってきました。

初心者には長い5km。走る前には念入りにストレッチを

フルマラソンに比べたら5kmはとても短い距離ですが、普段運動らしい運動をしない筆者にとってはそもそも5kmも“長距離”です。少なくとも練習ナシに完走することは難しく、同イベントでは5kmで45分まで、10kmで90分までという時間制限が設けられており、ちょっと走って辛くなったら残りを歩いて完走……というワケにもいきません。

念には念をということで、2024年12月4日に開催された事前メディア向けレクチャー会にも参加しました。この会ではGarmin Run Clubのランニングコーチ、古閑祐輔さんがガーミンウォッチの設定やランニングのコツなどを教示。東京都・渋谷区にある代々木公園にて、約2kmの公園内ランも実施されました。

このときの走行データは平均心拍152bpm(最大163bpm)、平均ペース7分7秒/km、合計タイム14分51秒でした。全くの初心者が5kmに挑戦する際、練習で大事なポイントを古閑さんに尋ねたところ、「まずは5kmを通しで走ってみて自分の体力的な全体像を把握すること」と教えていただきました。加えて「走行前には念入りにストレッチをする」ことも(なんて実用的なアドバイス!)。

  • Garmin Run Japan 2025の事前レクチャー会で2kmを走ったときの走行データ。平均心拍は152bpmと、当時の自分には負荷の高いワークアウトだった

  • ウォッチのカレンダー機能からランニング大会の日程を登録できる。登録して「トレーニングプラン」を選択することで、大会に向けた練習ワークアウトが提案される

心拍数を確認しながら練習開始、徐々に長く走れるように

この日から大会に向け、3日に1度のペースで5kmを走る日々が始まりました(BGMにロッキーのテーマ[Gonna Fly Now]がかかっている気分で)。走る前にはとにかくストレッチ。手首足首に加え、デスクワークで固まりがちな股関節や太もも裏などをよく伸ばしてから走りました。普段運動しない筆者には事前のストレッチだけでも凝り固まった体を実感でき、結果大きな怪我無く本番に臨めたので本当によかったです。

2025年1月13日の大会当日までに実施したランニング練習は13回。Forerunner 265で取得したデータの概要を下記にまとめました。合計タイムがないものは忙しさや疲労などで5km分の距離を走れず、練習を3kmや4kmなどで終わらせた日。★は自己ベストが出た日です。

練習回数 平均心拍/最大心拍 平均ペース 合計タイム
1 140bpm/153bpm 7分54秒/km 39分36秒
2 133bpm/155bpm 7分54秒/km 39分32秒
3 143bpm/163bpm 7分26秒/km
4 142bpm/163bpm 7分51秒/km 39分16秒
5 147bpm/166bpm 7分31秒/km 37分39秒
6 131bpm/143bpm 7分39秒/km
7 132bpm/155bpm 7分45秒/km 38分51秒
8 141bpm/163bpm 7分40秒/km 38分21秒
9 135bpm/148bpm 7分21秒/km 36分49秒
10 145bpm/158bpm 7分17秒/km 36分29秒
11 141bpm/155bpm 7分05秒/km 35分33秒
★12 146bpm/158bpm 7分01秒/km 35分17秒
13 142bpm/154bpm 7分17秒/km 36分27秒

練習中はスマートウォッチを装着することで、自分の走行ペースや心拍数の状況が走行中リアルタイムで把握でき、「今は心拍数が高すぎるからちょっとペースを下げよう」などと、速度を調節する指標にできました。走行中の心拍数は自分ではなかなかわからないものです。

走行中の画面では「現在のタイム」「距離」「ペース」「心拍数」を1画面で表示でき、特に心拍数はリラックス/イージー/モデレート/ハード/エキスパートの5段階でもゾーニングされるため、自分が頑張り過ぎているのか、もう少し追い込めるのかなど、一目で判断できる点も助かりました。

このほかForerunner 265で特によかったのは「トレーニングレディネス」機能。これは目標やトレーニングに向けてどの程度利用者の準備ができているかを、ウォッチで計測した身体データから判断してくれる機能です。“やや睡眠が不足している”や“ストレスが高い”など、自分では気づかないコンディションを示してくれ、練習タイミングのよい目安になりました。また、練習後のリカバリータイムもわかり、筆者の場合は丸1日(24時間)で完全回復見込みとなっていたため、2~3日おきに5kmを走るという練習ペースで進めていきました。

練習1回目からしばらくの間は5kmを走り通すことができず、2.5kmあたりで歩いたり走ったりの繰り返しでしたが、5~6回目くらいから3kmまでなら通して走れるようになりました。13回目となる最後の練習でも4kmを超えたあたりで歩いてしまいますが、合計タイムは自己ベストで35分17秒と練習1回目(39分36秒)に比べ速くなり、最大心拍も160を超えなくなってきています。これなら少なくとも45分以内の完走はできるはず……!

  • 【初回の5kmラン練習のデータ】

  • 【最後の5kmラン練習のデータ】

  • 距離やタイムで記録を出すとトロフィーの演出で祝ってもらえるのがうれしい

大会本番がやってきた! 果たして5kmを完走できるのか

ついに大会当日、会場となる味の素スタジアムにて筆者のスタート時刻は14時30分でした。スタートはウェーブスタート(ランナーを複数の組に分け時間差でスタートさせる方式)。マラソンの大会に出るのも初めてなら、ゼッケンの装着も、ウェーブスタートも初めて。味の素スタジアムの競技エリアに立つこと自体に感慨深さがありました。

  • 朝Forerunner 265に表示された「レースの日がやってきました!」。当日は緊張し通し

  • 会場となる味の素スタジアム。午前中は10kmコースの参加者が順次スタートしていた

  • GARMIN RUN JAPAN 2025のコース。味の素スタジアムのフィールドを周りながらフィールドゲート1/4を通り市民西町サッカー場横・天文台通りの前で折り返して往復する1周2.5kmのコースとなる

  • これが競技エリアからの景色……と感慨深くなりながら、(参加者の中でも遅い方であるはずなので)集団の後方からスタート

さて実際の大会は天気にも恵まれ、風は冷たいながら気持ちのいいランニングができました。普段は一人で練習していましたが、大勢で走る体験は意外と楽しいという発見も。ひそかに楽しみにしていたランナーの特権「給水」と「折り返し」も堪能し、ゴール後は「走り切った!」という強い達成感がありました。

周囲につられてペースが上がり、会場のICタグで計測した記録はグロスタイムが34分27秒、ネットタイムが34分01秒。手元のForerunner 265で計測したデータでは34分08秒で、平均ペースが1kmあたり7分を切る自己ベストタイムでした。

  • 楽しみだった「折り返し」と「給水」。たった5kmなのにフルマラソンのような体験をしちゃっていいのか……!? とテンション爆上がり

  • Forerunner 265の走行中のデータ表示(自分でカスタマイズすることも可能)はタイムと距離、ペース、心拍数が一目でわかって便利

  • 周りの速さにつられて自分のペースも上がっていった。最速1kmを達成

  • 無事に完走! メダルをもらうのも義務教育以来初めての経験

  • GARMIN RUN JAPAN 2025での走行データ。1km6分台となる練習より速いペースで走っていた。本番のテンションはあなどれない

  • オープニングセレモニーではゲストランナーの川内優輝選手が登場。10kmコースにも出走した川内選手は、先に走り出したランナーたちを見送って最後の出走となったものの、その後全員を抜き去り先頭でゴールを切る見事な走りで会場を沸かせた

  • 会場には主催のガーミンをはじめ、ランニング関連の企業がブース出展。ガーミンブースではForerunnerシリーズを中心に最新モデルを試す人が多く見られた。「大会参加者の多くはガーミンユーザーで、今年の“足慣らし”として出てくださる方が多い。出展は(ユーザーと)コミュニケーションを密にとれるいい機会」(担当者談)とのこと

これまで筆者は、ランニングといえばせいぜい2kmほどしか走れませんでしたが、練習を重ねることで意外と5kmまで走れることがわかりました。5kmは35分~40分ほどで走り終わる距離で、今後もしも継続できれば身体にもいいのでは? と今さら気づいた2025年。5kmを走れるマラソン大会も多く存在するので、別の大会にもチャレンジしたいところです。

……それはそれとして、練習を重ねたこの1カ月、全然痩せませんでした。不思議です。