俳優の横浜流星が主演を務める大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)の新たな出演者が11日に発表され、桐谷健太、古川雄大、岡山天音、寛一郎、山中聡、栁俊太郎、山口森広、浜中文一、片岡鶴太郎の出演が明らかになった。
大河ドラマ第64作となる本作は、江戸時代中期の吉原が舞台。東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎を横浜流星が演じる。脚本は、『おんな城主 直虎』(17)以来、8年ぶり2度目の大河ドラマとなる森下佳子氏が手掛ける。
このたび、蔦重と繋がってヒット作を世に出す仲間たちと、江戸で名声をとどろかす文化人を演じるキャストが発表された。
幕臣にして、江戸随一の文化人、天明狂歌のスターである大田南畝(おおたなんぽ)/四方赤良(よものあから)役に桐谷健太、絵師、戯作者、マルチな才能を持つ、江戸のベストセラー作家・北尾政演(まさのぶ)/山東京伝(さんとうきょうでん)役に古川雄大、喜三二の親友で、黄表紙の傑作『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』の作者・倉橋格(いたる)/恋川春町(こいかわはるまち)役に岡山天音、美声で観衆を虜にする江戸浄瑠璃の歌い手・富本午之助(とみもとうまのすけ)役に寛一郎が決定。
源内とも親交のあった、『解体新書』の生みの親・杉田玄白役に山中聡、政変により人生を狂わされた、意次の側近・土山宗次郎役に栁俊太郎、ユーモアのセンスに長けた、江戸の戯作者・唐来三和(とうらいさんな)役に山口森広、大田南畝、唐衣橘洲(からごろもきっしゅう)とともに、狂歌三大家の一人・朱楽菅江(あけらかんこう)役に浜中文一、妖怪画の大御所、歌麿の人生に大きな影響を与えた師・鳥山石燕(せきえん)役に片岡鶴太郎に決定した。
キャストのコメントは以下の通り。
■桐谷健太
ワタクシ、桐谷健太が演じますのは大田南畝という、表の顔は真面目で実直な御家人、裏の顔は狂歌や戯作など、笑いに溢れた文芸作品のべストセラー作家であり、パーティー好きな、べらぼうに明るく楽しい人物だったそうです。ただその明るさの奥には何があったのか、もしくは無垢な明るさだったのか。これから更に探求したいです。彼の辞世の句にヒントを感じた今日この頃です。
■古川雄大
この度、NHK大河ドラマ「べらぼう」に山東京伝役で出演させて頂きます!歴史ある大河ドラマに初参加させて頂けることをとても光栄に思います。台本を読んでいると「絵なんてモテるために描くんだ」というセリフがあり驚きました。山東京伝は、とにかく女に目がなく、浮名を流すほどの女泣かせで、明るく周りを照らす様なイメージを持ちました。ただ、どこか鋭さもあり、その感性が絵にも反映されています。そんな山東京伝が主役の蔦屋重三郎に出会って、彼に見出されて上り詰めていくという役柄です。
以前もご一緒させていただいた、とても信頼しているスタッフの方々と共に作り上げていく中で、やはり皆様の作品への愛情はとても強く、いつも現場で新しい発見をさせて頂いています。
皆様と同じ熱量で「べらぼう」に挑み、この作品の一部として盛り上げられる様に努めます。どうぞ、ご期待下さい。
■岡山天音
非常に素敵な台本で、読みながら何度も心を揺さぶられました。
この壮大な世界の中で、これから蔦重と触れ合っていくことを楽しみにしております。
おもしろおかしく、不思議な形をした恋川春町という人間の魅力を自分なりに描ければと思います。
■寛一郎
歌舞伎が江戸時代の大衆娯楽として発展した中で僕が演じた午之助は太夫というスター的ポジションでした。
似つかわしくない役柄ですがその時代の文化の中核にあった歌舞伎を体験したくなりました。
扮装含め、歌稽古など先生方に教鞭をとってもらい大変貴重な時間を過ごしながら役を作っていけました。
実際にやってみると歌と語りの間と言っていいほど太夫の歌は難しく、付焼刃で出来ることではないですが、精一杯やらせてもらいました。
■山中聡
杉田玄白 役を演じます山中聡です。実際に存在していた人物を演じるのは特別な事と思っています。杉田玄白さんと言えばお医者様で「解体新書」あと教科書に載っているあのイラストくらいしか思い浮かばなかった僕に、中3の息子が「これを読んで勉強しな」と日本歴史人物伝を貸してくれました。これを読んで少しでも玄白さんに近づけたらと思っています。
■栁俊太郎
この度、土山宗次郎役を演じさせていただきます栁俊太郎です。
大河ドラマは「どうする家康」以来、2度目の出演となります。
小さい頃から見ていた大河ドラマに自分が出るということはやはり感慨深いことであり、現場の独特の緊張感がまた味わえること、そして素敵な共演者の皆様とご一緒させていただくこと、とても嬉しく思います。気合を入れて頑張ります!
■山口森広
出演させていただけることが決まったときは、飛び上がって喜びました。
俳優として、大河ドラマに出演するというのは一つの夢でもあります。
妻にも毎年「あんたいつ大河出るの?あんたいつ大河出るの?」と言われ続けておりました。今年はついに良い報告ができて嬉しい限りです。素晴らしい共演者の皆さんとともに、江戸の時代に笑いとユーモアを届ける唐来三和として、この「べらぼう」の世界をたっぷり生き抜きたいと思います!
■浜中文一
朱楽菅江役をやらせていただきます浜中文一です。
個人的に目標にしていた大河ドラマに出演する事が出来て嬉しく思います。
狂歌という、現代ではほとんど馴染みのない文化をべらぼうの世界の中から朱楽菅江として皆様にお届け出来ればと思います。
■片岡鶴太郎
この度は絵師・鳥山石燕を演じさせて頂きます。
鳥山石燕は妖怪絵師として独自の世界を切り拓き後進の歌麿を見出しそして現代の妖怪漫画・ゲゲゲの鬼太郎の作者水木しげるさんへと繋がって行きます。
どうぞお楽しみ下さいませ!
【編集部MEMO】
“べらぼう”とは、そもそも「たわけ者」「バカ者」という意味で、それが時を経て、「甚だしい」「桁外れな」という「普通を超える」さまを表す言葉に変化。江戸の言葉の「べらんめえ」の語源ともいわれている。