BSテレビ局・BSJapanext(BS263ch)がBS10chに移動し、新たに「BS10(ビーエステン)」として10日開局した。これまでBS10chで放送してきたスターチャンネルは「BS10 スターチャンネル」(有料放送)となり、無料放送のBS10とハイブリットで展開していくことになる。
両局を運営するジャパネットブロードキャスティングの佐藤崇充社長と、持株会社であるジャパネットホールディングスの高田旭人社長が同日、取材に応じた。
テレビを見て新しいインプットを
10chに移行してリモコンのボタン1押しで視聴できるようになったことで、高田社長は「7~8倍ぐらいの視聴者が増えるのではないか」とみており、「中身を磨けば掛け算で増えていくので、BS日テレさんやテレ東さん、朝日さんを目指すようにやりたいと言っています」と意気込む。
BS放送の広告市場は縮小傾向にあるが、高田社長は「個人個人が好きなものを選びすぎるこの状況を変えないと、ちょっと良くないんじゃないかと思っています。子どもたちが自分の好きなものをYouTubeで見て、SNSで見てっていう世界より、ちょっとでもいいのでテレビを見て新しいインプットをして、新しい趣味や考え方が広がるということは、世の中にとって良いことだという思いがあります」と力説。
その上で、「番組制作にかける人数も他の局さんより少ないですし、それを外部に委託して休まずにブラックでもやるっていう世界ではなくて、自社にいるメンバーがちゃんとホワイトに休みも取りながら、工夫をしながら良い番組を作っていくということをやっていけば、コスト的にも抑えられるんじゃないか。と同時に、出演者の方の意見もできるだけ聞いて、自分の意思で自分のやりたいことを発信してもらえるようなことを一緒にやりたいと思っています。企画からディレクターと一緒に作っていただける方が多いので、国分太一さんの番組も“好き放題やってください”と言っています。やっぱり出てる方が好き放題楽しいことをやっているのを見ると、人は幸せになると思うので、そういう全く違うアプローチのやり方をすると勝算はあるんじゃないかという仮説のもとでやっていきます」と方針を述べた。
制作費については、24年度はリニューアル開局の準備期間で抑えたため、25年度は23年度と比較して、「2割程度上げるくらいの感覚です」(佐藤社長)という。
従来の局で考査NGだった商品の発信も検討
また、グループの主力事業である通販において、従来のテレビ局では考査で放送できなかった商品も「我々なりに正しいと思う情報は発信していきたい」(高田社長)という意向。
「もちろん考査を緩くするということは良いことだと思わないんですけど、例えば政治に触れることもあるかもしれませんし、医療に関することや健康に関する考え方とか、エビデンスとしてまだ十分じゃないということをちゃんと説明した上で発信するような世界というのは、僕自身はもうちょっとあってもいいのかなと思っています。せっかく良い取り組みをしてても、100点じゃないから流せないということがちょっと多いなと思っているので、そういうところにはちょっと踏み込んでいくべきかなと思います」(高田社長)との考えを示した。