犬山紙子「絶対に自分で自分のことを信用できなくなる」著書「女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから」執筆の経緯を語る
山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。今回の放送は、イラストエッセイストの犬山紙子(いぬやま・かみこ)さんが登場! 2024年10月18日(金)に出版した著書「女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)について伺いました。

(左から)パーソナリティの山崎怜奈、犬山紙子さん

◆「女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから」執筆の経緯

れなち:犬山さんが出された本「女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから」では、ネットが子どもに与える影響のことなどが書かれています。そのほかにも、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「#こどものいのちはこどものもの」を立ち上げたり、社会的養護を必要とする子どもたちにクラウドファンディングで支援を届けるプログラム「こどもギフト」のメンバーとしても活動されていますが、“子ども”に目を向けた活動というのは、ご自身がお子さんを持つ前から意識してされていたのですか?

犬山:いえ、子どもを持つ前は蓋をしていました。テレビで児童虐待のニュースとかが流れると、本当につらくて番組を変えちゃったりしていたんですよ。

れなち:それを受け止めるのも難しいですよね。

犬山:はい。だけど、“つらいから”という理由だけでこのまま見て見ぬふりを続けると、子どもたちのためというよりは、絶対に自分で自分のことを信用できなくなるな、と思ったのがきっかけで向き合うようになりました。

◆“子育て”の素晴らしさが伝わってほしい

れなち:著書のなかには“インターネット上の性被害からの守り方”というトピックがありますが、これは大人でも嫌なことじゃないですか。ちょっと過激な広告が急に出てきちゃったりとか。

犬山:本当にそうなんですよ。子どものスマホにフィルタリングしていても、当たり前にアダルトな広告とかが出てくるんです。

これに対して多くの人が苦言を呈したら、国のほうから「フィルタリングの徹底を」みたいな話になったんですけど、フィルタリングをかけたとしても裏技でいくらでもすり抜けられるので“フィルタリングの問題なのかな?”って思うこともあって……ちょっと難しい現状がありますね。

れなち:あと「受験期のケアの方法」というトピックもありますが、これにきちんと触れているのがすごいなと思いました。(親って)どうしても子どもの成功ばかりに執着してしまうときってあるじゃないですか。

犬山:自己実現と子ども(の成功)を混同してしまいそうになる瞬間って、他人事じゃないなと思ったんですよ。私自身、子どもファーストで考えながら接していても、すぐに自己実現がチラッと顔を覗く瞬間があるんですよね。

れなち:なぜそれを客観的に気付けるのですか?

犬山:親は「将来のことを考えて、これをやっておいたほうがお得だよ」みたいな合理的なルートを示したくなるけど、それに対して“子どもの意見をちゃんと聞いたっけ?”みたいなこととか、“それって私が子どもを介して「強くてニューゲーム(※)」をやっているのでは?”と思った瞬間がちょくちょくあったんですよ。

※強くてニューゲーム…RPGにおける用語で、ゲームデータの一部を引き継いで最初からゲームを始めること。

れなち:「どうしてそれがしたいのか?」「なんでそれをしたいのか?」っていうフィルターの軸が1つあるということですか?

犬山:そうですね。

れなち:それは大事ですよね。今回の本は素晴らしい専門家の方々と一緒に、いろいろなトピックで話されていますが、犬山さんとしても“今後の育児の資料集”みたいな意味合いをもつ本になりましたか?

犬山:そうですね。自分の不安から始まって書いているので、迷ったときに何回も読み返しています。

れなち:私は、子どもを育てることに対して“怖いな”“自分にできる自信がないな”とずっと思っていたんですけど、この本を読んだら、少しだけ子育てというものと向き合ってみたくなりました。

犬山:それはすごくうれしいです! 最近“子育て”と聞くと“大変さ”のほうが先行している方が多いけど、“やってみたいけど怖くてできない”という方には、その素晴らしさが伝わればいいなと思います。

<番組概要>

番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。

放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55

パーソナリティ:山崎怜奈

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/darehana/