米ラスベガスで開催中のCES 2025(2025年1月7日〜10日)で、LenovoがSteamOSの公式ライセンスを受けた初のサードパーティ製携帯型ゲーミングPC「Lenovo Legion Go S」を発表した。Valveは7日(米国時間)、「SteamOS expands beyond Steam Deck」というブログ投稿で、Legion Go Sと同様の互換性のサポートを他の携帯型ゲーミングPCにも拡大する計画を明らかにした。Legion Go Sの出荷開始(SteamOS版は5月開始予定)に先立ち、携帯型ゲーミングPCユーザーが導入してテスト可能なSteamOSのベータ版を提供する予定である。

SteamOSは、Valveの携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」に搭載されているLinuxベースのOSである。ゲーム用に最適化されたシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供し、Proton互換性レイヤーによって、ゲーミングプラットフォームSteamのゲームライブラリの多くをSteamOS上でプレイすることが可能である。

携帯型ゲーミングPC市場には近年、Windowsを搭載したデバイスが多数登場している。これらのデバイスはWindows用のゲームがネイティブに動作するという利点を持つ一方で、Windowsがハンドヘルドゲーム機に十分に最適化されていないため、ユーザーインターフェイスや操作性、バッテリー持続時間、ユーザー体験などに対する不満が見られる。2024年3月には、Microsoftでゲーミング事業を率いるフィル・スペンサー氏も、Polygonのインタビューにおいて、Windowsが携帯型ゲーミングPCの体験を損ねていることを認めている。

「Lenovo Legion Go S」はWindows 11版とSteamOS版が用意される。AMD Ryzen Z1 Extremeプロセッサを搭載し、最大32GBのLPDDR5X 6400を内蔵可能。8インチWQXGA(1920×1200、16:10)120Hz対応PureSightタッチLCDを採用しており、USB 4×2ポート、オーディオコンボジャック、microSDカードリーダーといったインターフェイスを備える。ワイヤレスはWi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応する。容量55.5Whのバッテリーを搭載。本体サイズは299×127.55×22.6mm、重量740gである。

現在、SteamOSを搭載したデバイスは「Steam Deck」のみであるが、 Lenovo Legion Go Sのようなサードパーティ製品が増えることで、より新しいハードウェアや多様なスペック、価格帯の選択肢が広がることが期待される。

SteamOSベータ版をインストール可能なデバイスの詳細は明らかになっていないが、 Valveは昨年8月にリリースされたSteamOS 3.6.9ベータ版において、 ASUS ROG Allyのコントロールのサポートを追加している。

一方、MicrosoftもCESで行われた「The Future of Gaming Handhelds」セッションにおいて、Xbox Gaming Devices & Ecosystem担当バイスプレジデントのジェイソン・ロナルド氏が、Windows搭載の携帯型ゲーミングPCにXboxの体験をもたらす計画を示唆した。