横須賀市長沢にある「天照大神(てんしょうだいじん)」をご紹介します。京浜急行線「京急長沢駅」から徒歩23分「YRP野比駅」から徒歩22分、「YRP野比駅」から京急バスを利用して「みのり橋」下車徒歩8分、などの交通手段があります。参拝者用の駐車場もあるので車でも大丈夫です。
伊勢の神宮より天照大神を勧請
主祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)です。境内の掲示によれば、江戸時代のお伊勢参りの盛んな頃に、里人(さとびと、その土地に住む人の事)の三家(げんぜむ、きゅうぜむ、さんぜむ)が長沢小字峯の通称お伊勢山のこの地に伊勢の神宮より御分霊を勧請し、長沢の鎮守様として奉斎したのが始まりと伝えられています。以来、代々広大なる御神徳を仰いで心の安まる神域として、人々の生活の中心としてともに歩んできた長い歴史を有しています。
老朽化による大修理
地元の鎮守様として大切にされてきましたが、本殿、拝殿の老朽化が進み、天照大神大修理及び境内整備事業奉賛会が結成され、氏子はもとより崇敬者800名から浄財が奉献され、拝殿の屋根を銅板に葺き替え、正面を唐破風(からはふ)づくりに改築し、幣殿が新築され本殿と継がれました。この時に裏参道が造成されています。平成11年5月23日に竣工奉祝大祭が開催されました。境内に記念碑が建てられています。
お伊勢山
長沢中学校から通研通りを挟んだ向かいに大きな石柱が建っています。ここから入って住宅街を通っていきます。案内がありますのでここで曲がると見えてきます。
お伊勢山と呼ばれるだけあって最初の鳥居から山の長い参道を上っていきます。こちらの参道は昭和39年に整備されています。ここには三つの鳥居がありますが、最初の鳥居と、参道を抜けて上ったところの二番目の鳥居は昭和21年9月に建てられたものです。
手前の石柱は平成11年の改修の際に建てられたものです。
最初の鳥居の左隣には庚申塔があります。かなり古いものです。神社が建立された最初からあるものでしょうか?下はおそらく三猿(見ざる聞かざる言わざる)でしょう。
参道を進んで、こちらが二番目の鳥居です。鳥居を抜けた先に並ぶ燈篭は平成12年から13年にかけて奉納されたもので、大改修の後に作られたものです。
二番目の鳥居の隣にある石柱は昭和58年7月のものです。
左右に燈篭を見ながら進むと最後の鳥居があります。この鳥居と玉垣は平成11年の大改修の際に作られたものです。
鳥居の近くの狛犬は昭和55年7月、拝殿の前にも狛犬がありますがこちらは平成6年7月のものです。
長い年月をかけて少しずつ変わっているのですね。
また、平成11年の大改修の際に裏の参道も整備されました。後に、この途中に地元の方のご厚意で土地が提供され駐車場が作られました。参道に向かう階段の右側の道を車で進めば裏参道へつながります。歩くのが大変な方でも駐車場まで楽に上がることが出来ます。
天照大神の格式と江戸時代のお伊勢参り
こちらの主祭神である天照大神(天照大御神とも表記します)は最高神とされており、皇室の祖先神でもあります。天照大御神は伊勢神宮内宮に祀られていますが、「神宮」という名前は皇室や天皇と関係が深い神社に使われる名前です。そして「神宮」とだけ言うとそれは伊勢神宮の事を指します。神宮と名の付く神社は神社の中でも格式が高いですが、伊勢神宮はその中でも別格の存在です。江戸時代には伊勢神宮を参拝する「お伊勢参り」が流行になりましたが、交通網の発達した現代と違い、時間も費用もかかるものでした。伊勢から天照様をお招きすることで参拝しやすくなった事は当時の里人にとって大変な喜びだったことでしょう。伊勢神宮も素晴らしいので参拝していただきたいですが、地元の天照様もぜひ大切にしていただきたいです。ぜひ参拝してみてくださいね。
天照大神
アクセス
京浜急行線「YRP野比」駅より徒歩22分、「京急長沢」駅より徒歩23分
住所:〒239-0842 横須賀市 長沢6-27-33
駐車場:あり