石川県加賀市(市長:宮元陸)と連携協定を結び、加賀市のインキュベーションルームに入居するスタートアップのemblemは、「『空への一歩』プロジェクト報告会~JAXAベンチャー認定&NEDO事業採択~」と題した報告会をこのほど開催した。

  • 左から加賀市宮元市長、エンブレム和田取締役、同長濱代表取締役

両者は2024年2月に「先端ヒト飛行技術を用いた空の新産業創出および地方創生に向けた包括連携協定」を締結し、新産業創出と地域活性化に向けた取組とともに、「空への一歩」プロジェクトを推進している。

推進にあたって、同社は加賀市内の廃校跡地を活用しながら研究開発を行い、市内事業者からの部品調達など、市内で新しい供給網形成に向けた「空の産業集積」へ向けて取組を実施してきた。

また、会社設立1年目でありながら、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)より「JAXA ベンチャー」の認定を受けたほか、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)よりNEDO先導研究プログラムの採択を受けているという。

  • 1年間の取り組みを披露する長濱代表

加賀市は夢の「ヒト飛行」技術の実現に向け、また加賀市の「空の産業集積」に向け、同プロジェクトおよびスタートアップを応援していくという。

宮元加賀市長は「NEDOやJAXAなどしっかりした組織が評価した事業である。空の領域は、市場もブルーオーシャンで可能性に満ちあふれている。加賀市から日本の先導的役割を果たすという自負のもと、これからも夢と希望を持って、一緒に空への一歩を踏み出したい」とコメントした。

エンブレムは「人が脱着できる小型エンジンを使い、災害時の救助現場やインフラの整備現場で従事する人が空中で自由に移動できる『人が空を飛ぶ未来』の実現を目指している」と目指す方向性について言及。

また、「現在開発中の技術は飛びながら地上に手を振ることもできるなど、飛行と身体の自由を両立させる計画である。今後数年以内に実際に空を飛ぶ様子を加賀市で見せることができたら、また2030年代には商用化を目指したいと考えている」とこれからの計画についてもコメントを寄せた。