骨伝導イヤホンのリーディングカンパニーであるShokz(ショックス)が、空気伝導型の完全ワイヤレスイヤホン「OpenFit 2」を発表しました。CES 2025にも出展するShokzのブースと、今回サンプルをいただいたOpenFit 2の実機による最速レビューをラスベガスからお届けします。
デュアルドライバー搭載で音質を強化
OpenFitシリーズは、ワイヤレスイヤホンの音の出口を耳に近接させて楽しむ空気伝導スタイルを特徴としています。2023年に初代の「OpenFit」、翌年には装着感を高めた「OpenFit Air」を発売し、骨伝導イヤホンのシリーズとの“2枚看板”としてブランドの存在感を高めてきました。
OpenFit 2は、1月7日から北米で販売を開始しました。価格は179.95ドル(約28,000円)。カラーはブラックとベージュの2色。日本でも1月16日に発売を開始します。価格は25,880円になることが決まっており、Shokzの公式サイトではカウントダウン抽選会を実施しています。
第2世代のイヤホンは、初代機からまた音質が大幅にブラッシュアップされていました。本体に中高音域用のダイナミック型ドライバーと低音域用の17.3mm矩形ウーファーを搭載するデュアルドライバー構造により、フルオープン型のイヤホンでありながら抑揚に富んだ力強いサウンドを再現します。音もれを防ぎながら、外耳道に向かうサウンドの音圧を高める独自技術も、新しいドライバーに合わせて「DirectPitch 2.0テクノロジー」にアップデートされました。
実機をゲット! 最速レビュー
Bluetoothオーディオの対応コーデックはAACとSBCです。今回、Shokzの担当者からお預かりしたOpenFit 2を、筆者がラスベガスに持参したGoogle Pixel 9 Proに接続して試聴しました。
モバイルアプリの「Shokz」には、イヤホンのペアリングガイドや、イコライザーにマルチポイント、タッチセンサーボタンのカスタマイズなど、多彩な機能が揃っています。イコライザーの設定はデフォルトのスタンダードにしていますが、オープンイヤーのイヤホンは使用する環境に合わせて「低音強め」「高音強め」などのプリセットが素速く選べるOpenFit 2のような製品がやはりおすすめです。
筆者は、OpenFitとOpenFit Airも試しましたが、OpenFit 2は豊かな余韻が感じられるほどリッチな重低音再生がお見事。スピーカーで音楽を聴いているようなぶ厚い音楽の充実感と熱量が伝わってきます。アップテンポなロック、低音重視のダンスミュージックとも好相性。骨伝導イヤホン特有の、再生時に“こめかみ”が小刻みに震えるような感覚が苦手という方は、通話音声の明瞭度にも優れているOpenFit 2をぜひ試してみるべきです。
OpenFitシリーズのイヤーフックは、どのモデルも人間工学に基づいて設計されています。OpenFit 2では、柔らなくしなるニッケルチタニウム合金の軸に、肌触りがいっそうソフトなシリコン素材を組み合わせて装着感に磨きをかけました。メガネの上から装着してもまったくストレスがありません。もちろん、イヤーフックを着脱することなく、コンパクトな充電ケースに素速く収納できます。
内蔵バッテリーが大型化したことで、イヤホン単体による最長連続再生時間が初代機の約7時間から、第2世代機では約11時間まで伸びています。ケースによる充電を繰り返せば最大48時間です。
本体はIP55相当の防塵・防水設計。イヤホンの質量が0.9gほど上がっていますが(約9.4g)、イヤーフックのしなやかさが増しているので、まったくそのことが分かりませんでした。
まだ1月上旬ですが、早くも「2025年で一番のフルオープン型ワイヤレスイヤホン」が登場してしまった気がしています。日本で発売されたら、ぜひ聴いてみてください。